パーティみんなで嵐の夜に、です
「今日は、いいもの作ってきたよっ!」
ダンジョンに入る前に渡そうと思って、みんなに声を掛けたんだけど・・・
「このタイミングって事は、やっぱり戦闘関連の何かかしら?」
「それでなくてもここの魔物は弱すぎるんだが」
「カル師、ぬるゲー厨? つよくて?」
「うーん、それだったら、また今度がいいかな」
大丈夫、これはきっとみんな嬉しいと思うよ!
「作ってきたのはその逆、手加減できる武器なんだ。剣の代わりに使ってよ!」
「何よ! ホントにいいものじゃない! 流石カルア、あたしは信じてたわよ!」
「む、それは有り難い」
「わたし、分かってた。カル師はぬるくない」
「うん、それこそまさに今僕たちに必要なものだね」
だと思った。じゃあどうぞ!
「これは撲撲棒! 打撃タイプの武器だよ!」
「な、名前・・・」
全員に手渡し、そして、
「クーラ先生の分も用意してきました」
「え? 私にも?」
「はい! これだったら訓練にも使えるかと思って」
「なるほど・・・そうね、使わせてもらうわ。これでネッガーをボコればいいのね?」
「・・・訓練ですよ?」
「それでカルア、どうせあんたの事だから、コレただの棒じゃないんでしょ?」
「うん、ちゃんといい感じの機能を付けてきたよ」
「そう自信たっぷりに言われると、聞くのが怖くなってくるわね」
「大丈夫大丈夫、危ない機能とかじゃないから」
そして説明。
「この武器は打撃型だから、最後まで気持ちよく振り抜けるように工夫したんだ。ほら、相手が固かったりすると、手が痺れたり痛かったり、酷いときには武器を落としちゃったりするでしょ? そうならないように、相手に当たった瞬間に『ベクトル』が働くようにしたんだ」
「『ベクトル』が・・・働く?」
「そう。手には相手を打った感触だけ残して、発動した『ベクトル』が棒のスイングを継続させる。だから相手に当たればそのまま最後まで気持ちよく棒を振り抜くことが出来るってわけ」
「何だか、分かるような分からないような微妙な説明ね」
「実際説明が難しいからね。やってみればすぐ分かると思うよ。昨日の試し打ちはとっても楽しかったし」
「試し打ちって・・・どこでやってきたのよ」
「部屋から王都の森に転移して。念の為あそこのゴブリンで試したんだ」
「あっそう・・・部屋から転移・・・相変わらず普通に言うわね」
「相手は固さや重さによって吹っ飛ぶか壊れるかのどちらになると思うけど、固くて重い相手には必要な魔力が増えるから気を付けて。あと撲撲棒同士がぶつかると、逆方向の『ベクトル』が働いてお互い静止するようにしてあるから。でなきゃお互いはね飛ばされちゃって、まともに打ち合えないからね」
「んーー、やっぱ分かんない! とりあえず使ってみるわよ」
「うん。一度やってみたらすぐ分かると思うよ」
そしてダンジョンにて。
「あはははは! 何コレ!? 超気持ちいい!!」
アーシュが棒を振るとゴブリンはポーーンと吹っ飛んでいく。
「むぷぷぷ、ほーむらん」
ワルツが棒を振るとゴブラットはスパーーンと吹っ飛んでいく。
「これ楽しいね!」
ノルトは斜め上に棒を振り、ゴブリンが天井にドチャッと張り付いてから落ちてくる。
「ああ。本来の戦いとは全く違う爽快感だ」
ネッガーが飛び掛かってきたゴブラット目掛けて上から叩き付けるように棒を振ると、ゴブリンは地面と天井を交互にバウンドする。
「カルア、あんたの言ってた『気持ちよく振り抜ける』って意味がよく分かったわ。この棒、すっごくいいじゃない!」
「でしょ? 絶対気に入ってくれると思ったんだ!」
だって手に残る感触も気持ちいいし、相手が吹っ飛んでいく爽快感も!!
「ねえ、私もちょっと試してみていい?」
クーラ先生参戦!
