私立高校
太郎が通う高校には謎が多い。校門が一つだったり。古民家が校庭の隅にあったり……。それが一体何を意味するかと言うと。
【能力開発及び解析センター】
であるからだ。それは地下にあり、世界中の能力を管理している。それができるのは所長である【岡三太郎】! そう太郎なのだ!
「ただいま!」
太郎が帰ってきた。センターへと。
「おかえり〜」
父の幸四郎が声を掛ける。
「どうだ? 目の調子は?」
「……最悪だよ。未来が見えてなかった」
実は、太郎の見る力にはまだ不完全なトコロがある。それを解明するのもここの目的だ。
「能力者が交わると見えない時があるのかな?」
「いや、最初の突入は見えていた。あれは変えなくても平気な未来だったけど、確かに能力者が入っていたよ」
そこへ、母がやってくる。母は普通の人だ。研究所の職員でもない。
「太郎は怪我してない?」
「するわけないさ、バイクの動き、奴らの死角も見えるんだから完全に避けれるさ」
恐らく太郎には大谷翔平選手が投げる球はかわせる。しかし、ヒットは打てない。逆に大谷翔平選手がバッターだった時、ストライクは取れないホームランを打たれるだろう。しかし、いつ振るかはわかる。もし、初球を見送るならど真ん中に太郎の遅い球でも届けばストライクをとれるかも知れない。
だが、能力者が投手だった場合、太郎はただの打者になる。能力者がバッターの場合も太郎はただの投手にしかなれない。
ここまでが太郎が生きてきた十六年で得たデータだ。
[所長、これを]いち研究員が資料を持ってきた。そこにはこう書かれていた「アラートレベルスリー」と。
「スリーだって!!? 戦争並みってことだぞ!! いつ起こるんだ?」たったった。太郎は施設の中央、世界地図が映し出されているモニターを見た。すると日本が赤くなっている。
「ばかな日本でだって!!」日本は能力者が多い為、管理するのが難しい。