第四十話 以外な結末
氷の精霊グラシエールと戦うことになった怠惰と崩壊。
グラシエールはここへ来るときにも戦った氷のオオカミを2匹召喚して来た。
怠惰は
「さっきのオオカミが二匹も!」
「しかもここはそんな広くないよ!」驚き叫ぶ。
崩壊が答える。
「ならば!この部屋ごと崩す!」
部屋がどんどん崩れていく。オオカミは足場が崩れて上手く動けなさそうだ。
怠惰はそのすきに取り出した希望の剣でオオカミを切り刻んだ。
「後は本体だけだ」崩壊がそう言うと
グラシエールは急に弱々しく
「やめてくれ!私はそんなに強くないんだ!」と震えた声で叫んだ。
さっきまでのこちらを試すような強気な態度と打って変わって凄いこちらを恐れているようだ。
崩壊は怠惰に聞く
「あいつ、どうしたんだ?」
崩壊はひどく困惑している。
怠惰は「わかんない」
と困惑しながら答える。
怠惰と崩壊は、突然のグラシエールの態度の変化に動揺していた。さっきまでの冷たい威圧感はどこへやら、氷の精霊は怯えた表情で二匹を見つめている。
「や、やめてくれ!!」
グラシエールは翼を縮め、後ずさりしながら震えた声で続ける。
「私はただ、この場所を守れと言われていただけなんだ…! 本気で戦うなんて聞いてない!」
怠惰は剣を持ったまま困惑した表情で崩壊を見る。
「これ、どうするの?」
崩壊も同じく戸惑いながら。
「あいつ、本気で怖がってるみたいだな。さっきまでの威勢はどこ行ったんだ?」
グラシエールはさらに慌てた様子で弁解を続ける。
「私はただの氷の精霊で、力もそんなに強くないんだ! 狼だってあれ、前に作っておいたやつだし、本当に戦うつもりなんてなかったの!」
怠惰は剣を降ろし、慎重にグラシエールに近づきながら尋ねた。
「それなら、最初から戦わなければよかったんじゃないの? 僕たちはただ、死者の国に行きたいだけなんだよ。」
「で、でも…」グラシエールは視線を落としながら答える。
「守れって言われたんだ。この場所を通るやつを試して、相応しいかどうか確かめろって…。でも、こんな強いやつらが来るなんて思わなかったんだもん!」
崩壊は額に手を当ててため息をついた。
「試す相手を間違えたってことか。でもまあ、俺たちも無駄に壊しすぎたかもしれないな。」
怠惰は少しだけ笑いながら頷いた。
「それで、どうする? 僕たち、ここを通ってもいいの?」
グラシエールは慌てて頷き、氷の床を軽く叩いた。すると、部屋の奥に隠された扉がゆっくりと開き、冷たい風が二匹を包み込む。
「これが死者の国への道だよ…通ってもいいから、もう攻撃しないでね!」
怠惰は剣をしまいながら笑顔で答えた。
「ありがとう。ごめんね、怖がらせちゃって。」
崩壊も軽く肩をすくめながら歩き出す。
「まあ、何とかなったな。先を急ぐぞ、怠惰。」
こうして、怠惰と崩壊は試練を乗り越え(?)、死者の国への道を進み始めるのだった――。
背後でグラシエールが深い溜息をつくのが、かすかに聞こえた。




