第三十三話 ベルンフェル
死者の国を目指し、北へと歩き始めた怠惰と崩壊。ニアダフスクを出発して数日が経ち、寒さと険しい道のりが二匹の体力を奪い始めていた。
「さすがに休憩が必要だな。」崩壊が前方を見据えながら言った。
その時、ふと視界の先に小さな町が見えた。山のふもとに広がるその町は、木造の家々が寄り添うように建てられ、静かながら温かみを感じさせる雰囲気を持っていた。
「町だ!」怠惰は声を上げ、足を速めた。
「食べ物と情報を手に入れよう。」
崩壊もその意見に賛成し、二匹は小さな町へと向かった。
町の入口には古びた看板が立っており、「ベルンフェル」と書かれていた。住民たちは寒さをしのぐためか厚いコートをまとい、通りでは小さな屋台がいくつか開かれていた。
「ここなら何かしら情報が手に入りそうだ。」崩壊が辺りを見回しながら言った。
二匹が通りを歩いていると、一人の老婆が屋台でスープを売っていた。
「旅人かい?こんな寒い中、大変だねぇ。」老婆が声をかけてきた。
「少し休んでいきなさい、温かいスープを飲めば元気が出るよ。」
怠惰と崩壊はスープを注文し、木の椅子に腰を下ろした。スープの香りは豊かで、一口飲むと体の芯まで温まるようだった。
「おばあさん、この先に『死者の国』って呼ばれる場所があると聞いたんですが、知っていますか?」怠惰が尋ねた。
老婆はスプーンを手に止め、少し表情を曇らせた。
「死者の国...あそこへ行くのかい?あの山を越えた先に確かにあると聞くが、そこに行った者が戻ってきた話は聞かないねぇ。」
「何か危険があるんですか?」崩壊が身を乗り出して聞いた。
「噂では、死者の国に入る者は試練を受けると言うよ。それに耐えられない者は...死者の仲間入りをするそうだ。」
老婆の言葉は冷たく響いたが、怠惰と崩壊の決意を揺るがすことはなかった。
老婆に礼を言った二匹は、町で見つけた小さな宿に泊まることにした。宿の主人は親切で、暖炉の火を焚きながら旅の疲れを癒す食事を振る舞ってくれた。
「死者の国か...また厄介な場所になりそうだな。」崩壊がベッドに横になりながら呟いた。
怠惰は窓の外に見える山々を眺めながら、声の主の言葉を思い出していた。
「『導いてあげましょう』...この言葉が本当なら、僕たちは進むしかない。例えどんな試練があろうとも。」
翌朝、冷たい風が吹く中、怠惰と崩壊は再び旅を続けるためにベルンフェルを後にした。
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Xつくりました。設定とかビジュアルとか書くかも