という事で、次のエンカウントはクーラ先生にお任せ。
「!? あははははははははははは! これスゴっ! あははははははははっ!」
クーラ先生、そのまま奥に走っていっちゃった・・・
だんだん遠ざっていく笑い声、時々それに混じって聞こえてくる打撃音とゴブリン達の悲鳴・・・
えっと・・・僕たちはどうしたら・・・
「これ、しばらく帰ってこなさそうね。転移の間まで戻って帰りを待つわよ」
そして約20分後。
「みんなゴメン! 何だか楽しくなっちゃって暴走しちゃった・・・てへっ」
クーラ先生は戻ってきた。
「それで先生、どこで正気を取り戻したんですか?」
「えっと・・・2層に降りる階段の前で・・・あれっ? って・・・」
この超短時間で第1層を踏破してきたみたい・・・
「この階の魔物、何だかみんないなくなっちゃったみたいだから、一度外に出てから入り直しましょうか」
「いなくなっちゃった?」
「え・・・ええっと・・・殲滅、しちゃった・・・から・・・ね?」
もしかして僕、クーラ先生にあげちゃいけないもの、あげちゃった・・・のかな?
一度外に出て、そこでちょっとお話。
「この棒、スイングの速度で手加減できるみたいなんだけど、それだと素早い魔物への手加減が難しいと思うのよね」
クーラ先生からの的確な指摘。棒一本で階層を踏破してきた経験から。
「んーー、それなら速さに関係なく手加減出来るようにして・・・」
「そうね。あと吹っ飛ばしちゃうと次の攻撃に繋げにくい場合もあるわね。飛んでいったまま諸事情で帰ってこない奴もいるし」
なるほど・・・
たしかにみんなが攻撃してた時も派手に飛んでって・・・
「ちょっと調整してみます。クーラ先生の撲撲棒を貸してもらえますか」
ええっと・・・
ベクトルの大きさをイメージで変えられればいいかな・・・
伝え方は、今のを100パーセントとしてたイメージで・・・
棒君、こんな感じでよろしく!
「これでいいかな。さっきまでのが全開、その何割くらいの力でみたいなイメージで調整できると思います。これでちょっと試してきてもらっていいですか?」
「分かった。すぐ戻るからちょっと待っててね」
そしてクーラ先生はダンジョンに。
5分くらいしてから戻ってきた。
「うん、完璧。これだったら申し分ないわ。それにしても全開での爽快感は堪らないものがあるわね。私もうこれ手放せないかも」
「あはは、そんなに気に入ってもらえるとは・・・」
「じゃあみんなのも同じように調整してあげて。そうしたら今日のアタックを開始しましょ」
今日は撲撲棒のおかげで、攻略速度がかなりスピードアップ。
クーラ先生は途中うずうずしてたみたいだけど、そこはやっぱり我慢ができる大人。
後ろで素振りしてたのは・・・見ない振り見ない振り。
って感じで2周回ってきたんだけど・・・まだちょっと時間があるなあ。
「うーん、もう1周回っちゃうとちょっと遅くなっちゃうわね・・・」
「じゃあ3階層まで踏破して終了ってのはどう?」
「そうね、そうしましょう」
って事で、今日は2周半でした。
みんな最後までいい笑顔。楽しそうでよかった!
「ところでカルア、この棒ってあそこに生えてる木も吹っ飛ばせるって事よね?」
「いや、多分当たった所が抉れるとか、出来たとしても折れるくらいじゃないかな」
「でもそれって棒が細くて短いからよね? じゃあ棒の先に結界を展開出来るようにしたら?」
「ああ、それだったらいけるかも」
「じゃあ今度実験してみない?」
「うん、これって凄いアイデアだよアーシュ! やろうやろう!」
「あは、ははは・・・、ねえそれ・・・途轍もなく凶悪な武器なんじゃ・・・これって私、止めるべきなのかしら・・・」
翌日。
セカンケイブダンジョンに通って今日でもう4日目。
うーん、何だか日が経つのって早いなあ。
そして踏破のスピードもどんどん上がって、なんと今日はお昼過ぎまでに2周出来ちゃったんだ。これって凄くない?
