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第19話 【安穏の魔女の安穏にはちゃんと意味があったんです】

 

 その日、俺は午後からティーナを連れて久々に冒険者ギルドへと向かっていた。


「ちわ~っす」


 そうして、いつも通りに閑散としているスペースに入ると、いつも通りに暇そうに受付に座っているおっさんがいた。


「おう。無事に帰って来たか。迷宮都市はどうだった?」


 おっさんからすれば俺は迷宮都市に向かっていたのが今帰って来たという認識になるのだろう。


「壊滅したから戻って来たわ」


 壊滅させたのは俺だけど、そういうことにしておいた。


「情報は入っているが、それってマジなのか? 迷宮都市が壊滅して封鎖されたって」


「封鎖は知らんけど、壊滅したのは事実だな」


「マジかぁ~」


 おっさんは普通に驚いていたが、俺が無事に生還したことにはそれほど驚いていなかった。


 まぁ、おっさんは俺が転移魔術を使えることを知っているし、逃げるだけならば容易だとでも思っているのだろう。


「それより、そろそろ引っ越そうと思っているんだが、冒険者ギルドで物件を確保しているって話は本当なのか?」


「ああ、何件か確保はしてあるが……お前なら別に大丈夫か」


 大体予想通りの反応が返って来る。


「それって物件はギルドの傍で、緊急時には叩き起こされて出動することになるとか、そういう系か?」


「……偶にだよ」


 思ったより頻度は高そうだった。


「そこって風呂は付いてる?」


「まぁ、それほど大きくはないが付いてるぞ」


「おぉ。それならそこを見せてくれ」


 俺の望む物件は風呂が付いていて、周囲に誰も居なくてティーナが安心して声を出せる物件なので、風呂が付いているだけで半分は達成だ。


 たとえ小さな風呂でも――否、小さな風呂だからこそティーナと一緒に入れば密着状態になるわけで、それはそれで悪くない。






 そうして俺は件の物件をおっさんに案内してもらうことになったわけだが……。


「ここ?」


「思ったよりも大きいのですね」


 俺とティーナは立派な家に案内されて呆気に取られた。


 平屋だが2人で住む分には十分過ぎる広さがありそうだし、庭も付いていて隣の家との距離もあるのでティーナが大きな声を出しても苦情は来ないと思う。


「よく、こんな物件が余っていたな」


「あぁ~、実と言うと、ここは都会に疲れたAランクが移住した時に建てた家なんだが……」


「が?」


「そいつ、実は夜な夜な街を徘徊しては人を殺して回るって殺人鬼でな」


「事故物件じゃねぇか!」


 道理で借り手がいないと思ったよ!


「いや、ちゃんと神官に浄化を頼んだし、地下室や隠し部屋なんかがないことも調査で分かっているんだ! ただ、前の住人の噂があるから誰も住みたがらなくてな」


「そらそうだろうよ」


 誰が好き好んで殺人鬼が住んでいた家に住みたいと思うのか。


「本当に住む分には問題ないし、ここなら格安で貸せるぜ」


「むぅ」


 確かに良い家だし、事故物件だということに目を瞑れば、これ以上の条件は望めないという条件だ。


「ティーナ、どうする?」


 俺は一緒に住むことになるティーナに意見を求めてみた。


「私は構いません。寧ろ気に入りました」


「お、おう」


 意外にもティーナは乗り気だった。


 確かに物件としては間違いなく最上級だしな。


「それなら、ここを借りることにするわ」


「おう、毎度~」


 おっさんは面倒な物件を処理出来たことに肩の荷が下りたのか、とてもいい笑顔だった。






 その後、薬師ギルドの部屋から荷物をアイテムボックスで移動させ、街で家具を買い揃えて部屋に配置して引っ越しの準備を進めた。


「やっぱりアイテムボックスがあると便利だなぁ」


「この魔術、私も使えるようになりますか?」


「……ちょっと難しいな」


 アイテムボックスは魔女の魔法に時空属性で干渉して出し入れをするという魔術である為、時空属性のないティーナが使うのは不可能だ。


(今度、ティーナ用にアイテムボックスの機能が付いた魔法道具の開発でもしてみようかなぁ)


