第二十一話 崩れろ!
フェニスキの谷の出口で繰り広げられる戦いは、さらに激しさを増していった。
メイカーは不気味に笑みを浮かべると、薄紫のオーラをまといながら静かに言った。
「見せてやろう、これが『神速』の力だ。」
言葉が終わるや否や、その姿はかき消えたように見えた。次の瞬間、怠惰の体が宙を舞い、岩壁に叩きつけられる音が響く。
ドガァンッ!
「ぐぅっ……!」
怠惰は壁にもたれたまま、苦しげに息をつく。メイカーはその場に立ち、ガントレットを輝かせながら怠惰に向かって冷たく言い放つ。
「これで終わりだ。」
ガントレットが怠惰の方へと振り下ろされる――その瞬間、崩壊の叫び声が響き渡った。
「させるかあああっ!」
崩壊は咄嗟に地面に前脚を突き立て、その力を解き放った。足元から激しい振動が広がり、メイカーの立つ岩壁全体が音を立てて崩れ落ちた。
ゴゴゴゴゴ……!!
大量の岩がメイカーの頭上に崩れ落ちる。怠惰を狙っていたガントレットは空を切り、メイカーの姿が瓦礫の中に飲み込まれた。
「やった...のか……?」
崩壊が警戒を解かないまま岩の山を見つめる。
しかし、瓦礫が微かに揺れ、紫色のオーラが漏れ出した。
ズシャッ!
岩を弾き飛ばしてメイカーが姿を現す。間一髪で攻撃を回避したようだったが、左腕に着けていたガントレットは粉々に砕け、無残な状態になっていた。
「……!」
メイカーは崩れた岩山を見下ろしながら左腕を見つめ、少し舌打ちした。
「ガントレットを破壊するとは……少し侮っていたようだな。」
怠惰と崩壊は息を切らしながらメイカーを睨みつける。崩壊の目には怒りが、怠惰の目にはわずかな恐怖が宿っていたが、同時に逃げる気配は微塵もなかった。
メイカーはその様子を冷たく見つめると、ふと小さく笑った。
「このまま戦いを続けても、手間がかかるだけだな。」
その言葉と同時に、紫のオーラがメイカーの体を包み込む。
「今日のところは退散してやる。だが覚えておけ。お前たちの逃げ場はない。」
瞬く間にメイカーの姿は消え、風と共にその場からいなくなった。
静寂が戻り、怠惰はぐったりと地面に座り込んだ。
「……あの人、強すぎるよ……。これからどうすれば……」
崩壊は肩で息をしながら、怠惰に向かって言った。
「それでも、今は生き延びた。それが全てだ。」
怠惰は崩壊の言葉に少しだけ勇気を取り戻し、震える足で立ち上がった。
「そうだね……まだ私たち、負けてないよね。」
二匹はその場に少しだけ留まりながら体を休めると、再びニアダフスクを目指して歩き始めた。背後に残るフェニスキの谷が、彼らにさらなる試練と希望を与えたかのように、穏やかに見えた――。
ガントレット:セラミックスせいの結構でかいやつ。
かなりおもいがメイカーはパワードスーツの力で支えている。
「神速」の力はwordsの「神速」から奪ってメイカーがパワードスーツにつけた。