「これだったら今日は4周いけるんじゃない? 新記録よ、新記録!」
「そうね。でもお昼はちゃんと食べてちゃんと体を休めましょ。休息は大事よ。特にダンジョン攻略ではね」
「「「「「はい!」」」」」
という事でお昼休憩。
「今日は風が気持ちいいわね」
「だね。最近ずっといい天気だったけど、風がなくってちょっと暑かったよ」
で、お昼ご飯オッケー、休息オッケー!
「じゃあ午後の部、開始だね!」
そして3周目もあっさり終了。
「さ、今日ラストの4周目! みんな気合い入れていくわよ!」
「「「「おおーー!」」」」
そして4周目を終えてダンジョンを出ると・・・うそ!?
さっきまでと全然違う! 今にも嵐が始まりそうな空、それに急に吹く強い風!
「大変! みんな、急いで街に帰るわよ!」
「待ってアーシュ! ゴメン、僕はこのまま家に向かうよ! このままじゃ畑が・・・何とかしなくちゃ!」
「何とかって何?・・・何が出来るの? 何をしたいの!?」
「分からない・・・でも!」
大丈夫、大丈夫だよノルト!
「僕が何とかする。みんな、とりあえずノルトの家に転移するけど、いい?」
「カルア、あんたなら何とか出来る、って事でいいのね?」
「うん」
「よし! ならあんたを信じる! みんな、ノルトの家に行くわよ!」
「「「おおーーーっ!!」」」
「みんな・・・ありがとう!!」
「急げ! 今のうちに収穫出来そうなものを全部収穫するんだ!」
ノルトの家に到着すると、そこはまるで戦場のようだった。
「お父さんっ!」
「ノルト!? どうしてここに?」
「僕も手伝うよ! それにみんなも助けてくれるって」
「それは有り難いが・・・この強風の中の作業は危険だ。やらせるわけには・・・」
そこにノルトのお兄さんのハタさんが。・・・って背中に!?
「父さん大変だ!! ブロッサが脚立ごと風に煽られて!!」
「何!? ここにそっと下ろすんだ! ・・・ブロッサ! 大丈夫か!?」
「多分気を失ってるだけだと思うけど、もしかしたら頭を打ってるかも」
「何だと!? くっ、この嵐じゃ医者」
「『中回復』・・・これでもう大丈夫。すぐに目が覚めると思います」
「これは回復魔法!?・・・ありがとう!」
「カルア君ありがとう!」
僕の中回復は大回復になっちゃうからね。もう大丈夫、よかったぁ。
でも早く加減できるようにならなくちゃ・・・
って、そんな事より!
「ノルト! この農園を囲める広さの結界具を作ってあるんだ。みんなで手分けして急いで設置して来て!」
「本当!? すぐにやるよ! どうやって設置すればいい?」
「この家を含む農園全体の敷地の四隅にひとつずつ、それとその真ん中にひとつ。そうすれば僕がこの制御用の魔石に魔力を流してる間は結界が保たれるんだ」
「分かった! 四隅と真ん中だね」
その時とうとう大粒の雨が! 急がなきゃ!!
みんなの前に結界の要石となる5個の結界具を取り出すと、
「あたし、ワルツ、ノルト、ネッガーでそれぞれ四隅に向かうわよ。中央は・・・」
「私が行こう」
「お父さん・・・」
ノルトのお父さんは僕たちに頭を下げて、
「ありがとう皆さん・・・この農園を・・・よろしくお願いします」
「もちろんよ! 何たってここはノルトの家だもの、パーティメンバーのあたし達が絶対に守るわ! じゃあ行くわよみんな!」
「「「「おおっ!」」」」
「奥は俺とノルトが行こう。手前ふたつはアーシュとワルツで頼む」
「分かったわ」
「みんな気を付けて。念のため『スーツ』を使って」
「そうね、それがいいわ。みんな『スーツ』着装。いくわよ!」
「「「「オーディン!」」」」
部屋中白い光に包まれて、その光の中から四色の戦士!
