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第三十話 効率的狩猟

怠惰と崩壊は、メイカーから逃れたはずだった。

その瞬間、追跡者の不気味な声が二匹の耳に届いた。


「『狩猟』の力を試すにはちょうどいい。狩りの時間だ!」


怠惰が振り返ると、遥か後方に立つメイカーの視線がこちらに向けられているのを感じた。


「おい、なんであいつ、こっちの場所がわかるんだ?」怠惰が苛立ちを隠せずに言う。


崩壊の顔は険しいものだった。

「これは恐らく、奴が『狩猟』の力を奪った証拠だ。獲物の位置を完全に把握できる能力...まずいぞ。」


言い終わる前に、大きな音が背後で響いた。建物が次々と倒壊し、地面を揺るがしている。メイカーが『神速』の力を使い、障害物を容赦なく破壊しながら追いかけてくるのだ。


「走れ!」崩壊が怠惰を促し、二匹は暗い路地を全力で駆け抜けた。

だが、どんなに走っても、メイカーの気配は徐々に近づいてきた。その圧倒的な速さに加え、正確に居場所を突き止める狩猟の力。


「無理だ、逃げ切れない!」怠惰が息を切らせながら叫ぶ。


その瞬間、巨大な衝撃波が二匹を襲った。建物の瓦礫が四方に飛び散り、怠惰は地面に叩きつけられた。


崩壊がすぐに立ち上がり、怠惰をかばうように前に出た。

「もう逃げ場はないようだな...!」


崩壊の目の前にはメイカーが立っていた。仮面越しでも分かる冷たい笑みを浮かべ、左手のガントレットが紫色のオーラを纏って輝いている。


「走っても無駄だ。『狩猟』の力の前では、貴様らはただの獲物だ。」


崩壊は歯を食いしばり、地面に力を込めた。

「怠惰、奴を止めるには正面からぶつかるしかない...!」


「待て、崩壊。無茶をするな!」怠惰は崩壊を制止しようとするが、崩壊は既に動き出していた。

崩壊は力を限界まで高め、メイカーに向けて地面を崩壊させた。大地が砕け、大量の瓦礫がメイカーに迫る。


しかし、メイカーは涼しい顔のまま、その場から消えるように動き、崩壊の攻撃を回避した。


「遅いな。その程度では私には届かん。」


メイカーは神速の動きで崩壊の懐に入り込み、強烈な一撃を放った。崩壊は吹き飛ばされ、瓦礫の山に叩きつけられる。


「崩壊!」怠惰が叫び、必死に駆け寄ろうとするが、メイカーがその動きを遮るように前に立ちはだかる。


「次はお前だ、怠惰。」メイカーの声は冷酷だった。


怠惰は震える体を必死に支えながら、メイカーを睨みつけた。

「...俺たちは、ここで終わるわけにはいかないんだ。」


怠惰は深く息を吸い込み、自らの力を呼び起こした。周囲の空気が変わり、メイカーの表情が僅かに険しくなる。


「ほう、お前にも戦う意志があったか。」


メイカーが怠惰に向かって神速の動きで突進する。だが、怠惰はその動きをじっと見据えていた。


「崩壊、準備はいいか...?」


瓦礫の山の中から崩壊の声が響いた。

「もちろんだ。やるぞ!」


崩壊が最後の力を振り絞り、地面を完全に崩壊させた。怠惰と崩壊は連携してメイカーの足場を失わせ、隙を突いて逃げ道を確保した。


「逃げるぞ!」怠惰が叫び、二匹は全速力でその場を離れた。


メイカーは瓦礫の中から立ち上がり、拳を握りしめた。

「逃げられると思うなよ...貴様らは必ず狩り尽くす。」


逃走劇の果てに、怠惰と崩壊は再び新たな戦略を立てる決意を固める。追跡者の恐怖はまだ続くのだ。

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