 難易度の高い魔法道具だが、魔女の力を使えば不可能じゃないし。


「旦那様、ベッドはここが良いと思います」


「おう」


 そうして俺はティーナと相談しながら家具の配置を決めていき、夕方には引っ越しを終えて移り住むことが出来るようになった。






 勿論、夜には2人でベッドに入り、存分にチョメチョメして楽しんだ。


 ティーナも声を我慢しなくて大丈夫だと分かったのか、いつもよりも乱れて遠慮なく喘ぎ声を上げていた。




 ◇◇◇




 折角、広い庭が手に入ったのだから庭でティーナの護身術の訓練を開始することにした。


「はっ! やっ! たぁっ!」


 動きやすい恰好に着替えたティーナは俺が教えた通りに組手相手である俺に打撃を繰り出してくる。


 とはいえ体重の軽いティーナの打撃には威力は期待出来ない。


 だから本命は打撃を繰り出した際に伸ばした腕で俺を捕まえ、そのまま……。


「やぁっ!」


 投げに来る。


 俺は素直にティーナに投げられて――庭に受け身を取って転がる。


「うんうん。大分スムーズに投げられるようになったな」


 当然、俺にダメージはなく平然と起き上がる。


「うぅ。訓練とはいえ旦那様を投げるなんて……無礼です」


 ティーナは俺に攻撃することに抵抗感を覚えているようだけど。


「教えているのは、あくまで護身術だからな。自分の身を最低限にでも守れるようになれば、なんでもいいんだよ」


「魔術では駄目なのですか?」


「魔術には速効性がないし、咄嗟に身を護るのに向いていない」


 たとえ無詠唱で魔術が使えるようになったとしても、咄嗟に魔術を使える精神状態を維持出来るかどうかは別問題だ。


 それなら少しでも時間を稼ぐことが出来る護身術を覚えた方が建設的だ。


「次は相手の行動を封じる技を教えよう」


 投げ技で相手を地面に転がした後、敵が体勢を整える前に追撃して動きを封じる技――締め技だ。


 理想は敵の意識を落としてしまうことだが、そこまで出来なくても動きを封じることが出来れば生存確率は各段に上昇する。


「こ、こうですか?」


 ティーナは俺を地面に転がした後、片腕を背後に固定しながら俺を地面に抑えつける。


「そうそう。これならもう空いている片方の腕でもティーナに届かないから攻撃を受ける心配もないし、体重の軽いティーナでも体勢的に起き上がるのは難しい」


 教えているのは前世で見た合気道の基本的な技だが、やり方を知っているだけでも身を護る為には役に立つ。


「旦那様は色々な技を御存じなのですね」


「あくまで護身術の範囲だけどな」


 俺だって知っているというだけで実際に使った経験は殆どない。


「でも不思議な技ですね。殆ど力を入れていないのに相手を投げたり、抑えつけたり」


「力のない者が自分の身を護る為に編み出した技だからな」


