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第十四話 霧を切る音

朝日が昇り、森の中に薄い光が差し込んできた。怠惰は目を覚まし、立ち上がると軽く伸びをした。隣で眠っていた崩壊も、ゆっくりと目を開け、静かに身を起こした。


「おはよう、崩壊。」怠惰は軽く声をかけた。


「おはよう。」崩壊は短く答え、そのまま地面を見つめる。寝ている間に少し回復したようだが、まだ少し疲れた様子が残っているようだった。


二匹は準備を整え、再び旅を続けることにした。昨日の夜の静けさと、燃え盛る火が未だに頭から離れないが、もうそれに浸っているわけにはいかない。親友の「自由」を救うため、そしてD.P.campanyの野望を暴くためには、進まなければならない。


森を抜けると、急に視界が開けた。周囲に広がる草原と、遠くに連なる山々の姿が目に飛び込んできた。霧がかかり、山の姿が霞んで見える。気温は低く、空気がひんやりと感じる。


「ここからが本格的な登山だな。」崩壊が言った。


怠惰はうんうんとうなずきながら、周囲を見渡す。「すごく広いね。まるで世界の果てみたい。」


「こういう場所は嫌いじゃない。」崩壊は何も気にする様子なく歩き始めた。険しい山道に足を取られないように、慎重に進んでいる。霧が濃くなり始めると、視界が次第に悪くなってきた。


霧の中を進んでいくと、足元が不安定になり、何度も足を滑らせそうになったが、二匹は互いに支え合うように進んだ。草原と山が広がる景色が徐々に変化し、霧がますます深くなっていった。


「霧が濃いな。視界が悪い。」怠惰が眉をひそめて言った。


「それだけじゃない。どこか、得体の知れないものを感じる。」崩壊は視線を鋭くし、周囲に気を配る。普段は無感情に見える崩壊だが、こういう時は異常に敏感になる。


「何か……いるの?」怠惰は立ち止まって周囲を見渡したが、何も見えない。ただ、霧の中にうっすらと浮かぶ木々のシルエットが目に映るだけだ。


「分からない。ただ、何かがこの霧の中に潜んでいる気がする。」崩壊の声には、確かな警戒心が含まれていた。


二匹は慎重に足を進める。霧がますます濃くなると、視界が一層狭まり、周囲が不気味に感じられる。音も霧に吸い込まれたように、すべてが静まり返っている。


「もう少し進めば、フェニスキの谷に着くはずだ。」怠惰は崩壊に向かって言ったが、その声はどこか不安げだった。


「そうだな、だがこの霧の中では警戒を怠るな。」崩壊は再び周囲を確認しながら進み始めた。


霧の中を歩きながら、二匹は徐々に標高が高くなるのを感じる。足元が不安定になり、冷えた風が肌に刺さるようだ。周囲の山々は霞んで見え、遠くの景色が全く見通せなくなった。


「ここから先、どうする?」怠惰は少し焦りを感じていた。霧がこれほどまでに深くなると、道を見失うこともありそうだ。


「進むしかない。」崩壊は低い声で答え、前に進み続けた。


霧がますます深くなり、周囲の景色がぼやけてきたその時、ふと足元で何かが動いた。怠惰は立ち止まり、耳を澄ませた。何かの気配がする。しかし、霧の中ではそれが何であるかは分からない。


「何か……感じる?」怠惰は崩壊に向かって聞いた。


「少し静かに。」崩壊が低く呟くと、二匹は息を殺して周囲の音を聞いた。


その時、遠くからかすかな音が響いてきた。それは風の音ではなく、足音、もしくは何かが近づいてくる音のようだった。

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