第四十三話 浄化
怠惰と崩壊が石を破壊したにもかかわらず、骸骨たちは止まるどころか、さらに数を増やして襲いかかってきた。
「嘘だろ!?まだ動いてるのかよ!」
怠惰は驚きの声を上げながら後退した。
崩壊も困惑しながら叫ぶ。
「あの石を壊してもダメなのか…!一体どうすれば…!」
骸骨たちは群れを成して二匹を取り囲み、逃げ場を奪おうとしていた。その数は数え切れないほどで、地面は骨で埋め尽くされている。
「これじゃキリがないよ!何か別の方法を考えないと…!」
怠惰は必死に剣を振り、迫り来る骸骨を次々と砕くが、そのたびにまた別の骸骨が湧き出てくる。
その時、崩壊がふと噴水の周囲に刻まれた古い文字に気づいた。「怠惰!あの文字を見ろ!何かの呪文みたいだ!」
怠惰もその文字に気づき、急いで近づいてみると、そこにはこう書かれていた。
「汝、命を得し者よ、真の静寂を与えよ。汝が魂の光を捧げる時、黄泉の門は開かれる。」
「…これ、魂を捧げるってこと?いや、どういう意味だ!?」怠惰は焦った表情で崩壊を見た。
崩壊は少し考え込んでから答える。
「魂そのものを捧げるんじゃない…お前の剣、『希望』だ。その光なら、この村を包む呪いを解けるかもしれない!」
怠惰は剣を見つめた。「希望の力を…捧げる?」剣を握り直し、噴水の中央に立つと、剣を高く掲げた。剣から放たれる光が一気に輝きを増し、村全体を照らし始めた。
「行け!怠惰!」崩壊が周囲の骸骨を押しのけながら叫ぶ。
怠惰は全力で剣に意識を集中させた。
「これで終わらせる…」
「浄化!」
剣から放たれる光がさらに強くなり、噴水の台座に光が吸い込まれていった。
その瞬間、骸骨たちが一斉に動きを止め、地面に崩れ落ちた。空気が変わり、村全体に静寂が戻る。噴水から湧き出た光が空に昇り、村を包む呪いが解けたかのようだった。
崩壊が疲れた様子で怠惰に近づき、「…やったな。」と肩を叩いた。怠惰も息を切らしながら頷いた。「危なかったけど、なんとか…これで終わったみたいだ。」
しかし、解けたはずの呪いの残り香がまだ村に漂っていることに、二匹は気づいていなかった。