うん、やっぱりキーワードを統一しといてよかった! カッコいい!!
次は僕も一緒に、ね!!
あとはカッコいい変身ポーズとかもあったらいいなあ・・・
さあ、みんなが設置して戻ってくるまでに僕も準備しとかなくちゃ。
制御装置に魔力を通して、各要石への接続を確認・・・接続よし!
各要石の位置関係を把握、そこから要石間の接続形態を設定・・・完了!
要石間のテスト接続・・・良好!
部屋の隅から「さっきから私、空気ね」とか聞こえ・・・放置!
オールクリア! あとは設置を待つだけだ!
全員無事に設置を終えたみたいだ。スーツを脱いで戻ってきた。
「じゃあ始めるよ、展開開始!」
そして僕は制御装置に魔力を注ぎ、そして・・・雨と風の音が消えた。
「静かになったな」
「ちょっと見に行くわよ!」
みんな外に飛び出す。
「「「「「おおっ!!」」」」」
もちろん僕も制御装置を持って一緒に。
「よかった、ちゃんと展開できた」
「やったじゃないカルア!」
ちょっアーシュ!? 急に抱きついてきたら危ないって!!
制御装置を落としそうだった・・・ドキドキだよ・・・
「これがカルア君・・・やっぱりすごい」
「ああ、本当に凄いな。力の差を思い知らされる」
「カル師、超天才。やっぱりわたしの・・・」
そしてノルトのお父さんが、
「カルア君ありがとう! 本当にありがとう! 君は我が家の恩人だ。そしてフタツメの街の食料を守ってくれた、フタツメの街の恩人だ!」
「いやそんな・・・あはは・・・」
「いや、謙遜は不要だ。君はそれだけの事を成し遂げたんだから。君は我が家とフタツメを守ったんだ。そう、かの英雄カバチョッチョのように!」
僕があの主人公みたいに・・・
そう出来たんだったら・・・うれしいなっ!
そして今日はみんなでノルトの家にお泊まり。
ノルトのお母さんの手料理を食べて、ノルトの家族とも色々話をして・・・
そしてノルトのお姉さんも目を覚まして、ものすごく丁寧にお礼を言われて・・・
農園が気になったノルトのお父さんが外に見回りに行こうとして、ノルトのお母さんに「明日にしなさい!」って怒られて、それをみんなで笑って・・・
昼間ダンジョンで頑張ったから疲れてもう眠いけど、寝たら魔力供給が止まって結界が解除されちゃうからね。朝まで我慢我慢!
みんなもきっと疲れてるのに、僕に付き合って眠らずに話しかけてきてくれるしね。
「あんたのスティール、あとどれくらいで進化するのかしら。そういうのって自分で分かったりするわけ?」
「それが全然。今まで2回進化したけど、2回とも突然だったんだ。使ってる最中にいきなり『スキルが進化しました』って声が聞こえて。何それ!?って感じだったよ」
「ふぅーん。あたしのスキルも進化とかするのかしら?」
「そういえばアーシュのスキルって何?」
「あたしのは『ショートカット』。持ってるだけで『いろんなものの詳しい仕組みを理解する前に使えるようになる』補助スキルなんだって。何だか地味だからあまり好きじゃないわ」
「え!? いやいやいや、それってものすごくアーシュと相性がいいスキルなんじゃない? だって魔法だって何となくで使えちゃうって事でしょ?」
「うーん、そうなのかしら?」
「そうだよ! ああ、やっと分かった。アーシュって普通に魔法の組み合わせとか出来るようになっちゃったでしょ? あれ自分でもよく分からないって言ってたよね?」
「そっか、じゃああれはスキルのおかげって事か。だったら確かにいいスキルなのかもね。地味だけど」
「地味って感想は変わらないんだ・・・」
「カルア君ってもしかして、自分のスキルを秘密にしてたからスキルの話を避けてたの?」
「実はそうなんだ。一応『保有スキルはボックスだって言うように』って言われてたけど、うっかり『スティール』って言っちゃいそうだったから」