 パワーが必要になる技なら比較的簡単に考えつくが、こういう力のない者の為に技を編み出した奴は天才だと思う。






 そのまま午前中はティーナの護身術の訓練に費やし、午後からは2人で冒険者ギルドへと向かった。


「おっす」


「おう、来たか」


 今日も暇そうに受付に座るおっさんに挨拶して周りを見渡すが……。


「相変わらず閑散としてんなぁ」


「今の時間は依頼で出掛けている奴が多いだけだって言ってんだろ。時間帯によっちゃ人が溢れることもあるんだぞ」


「わかってるよ」


 とはいえ、同じ時間でも迷宮都市の冒険者ギルドは混雑していたことを考えると、ここが不人気な街であることに違いはないだろう。


「それより、なんか良い依頼はないか? 具体的に言うとティーナにとって都合のいい依頼とか」


「Eランクに都合のいい依頼ってなんだよ」


 ティーナはまだEランクなので受けられる依頼が少ないし、俺とパーティを組むにしてもCランクにならないと同じ依頼は受けられない。


「普通に森でゴブリンを狩るか、薬草でも採取して来れば良いんじゃね?」


「……飽きた」


 ゴブリン退治は初心者冒険者の定番ではあるが、もう何百匹も退治して来たので飽きたし、ティーナの魔術の的にするにも物足りない相手だ。


「Eランクがわがまま言うな」


「へぇ~い」


 とは言え他に受けられる依頼がないのも事実なので、仕方なく俺はティーナを連れてゴブリン退治に森に出掛けるのだった。






 転移魔術で横着して森に到着した俺達は早速森でゴブリンを探し始めたのだが……。


「いませんね」


「普段はぞろぞろ現れるくせに、こういう時だけ出て来ないんだからひねくれているな」


 もう1時間以上も森の中を彷徨っているのに1匹も遭遇しない。


「……流石におかしくね?」


 ゴブリンに遭遇しないことは偶然で片付けられるが、それ以外にも野生動物の姿を見かけないというのは森の中ではありえない。


「結界、か?」


 いつの間にか俺とティーナは結界の中に囚われていて、通常とは別の空間に隔離されていたようだ。




「だいせ~かい!」




 そう気付いた俺の耳に、その耳障りな声が届く。


 声の方を見上げると、宙に1人の少女が浮いており、俺をニヤニヤとしたいやらしい顔で見下ろしていた。


 勿論、俺にはその少女に見覚えはなかったのだが……。


「裏切りの魔女……か」


 この場面で現れる奴なんて1人しか思い当たらない。


「別にボクは裏切ったわけじゃないよ。ただ、ちょっと生活が便利になる装置の設計図を渡してあげたり、娯楽になるダンジョンのマニュアルを渡してあげただけだもん」


「人はそれを裏切りと呼ぶんだ」


 世界を護る使命を持つ魔女でありながら、世界力を無駄に搾取する装置を造らせたり、世界の守護者である魔女を堕落させる娯楽施設に隔離するとか、どう考えても世界に対する反逆でしかない。


