第四十四話 村の正体
呪いの根は深く、簡単には消え去ることはなかった。噴水の光が村を一時的に鎮めたかに見えたが、その影に隠れていたさらに大きな悪意が目覚めたかのようだった。
地面に崩れ落ちたはずの骸骨が、今度は村全体と一体化して動き始めた。噴水は巨大な頭蓋骨のようにねじれ、崩れた家々がそれぞれの骨となって組み合わさり、まるで一つの生き物のように動き出した。
「なんだこれは!?村そのものが動いてる!」怠惰は目を見張り、後ずさった。
崩壊も驚愕しながら叫ぶ。「これが黄泉の村の本当の姿か…!」
村と一体化した巨大な骸骨のような存在は、ゆっくりと動きながら二匹に襲い掛かってきた。その動きは遅いものの、圧倒的な規模と力で周囲を破壊しながら迫ってくる。
「崩壊、これどうする!?こんなの、相手にして勝てるのか?」怠惰は焦りながら剣を構えるが、その大きさに圧倒されている。
崩壊は冷静さを取り戻し、周囲を見回した。「あの噴水が頭だ…!おそらく、あれが中心だろう。奴の本体を壊すしかない!」
「でもどうやって!?こんなでかい相手に…」怠惰が言いかけたその時、巨大な村骸骨が腕のように変形させた家々を振り回し、二匹を狙ってきた。
「考える暇はない!行くぞ!」崩壊は地面を砕き、瓦礫を飛ばして攻撃を防ぎながら前に出る。怠惰もそれに続き、剣を握り締めて噴水の頭部を狙った。
骸骨の村は、地面を裂き、廃屋を砕きながら怠惰と崩壊を追い詰める。しかし、その巨大さゆえに動きは鈍重で、二匹はその間を縫うようにして駆け回った。
怠惰は剣を掲げながら叫ぶ。「崩壊!僕が気を引く!その間に噴水の本体を叩いてくれ!」
崩壊は一瞬迷ったが、すぐに頷いた。「分かった!絶対に仕留める!」
怠惰は希望の剣を輝かせ、村骸骨の注意を引きつけるように動き回る。その光に引き寄せられるように、巨大な腕が怠惰に向かって振り下ろされる。しかし怠惰はギリギリで回避し、骸骨の動きを誘導する。
一方、崩壊は力を蓄え、噴水の根元を狙い定めた。「これで終わりだ!」崩壊の力が一点に集中し、噴水の中心部に叩き込まれる。
衝撃とともに噴水が崩れ、その瞬間、村全体が大きく揺れ始めた。骸骨と化した家々は一つずつ崩れ落ち、村骸骨は断末魔のような咆哮を上げながら動きを止めた。
怠惰と崩壊は、荒れ果てた村の中心に立ち尽くしていた。静寂が戻ったかのように見えたが、その場にはまだ不気味な空気が漂っていた。
「…これで、本当に終わったのか?」怠惰が息を切らしながら呟く。
崩壊は黙ったまま周囲を見回し、慎重に歩みを進めた。「分からない…でも、早くここを出た方がいい。」
二匹は気を引き締めたまま、再び死者の国への道を進み始め....