「なるほどね。じゃあ僕たちとはもう話しても大丈夫って事か。僕のスキルは『シンク』、使うと考える速度が上がるスキルなんだ」
「おおーー、ノルトっぽい!」
「そうかな、あははは」
「俺のスキルは『ビルドオン』。身体強化を補助してくれるスキルだ」
「へええ。何て言うかすごくネッガーらしいスキルだね。補助ってどんな?」
「ああ、一応スキルだけでも身体強化になるんだが、魔力による身体強化に上乗せしてくれるスキルってところだな。おかげで効率よく強化を発動できる」
「おおー、なるほどー!」
「わたしは、『サーマル』。凍らせるのを助けるらしい」
「へえ。じゃあワルツのも補助系のスキルなんだね。でもそれなら『加熱』も補助してくれてるんじゃないかな。『加熱』と『冷却』は対みたいなものだから」
「おおー、たしかに。さすがカル師、わたしの気づかない事を言ってのける」
「あははは、痺れたり憧れたりはいらないからね」
「アーシュ、スーツは問題なかった?」
「ええ、いい感じだったわよ。雨も風もまったく感じなかったわ」
「そっか、よかった」
「それにキーワードの統一、あれ大成功だったわね。一体感が出てすっごくよかったわ」
「うん、見ててもカッコよかったよ!」
「次は5人でやりましょ。もちろん強敵の前でね!」
「そうだね。でもゴブラオみたいなのにはもう暫く会いたくないなあ」
「そうね。あれはもっと後で出会うべき敵よ! なんたって『伝説』だし!」
「だよね」
「カルア君、僕が考えてる『結界農場』、あれのひとつの姿を今日見せてもらった気がするよ」
「ああ、確かに今日のこれも『結界農場』って言えるかも」
「うん、これをもう少し小規模に展開して、あとは常時展開出来るようにして、中の温度調節が出来るようにして、雨を通したり遮断したりできるようにして、必要時に換気も出来るようにして・・・まだまだ考えなきゃいけない事はたくさんあるけどね」
「必要になりそうな事をそんなに色々考え付くなんて、やっぱりノルトはすごいよ。あ、でも常時展開は冒険者ギルドの魔道具と同じ仕組みで出来るかも。あれって蓄積型の魔石に魔力を蓄積させてそれをローテーションして・・・あとそれで・・・」
「おおー、なるほど。その蓄積を委託できれば・・・じゃあさ、こんなのはどう? 例えば・・・」
そして朝。外はすっごくいい天気!
「じゃあ解除しまーす!」
結界を解除すると、外から爽やかな風が吹き込んできた。
「うん、いい朝っ!」
そして5個の要石をお取り寄せ。からの収納。
「じゃあみんな、お昼までこちらで仮眠を取らせてもらいましょう。ダンジョンに行くのはお昼を食べてからね」
「「「「「はーい!」」」」」
靴を脱いで上がる部屋を借りて、みんなでお昼まで床にゴロ寝して、起きたらいつの間にかアーシュとワルツに挟まれてて。
みんな起きて「おはよう」って言って、それからお昼ご飯をご馳走になって。
「皆さん、今回は本当にありがとうございました。皆さんのおかげでこの農園とフタツメの食料は守られました。皆さんの事は、今日これからフタツメギルドに報告させていただきます。そして当農場からの指名依頼として処理するよう申請するので、皆さんにはギルドから依頼金と、あとおそらく街から謝礼金が出るでしょう」
「ギルドへは王都に戻る前に顔を出すからその時にね。今回の結界はギリギリ常識の範疇に収まるはずだから、知られても問題ないでしょう。みんないいわね?」
「「「「「はい!」」」」」
「あとは皆さんにこちらを。うちで採れた当農園自慢の野菜と果物達です。カルア君も皆さんも固定のボックスをお持ちと聞きました。是非お持ちください」
こうしてビックリするくらいたくさんの、美味しそうなお土産をもらって。
そして午後からダンジョン2周。
今日は早めに切り上げて、みんなで晩ごはんを食べて・・・
ふぅ、今日も一日頑張ったなぁ。
じゃあ・・・おやすみなさい。