「そんなのボクにとっては、どうでもいいことだよ」


 裏切りの魔女は歪んだ笑みを見せる。


 どうやら心が壊れているか、性根が腐っているかのどちらかのようだ。


「そんなことより重要なのは……君だよ」


「俺?」


「そうそう。君って魔女なのに、どうしてあんなに世界と深く繋がっているのに自我を保てているのかな? 普通に考えたら世界の意思に飲み込まれて廃人になっているでしょ」


「…………」


 それは俺が異世界からの転生者で、異世界の魂を持っているから世界から異物と認定されて同化しないからだ。


「さぁ? 俺の自我が超強いからじゃね?」


 勿論、素直にそんなことを言ったりしないが。


「ふぅ~ん。それなら試してみようか」


 そう言って裏切りの魔女は右手を上げると、その手の上に高密度のエネルギーが収束していく。


「ちっ!」


 俺はそれを確認して、主義に反するが素早く詠唱してアイテムボックスを開いて――黒いローブを引っ張り出す。


 そしてクルリと一回転しながらローブを身に纏い俺から――私に戻る。


 そうして更にアイテムボックスから黒い三角帽子を取り出して被れば準備完了だ。


「その演出、なんか意味があるの?」


「ただの拘りですよ。拘りに意味を求めるなんて無粋。エレガントではありませんね」


「…………」


 裏切りの魔女は私に馬鹿にされたと分かったのか顔から笑みを消して沈黙する。


「逆に私からもお聞きしますが、どうして世界に反旗を翻したのですか? なにか意味があるのですか?」


 それを無視して私からも問い掛けてみる。


 答えが返ってくることは期待していなかったのだが……。


「意味なんてないよ。ただ、退屈だから楽しいことがしたかっただけさ」


 想定よりも歪な答えが返って来た。


「暇潰しに世界を危機に陥れる。趣味の良い娯楽とは言えませんね。やはり美学に欠けています」


「それって大事なことなの? その美学とやらを守る為に君は世界を護るつもりなのかな?」


「当然ではありませんか」


 美学のない人生なんて負け犬の道程だ。無意味な人生だ。


 私は私の人生を彩る為に美学を捨てる気はなかった。


「まぁ、どうでもいいよ。君は見ている分には面白かったけど、ボクが娯楽で作った物を次々と消していくのは面白くないんだよね」


 裏切りの魔女の右手の上には高密度のエネルギーが集まって球体を作り上げられていた。




「だからボクと遊んでよ」




 そうして裏切りの魔女は球体を私に向かって投げつけて来た。


「ちっ!」


 私の背後にはティーナが控えていて、これは避けることは出来ない。


 舌打ちした私は正面から球体を受け止めて……。


(重っ!)


 そのあまりの重さに押し負けて地面に私の足跡を付けながら後退させられ、ギリギリで押し留める。


(なにこれ。エネルギーの塊なのに……吸収出来ない)


 魔女の基本能力である世界力の変換で球体を吸収しようと試みるが、何故か吸収出来ない。


「あはは。それは魔女に吸収出来るようには出来ていないよ。だって別の世界のエネルギーを使ってるもん」


「別の……世界?」


 球体を押し留めながら顔を上げると、裏切りの魔女が楽しそうに笑っていた。


「そうそう。君は勘違いしていたみたいだけど、ボクは君が想像していた裏切りの魔女なんかじゃないんだよね」


「まさか……」




「そう。ボクは別世界から娯楽を探しに来た……神だよ」




「…………」


 想定の中でもかなり悪い結果に思わず沈黙する。


(デウス・エクス・マキナ……機械仕掛けの神かよ)


 物語の最後の最後に現れて全てをひっくり返す、安易に物語を完結させる為に使われる演出技法。


(最後に絶対的な神を出して強引に物語を終わらせるなんて、駄作以外の何物でもないでしょうに)


 あまりに理不尽とチープな展開に嘆きそうになるが……。


「ほい」


「ぐぅっ!」


 神の一言で私が支えていた球体の重さが倍化する。


「君達魔女は確かに世界でもトップに君臨する強さだと思うけど、異界の神であるボクの力は吸収出来ないし、力の桁が違うんだ。勝負にならないよ」


「ぐぐぐ……!」


 美学に反するような声が漏れるが、それを気にする余裕がないくらいに――重い。


「君ならこの状況もなんとか出来るかと思ったけど、流石に荷が重かったみたいだね」


 神はそう言って私に失望の視線を送って来ると――支えていた球体が一気に巨大化して周囲一帯を飲み込んだ。




 ◇◆◇




「……つまらないな」


《安穏の魔女》ケイリーンを飲み込んだ巨大な球体は森を埋め尽くすほどに膨れ上がり、このまま巨大化を続ければ世界の半分を飲み込むであろうほどのエネルギーが込められていた。


「…………」


 だが、それを成した異界の神の目には喜びはなく、退屈だけが映っていた。


「安易に神になんてなるものじゃないね。力はあっても使いどころがない。今では退屈こそが最大の敵だよ」


 星のエネルギーを無駄に吸い上げる装置の設計図を考えたのも、魔女を堕落させる為のダンジョンのマニュアルを作り出したのも、全ては退屈を紛らわせる為。


(《安穏の魔女》。少しは期待したけど、やっぱり期待外れだったな)


 今までに幾度勝手に期待して勝手に裏切られて来たのか、異界の神は今度もまた裏切られたと思い失望する。


(そういえば、安穏ってどういう意味だったんだろ?)


