第二十五話 ハンティング トウー ハンティング
朝日が差し込む頃、怠惰と崩壊はイワユリに見送られながら村を後にした。ツタと木々に隠された静かな村でのひと時は短かったが、二匹にとっては束の間の休息となった。
「また困ったことがあればいつでも来てね!」イワユリは元気よく手を振りながら声をかけた。
「ありがとう、イワユリさん。」怠惰は笑顔で答える。
崩壊も軽く頷き、二匹は再び旅路へと足を踏み出した。
一方、朝の霧に包まれた都市ニアダフスクでは、不穏な動きが進行していた。
廃工場のような薄暗い施設の一室で、メイカーは新たなガントレットを手にはめていた。そのガントレットは以前のものとは異なり、黒と赤の鋭い意匠が施されており、力強い輝きを放っている。
「素晴らしい出来だ。」メイカーは満足げにガントレットを眺めた。
目の前には、wordsのドラゴン「狩猟」が捕らえられていた。彼の体は傷つき、言葉を操る力は封じられているようだった。「狩猟」は必死に鎖に繋がれた体を揺らしながら懇願する。
「お願いだ...やめてくれ...!」
だが、メイカーの表情に慈悲はなかった。彼は冷たく笑いながら「ふふふ.....次はお前の番だ」と言った。
部屋の片隅ではD.P.companyの職員がモニターを見つめていた。メイカーは彼に視線を向ける。
「怠惰と崩壊の動向は?」
職員は緊張しながら答えた。
「ニアダフスクに向かっているようです。」
その言葉を聞いたメイカーは小さく笑い、ガントレットをゆっくりと握り締めた。
「都合がいい。次こそ仕留める。」
メイカーは「狩猟」に歩み寄ると、ガントレットを高く掲げた。そこから放たれた異様な力が「狩猟」の体を捉え、彼の体は次第に光に包まれていった。「狩猟」は最後の力を振り絞り、叫び声を上げる。
「うわぁぁあああ!」
光が収束すると同時に、「狩猟」の姿はかき消され、部屋には静寂が訪れた。メイカーはガントレットを見つめ、その中に封じられた「狩猟」の言葉の力を感じ取ると、不気味に笑みを浮かべた。
「さあ、少し出かけるか。この力で次は怠惰と崩壊を葬り去る。」
その頃怠惰と崩壊はニアダフスクへの道を進みながら、険しい森を抜けようとしていた。怠惰はふと足を止め、霧がかかる都市の方角をじっと見つめる。
「何か...嫌な予感がするんだ。」
崩壊は振り返り、冷静に言った。
「それはいつものことだ。だが、お前がここまで来たのはその直感を信じたからだろう?」
怠惰は深く息をつき、前を向く。
「そうだね。でも、絶対に親友を助ける。それだけは変わらない。」
朝の冷たい霧の中で進む二匹の先には、さらに困難な試練が待ち構えていた。




