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最高の仲間と最高のパーティです

今日は休日、そしてパーティ結成記念パーティの日。

集合場所は学校。アーシュに、会場集合じゃないの?って訊いたら、「どこでやるかは当日まで秘密よ。ふふん、楽しみにしてなさい!」だって。


学校に到着ーっと。

もう来てたのは寮で生活しているワルツ、ノルト、ネッガーの3人だけで、アーシュはまだ来てないみたい。

よかった、今日は最後の到着じゃなかったよ。


「おはよう!」

「おはようカルア。今日も転移じゃないんだな」

「それはそうだよ。一応秘密にしてるんだし」

「そう・・・か、そう言えばそうだったな。最近何度か見てたから忘れてた」

「あれ? そんなにやってたかな・・・」


「カル師、わたし転移したい。今度どこか連れてって」

「いいよワルツ。でも転移は行った事がある場所にしか行けないからね」


そう言ったら、ワルツは不思議そうに、

「何で?」

「え?」


そう言えば、どうして行った事がある場所にしか行けないんだろう。

モリスさんも特に理由は言ってなかった気がする。

あれ? でも転移って確か「遠見した場所に移動する」魔法だって言ってたよね?

それって、「遠見」が出来れば、そこに「転移」出来るって事なんじゃない?


「うーん、そう教わったからずっとそうなんだって思ってたけど、そう言えば何でなんだろう。今度ちょっと試してみようかな。あ、でも先にモリスさんに訊いたほうがいいか」


だって、出来ないって教えてくれたのはモリスさんだから。

行った事のない場所への転移は、「危険な実験」かも知れないから。


「分かった。じゃあ今度転移。約束」

「うん、じゃあ約束ね」

ワルツとの約束、一緒に転移。覚えとかなくちゃ。


「転移かぁ。僕だったらミッチェル工房に連れてってもらいたいなあ」

そう言ったのはもちろんノルト。理由はもちろん、

「あの有名なミッチェル氏から錬成の話を聞いてみたいからね」

うん、だと思った。でもミッチェルさんって最近時々王都で見かけるんだよなあ。

今日も来てるはずだし。後でノルトも会えるはずだし。


「そう言えばノルト、今日の会場だけどさ」

「うん。アーシュは『秘密』って言ってたけど、あそこしかないよね」

「だよねえ。わざわざ他に場所を用意するとか、まずしないだろうし」

「そうそう。だから今日の会場はもちろん・・・」

「「アーシュの家!」」


だよねー。

そして、そこはもちろんベルベルさんの家。

きっと大きい家なんだろうなあ・・・



「そろそろアーシュも来る頃かな?」

「だね。でもさ、あのアーシュがわざわざ最後に登場してくるなんて、やっぱり何かありそうだよね」

「あ、ノルトもそう思った? アーシュ、凄いドレスとか着てきたりして」

「おお、だったら騎士甲冑という線もあるか?」

「それとも、転移で登場、とか?」

「ああ、それもありそう! 『どう? 驚いた?』とか言いながらパっと登場みたいな」

「それだったら馬車とかは? 貸し切り馬車なんか用意してたりして」

「「「「やりそう!」」」」


とそんな話をしている僕たちの前に、もう見るからに豪華です!って感じのな馬車が停止。馬も車体も真っ白で、縁取りが金! うわぁ・・・

ってちょっと待って! この紋章・・・これって王宮の・・旗に・・・


いや、いくら何でもこれはない、これはないって! お願い! 嘘だといってよ、アーシュ・・・


そんな僕たちの儚い願いは叶うことなく、その馬車の扉はまるで、中にいる人を暗示するかのように勢い良く開き、そして・・・


馬車の中から出てきたのはやっぱり、いつもの弾ける笑顔のアーシュ。

「どう? 驚いた? ビックリさせようと思ってお祖母様に用意してもらったんだけど、どうやら大成功みたいね。ふふんっ! さあ、それじゃあみんな乗って乗って! パーティ会場に出発よ!」


さすがアーシュ。完全に僕達の予想を超えてきたよ・・・




馬車はゆっくりと大通りを進む。この街で一番高い建物のある方角へ。

まさか・・・流石にあそこをパーティ会場にしたりはしないよね? ね?