 最後に、そんなどうでもいいことを考えて、その場を去ろうとして……。




「だったら、その無駄なエネルギーを寄こせ」




「…………え?」


 聞こえてきた声に思わず呆気に取られる。


 そうして異界の神の目の前で、森を覆い尽くしていたエネルギーの球体が――消滅した。


「ふぅ。思いの外、手間取ってしまいましたが、なんとか間に合いましたね」


 そして、球体が消えた後には《安穏の魔女》ケイリーンが気絶した連れのハーフエルフの少女ティーナを抱きかかえて立っていた。


「…………」


 異界の神の目に映るのはところどころボロボロにはなっているが、五体満足で佇む美しい魔女の姿。


「おっと。こんな姿ではエレガントではありませんね」


 そう言って抱えていた少女を優しく地面に下ろしてから指をパチンと鳴らすと、ボロボロになっていた服が瞬時に修復されていき、血の滲んでいた身体からは傷跡が消えていく。


「……ありえない」


 それを見て異界の神から声が漏れる。


「どうやって生き残った? ボクが攻撃に使ったエネルギーは異界から取り寄せたもので、この世界の魔女である君に吸収することは出来ない筈だ」


 異界の神の言葉は正しく、魔女が吸収出来るエネルギーは、この世界に存在するエネルギーに限られている筈で、それ以外のエネルギーは――異界のエネルギーは世界力に変換することが出来ない為に吸収することは出来ない筈だった。


「私の二つ名である《安穏の魔女》って、どういう意味だか知ってしますか?」


 異界の神の言葉を無視した《安穏の魔女》ケイリーンは逆に異界の神に問いかける。


 それは図らずも先程、異界の神が考えた疑問だった。


「知らないよ。それが何か関係あるのかい?」


「私は単純に安穏な生活を求めているという訳ではなく、これはただの言葉遊びなんですけどね」


「?」


 困惑する異界の神に魔女が告げる。




「安穏は……アンノウン。つまり私の本当の二つ名は《正体不明の魔女》です」




 そう言って魔女はうっすらと笑う。


「それが異界のエネルギーを防いだことと何か関係があるのかい?」


 言いながら異界の神は複数の異界のエネルギーを収束した球体を作り出して魔女に向かって撃ち出す。


「ふふっ」


 だが魔女は笑みを浮かべて全ての球体を受け――その球体が魔女の身体に吸いこまれて消えていく。


「……ありえない」


 不可思議な現象に異界の神は思わず呟き、その呟きを無視するように魔女が語り掛けてくる。


「私の得意なことは観察と分析です」


「……だから?」


「異界のエネルギーと言っても、それを観察の末に分析することが出来れば、それを吸収出来るようにするのは訳ありませんよ」


「……いや、無理だろ」


 淡々と語る魔女に対して異界の神は思わず素でツッコミを入れてしまう。


 だが明かす気のない魔女の正体不明の秘密――元々異世界から転生して来た異界の魂を持っている魔女からすれば、異界のエネルギーを観察、分析して吸収することは決して難易度の高い所業ではなかった。


 異世界の存在を知っている魔女からすれば、異界の神のエネルギーを分析することは比較的容易だったからだ。


「丁度、星のエネルギーを確保する為に超越存在からエネルギーを奪えないか検討していたのですよね。丁度良い餌が来てくれました♪」


 そう言って魔女はうっすらと笑った。


「…………」


 異界の神は神になってから初めてゾッとして背筋が震えるという体験をすることになった。


 笑顔が怖いと思ったのは初めてだった。




※最初から安穏=アンノウン=正体不明という設定は考えていました。

分かりやすいかな~とは思ったのですが、思いついた時には良いアイディアだと思って、そのまま強硬して作品を書き上げていました。


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― 新着の感想 ―
ケイリーンだから、アンノウンというよりアンノーンかなって勝手に思ってた。
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