お願いアーシュ様! 今度こそ・・・今度こそ・・・


そんな僕の、いや多分僕たち全員の願いを乗せた馬車は、頭を下げつつこちらを伺う街の人たちの前をゆっくりと走り続け、やがて王宮の門に。その横で馬車を迎え入れるようにビシッと敬礼する門衛さん。そして馬車は速度を落として・・・


・・・その門をくぐる事なく、そのまま通り過ぎていった。


はあぁぁ、よかったーーーーー・・・

全員脱力。


待ち構えていた門衛さんは、あれ?って顔で僕たちを見送ってる。

ごめんなさい、今日に限っては、この馬車の行く先はそちらじゃなかったみたいです。

・・・ホントよかったぁ。




そういえば王宮の向こう側って行った事なかったなあ。

ピノさんに案内してもらった時は王宮まで来たところで引き返したし。


さっきまでの恐ろしい想像を無事回避できて、ちょっと心に余裕が出てきたのかな?

ようやく周りを見る余裕が・・・って、さっきから続くこの景色、これ凄くない?


ちょっと低めのお洒落な壁が続いて、その向こうには綺麗な公園みたいなのが広がってる。

へええ、こんな綺麗なところがあったんだ・・・ちょっと行ってみたいかも。ここって僕たちでも入れたりするのかなあ?


やがて馬車はその壁の先にある門をくぐり・・・ってあれ? もしかして僕達の行き先ってこの公園だったの?

「えっとアーシュ? ここって・・・どこ?」

そんな僕の問いに、ここまでずっと口を開かず静かな置物みたいだったアーシュは、それはもう満面の笑みで、

「ここは私の家よ。みんな、ようこそベルマリア家へ!」


「「「「えええぇぇぇーーーーーーっ!!??」」」」


「ふふふっ、やたっ! 大成功っ!!」




「ねえアーシュ、いくらなんでも広すぎじゃない? 何だか王宮くらいの広さがありそうに見えるけど・・・?」


だってここ、ホントに公園みたいなんだよ。それにその庭?公園?みたいなところって、建物の左右とか奥の方がすごく広くて、何かちょっと変わった感じだし。


「うん、やっぱりカルアもそう思うわよね? 実はあたしもなの。ちょっと前まではここまでじゃなかったんだけど、王宮からのお願いでこんなに広くする事になっちゃったのよ。王都の人たちの避難場所が足りなくなったから、うちの庭も使わせて欲しいって」


あ・・・ああ! ピノさんが王都ツアーの時に言ってたあれかぁ!

まさかそれがアーシュの家だったとは・・・



「そう言えばお祖母様が、『代わりに店の敷地も広げさせたよ』とか言ってたっけ」

「ベルベルさん・・・」

はは・・・あの店の広さの謎まで解けちゃった・・・




「それではあらためまして、ようこそベルマリア家へ。本日のパーティのホストとして、私アーシュ・ベルマリアは皆さんを歓迎いたします」

お屋敷の扉の前で、さっきまでとは別人のような、凄く上品な仕草で僕たちに微笑みかけてくるアーシュ。

え? 君って本当にアーシュ?


「さあさあ入って! 会場はこっちよ!」

よかった、やっぱりアーシュだ。



キラキラした玄関ホールとか、高そうな何かが置いてある廊下とか・・・

緊張でよく覚えていないそれらを通って辿り着いた、大きな扉の前。

使用人らしき人が開けてくれたその扉をくぐると、

「「「「広っ!!」」」」


そこは学校の技術実習室よりも広そうな、いやもう絶対に広くって天井も高い部屋。それに壁も床も天井も、あるもの全部が高級そうでピカピカでキラキラしてて・・・何だか部屋そのものがもの凄く存在感あるっていうか・・・もう圧倒的。ほえーー・・・



そしてその部屋の真ん中あたりにあるのが、こぢんまりとしたテーブル。

いや違う、すごく大きなテーブルなんだよ? ただ部屋の広さがあまりにあんまりだから、相対的に小さく見えちゃうってだけで。

その大きくて小さいテーブルにはたくさんの料理が並べられ、それらは美味しそうな香りを漂わせ、美味しそうに湯気を漂わせて。


「つまらない挨拶なんかに時間を使うつもりはないわっ。まずはたくさん食べてたくさん飲みましょ。このパーティはね、みんなであそこに並んだ料理を好きに取って、あっちのテーブルで食べるの。どう? これって絶対楽しいって思わない?」

「うん、こんなの初めてだよ! すっごく楽しそう! それに美味しそう!!」


「よねっ! じゃあみんな! パーティの始まりよっ!!」



こうしてとうとう始まったパーティ。

目の前にたくさん並んでる料理から自分が食べたいものを自由に選ぶって、ほんとにホントに本当に、凄くすっごく楽しいんだっ!!

僕たちは、綺麗で美味しそうな料理の前で、もの凄く目移りしながらも、プレートに次々とそれらを乗せてテーブルへ。そしてみんなでワイワイと、いただきますっ!!



「カル師、これすっごく美味しい。食べてみて」

ワルツが自分のプレートから差し出した料理。これって何かの唐揚げ?

「うわ本当だ! 何だろう・・・すっごく美味しいね」

これってフォレストブルかな? 噛むと中からじゅわって・・・


「ああっ! ちょっとワルツずるい! あっあたしもっ!! ほらカルア、これも美味しいわよっ! 食べてみなさい」

そう言ってフォークに刺した何かを僕の口元に・・・あむっ。

「うんっ、これも美味しい。ぷりぷりってして。初めて食べたけど、これって何て料理?」

「ええっ?・・・えっと・・・あの・・・」

「むむ、その色、その形、その香り。・・・蒸しエビのバジルソース掛け」

「おおっ! さすがワルツ、有名レストランは伊達じゃない」

「むふふぅ」

「ううっ、次よっ! 見てなさい次こそっ!!」



「お、ノルトのそれ美味そうだな。どこにあった?」

「ああ、これだったら向こうの角のあたりに・・・」

「よし、俺も取ってくる!」

「おっ、じゃあ僕も行くよ」



「ねぇノルト、なんだかノルトのプレートって野菜が多くない?」

「へえ、この野菜にこんな調理法が・・・これなら確かに食べやすくって・・・うん、この食べ方が広まればもっと消費量が・・・」

「ノルト? おーーい、ノルトー?」

「そうか、この組み合わせが・・・ああでもここにアレが足されれば・・・いや時期が合わないのか・・・よしっ、じゃあアレも結界農場の生産候補に・・・ってあれ? カルア君いつの間にそこに?」

「ノルト・・・」



「ちょっとネッガー、あなたの身体強化ってどれくらいまで強くなるのよ?」

「まだまだ全然だ。これからもっと段階を上げたいんだが、制御が難しくってな。それに何と言うか、身体強化での戦闘訓練は相手を探すのが大変なんだ」

「ああ、確かにそれはそうかも。うん、だったら今度あたしの土人形と勝負してみましょうか。最近やっと人間くらいの大きさのが出来るようになったのよね。スピードはまだまだだけど、結構固いわよ?」

「おお、それは嬉しいな。ぜひ頼む」



「む、少し冷めてきた。ちょっとだけ『加熱』。このジュースはちょっとだけ『冷却』」

「はぁー、その細かい調整はとても真似出来そうにないなあ。カルア君ってあれで結構力ずくな感じだし、僕がやっても熱すぎたり凍っちゃったりしそうだよ。ねえ、ワルツってそれどんなイメージでやってるの?」

「んーー、海の波、みたいな?」

「・・・うん、やっぱりよく分からないや」



「でも不思議。きょうの料理って、どれもいつもの味とちょっと違うのよね。何だかピンと際立ってるって感じ? 『冒険者向け』ってお願いしたから、それでこんな感じの味付けになったのかしら?」



こうしてみんな話が弾み、そのうちにワルツが料理や飲み物の魔改造を始めて・・・

「次はこれ。超自信作! 『カロリーからの招待状〜ぷにぷに脂身が溢れるオイリーパスタに10倍濃縮生クリームを載せて〜』」

それをみんなで試食して感想を言い合ったりして・・・



そんな楽しいパーティもちょっと落ち着いた雰囲気になってきた、そんな頃。

「ちょっとお邪魔するよ」

「え? お祖母様?」

とうとうその時がやってきた・・・



「おお、有名人、続々」

「ええっと・・・もしかしてスペシャルゲスト、とか?」

「校長先生、それにブラック先生やピノ先生も・・・」

「あのお祖母様、これって一体・・・」


「いやなに、せっかく我が家でパーティを開くってんだからさ、あたしからもひとつ出し物を用意しようかと思ってね。さあみんな、腹も膨れて話も一段落した頃だろう? ここからあたしらの余興、『天然カルアのやらかし物語』にお付き合いいただこうじゃないか」


え!? ちょっと、あれ!? そんな話だったっけ!? シリアス何処!?



こうして突然始まった、僕がこれまでやってきた事の暴露大会。

みんなで代わる代わるこれまでのあんな事やこんな事を話して、それを聞くアーシュたちは、大笑いしたり僕に半眼を送ったり、あと同意と同情、そこからの同調とか・・・


まあピノさんにプレゼントを渡す場面がまるまるカットされてたのは助かったけどね。あれをみんなに聞かれたりしたら、恥ずかしくってみんなの顔を見れなくなっちゃうから。



で、それ以外の事はほとんど全部みんなにバラされて・・・


「まあそれで現在に至るってわけさ。どうだい? あんたたちもカルアにひどく驚かされただろうけど、あたしたちのほうも『なかなか』だったろう?」

「ええ。カルア君が非常識なのは分かってたつもりでしたけど、本当に『つもり』だけだったというのがよく分かりました」

「ああ。俺は今度その人間離れした『身体強化(スーパーモード)』ってのを是非見てみたいな」

「カル師、ヤバ師、マジヤバ師」

「あっ、あたしはもちろん初めから気付いてたわよ!? ライバルとしてねっ!!」

「みんな、ちょっと酷くないかな・・・」



「まあそんな訳だからさ、あんたたちもカルアに泣かされないように、せいぜい気をつけるんだよ。まあ見ての通りこいつは裏表のない素直な子だからさ、天然であんたらを驚かせたり困らせたりってのは絶対やるって断言できるけど、あんた達を裏切ったり悲しい思いをさせる事は絶対しないはずさ。だからさ、これからもカルアとはいい仲間でいてやってくれよ?」


ベルベルさん・・・



「当たり前じゃない! そんな事、お祖母様に言われるまでもないわ! あたしたちはカルアのパーティメンバー、そしてカルアはあたし達オーディナリーダの、『表の』リーダーなんだからねっ!!」


アーシュ・・・



「カル師、これからも、マイ師」

「おお。だが身体強化だけは絶対に負けん!」

「もちろんこれからも仲間だよ。だから、これからも僕達にいろいろ教えてよ?」

「・・・いやそれは考え直したほうが・・・」


みんな・・・

そしてギルマス本音・・・



「それで、これからあんた達は全員カルアと同じ『やらかし対象』として、あたし達が『見守る』事にしたからね。いいかい、何かあったら必ず相談するんだよ?」

「それはうれしいんだけど、『カルアと同じ』って、お祖母様・・・」

「何言ってんだい。あんたらもちっとは自覚してるんだろう? 自分達が他の連中とちょっと違ってきてる、って事にさ」


「・・・あたしそんなにカルアってないもん」

「もういい加減諦めな、アーシュ」

「ううう・・・」

「で、そんなあんた達にあたしらからの『パーティ結成プレゼント』だ。さっきあんた達がたらふく食った料理だけどさ、ピノから貰った『スティールした金属バット』と『マリョテイン』をどっさりと入れといたからね。全員今夜はしっかりと魔力トレーニングするんだよ。くっくっくっ、どうだい、みんな明日が楽しみになっただろう?」


「おお、魔力倍増計画。パーティ総中流」

「これで身体強化が更に!」

「これは今日絶対忘れずにやらなきゃ」


おおっ、これでみんなも倍くらいに増えるのかな?

でも、ミレアさんみたいに(スーパー)とか言い出したら嫌だなあ。



そして・・・今度はモリスさん? 一体何を?

「さあて、そんな君達に朗報だよ。そのカルア君なんだけどさ、次の『スティール』の進化にはセカンケイブダンジョンがうってつけなんだよねえ。あそこってゴブリンが中心のダンジョンなんだけどさ、君達パーティの初めてのダンジョン攻略の候補としてどうかな? 魔石以外の素材は全く取れないダンジョンだけど、訓練にはちょうど良い気がするよ?」


「ええっ!? ダンジョン!? あたし行ってみたいっ!!」

「セカンケイブだったらうちの農園の近くだよ。みんな是非うちにも寄ってってよ」

「ゴブリンだったら任せてくれ。次こそはゴブラオにも、勝つ!」

「むむう、ゴブリン、料理できない。倒す」


「おおっと、みんなすっかり乗り気だねえ。まあどうするかは君達で決めたらいいよ。行く事になったら日程だけ教えてね」


モリスさん、まさかついてくる気じゃ・・・

またロベリーさんに怒られますよ?



そこからはセカンケイブダンジョン攻略の話で盛り上がった。

どんなゴブリンがいるとか、過去にどんな冒険者がどうやって攻略したとか。

それでじゃあ僕達はどうしようかとかって色々話して・・・

あとはクーラ先生に相談してみようって事に。



それからはみんなそれぞれ、思い思いの人たちと話し始めて。

ノルトはもちろんミッチェルさん。

天才錬成師同士、きっと話が弾むんだろうなあ。

ノルトも「ノルデシ」とか呼ばれるようになったりしてね。


ワルツはミレアさんのところに。

いつものもの凄くキラキラした目で、ミレアさんと話してる。

あ、オートカさんが呼ばれた。

オートカさんが近くに行って、そこからは3人で話し始めたみたい。

魔法の話、だよね?


ネッガーはギルマスたちと話してる。

ああ、ギルマスって「最強職員」だからネッガーが興味を持つのは当たり前か。

でもみんなギルマスのこと当たり前みたいに「最強職員」って紹介するけど、結局「最強職員」って何なんだろう。未だに知らないんだよね。

でも、てっきりピノさんのとこに身体強化の話を聞きに行くと思ってたから、ああそっちだったかぁって感じ。


で、そのピノさんは・・・あれ? アーシュと話してる?

ああそうか、アーシュってピノさんのファンクラブの会員だって言ってたっけ。

ピノさんの事も「ピノ様」とか呼んでるし。

ふたりとも、すっごくニコニコして楽しそう。どんな話をしてるのかな。

・・・あれ? ちょっと部屋の中が涼しくなってきた?



楽しい時間はあっという間に過ぎてゆき、パーティもそろそろ終わりそうな感じ?

みんなも何となくそう感じてるのか、少しずつテーブルの近くに集まってきてる。

そんな時。


「アーシュ、私もみんなに挨拶させてもらっていいかしら?」

「えっお母様!? どうしてこちらへ?」

「ふふふ、あなたとお母様が大好きな『カルア君』を見てみたくって」

「そそそそそんな、大好きとかそんなんじゃ・・・」

「ばばば、バカ言ってんじゃないよララベル・・・」


なんて声が聞こえてきて。

ああ、今度はアーシュのお母さんが来たのか。

って、声の方を見たんだけど・・・


え!? そんな・・・うそ・・・



「母さん?」

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