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パニック関連

あらゆる人や情報と接続されて、自分と他の境界線が分からなくなった未来世界

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/24

「…………」

 頭が混乱してくる。

 様々な情報が流れ込んでくる。

 それが無線で脳や神経に直接接続してくるネットワークのせいだとは分かってる。

 分かってるがどうしようもない。



 流れ込んでくるのはネットにのってるニュースだけではない。

 ゲームや漫画などの娯楽だけではない。 

 誰かが配信してる言葉や声だけではない。

 接続されてる全てだ。

 ありとあらゆる人間の考えや思いも流れこんでくる。



 目の前の誰かから、見えないところにいるあいつ。

 そんな全ての人間に例外なく触れていく。

 思考の全てが流れこんでくる。

 一つ一つは他愛のないものだ。



 今日は何を食べようか。

 この問題の答えはなんだろう。

 あの野郎、絶対に許さない。

 やっちまったよ、どうしよう。

 やった、上手くいった。

 …………こんな考えが常に流れこんでくる。



 そのうち境目がなくなってくる。

 流れ込んでくる他人の考えにおかされる。

 いったい自分はどこからどこまで何だろう?

 今考えてるこの思考は、自分のものなのだろうか?

 それとも、流れ込んできた他人のものなんだろうか?

 それが分からなくなる。



 そう考える自分自身も他の誰かに影響を与えていく。

 自分の考えや思い、それを他の誰かも抱いていく。

 口に出して、行動にあらわれる。

 境目がない。



 究極の相互理解というものだろう。

 人はわかり合えるという言葉の、究極。

 誰もが相手の考えを理解し、自分の全てを相手が理解している。

 砕けた言い方をすればこうなるだろう。

「みんな、仲良く!」



 最悪だった。



 人は理解し合ってはいけない。

 一緒にいてはいけない。

 仲良くしてはいけない。

 互いの間に距離は区切り、境目が必用だ。

 それを多くの者が理解した。



 自分が自分でなくなる。

 全てが混じり合う。

 相手の意思や気持ちが否応なく流れ込んでいく。

 自分の全てが、かくしておきたい事まで他の全てに伝わっていく。



 そうなったらどうなるか?

 結果がそこらに転がっている。

 自分だけで動かせなくなった体があちこちの転がってる。

 口からは意味の無い言葉があふれている。

「明日の仕事は…………公園で待ち合わせて…………こいつで殺してやる…………速く助けなくちゃ」

 様々な人間の思考が共有された。

 何十億という人間の思考が均等に分け与えられていく。

 そうなれば、一人一人の体の制御などできるわけもない。



 全てが均等になった。

 富や稼ぎだけではない。

 思考が、言ってしまえば霊魂そのものが等しく分け与えられた。

 魂の再配分だ。



 それは一人一人の破壊だった。

 尊厳も何もない。

 究極の無個性だった。

 個性を抱く一人一人、個人というものが消えたのだから。



 人工的な共有意識。

 人はそれを手に入れた。

 ひとつになった。

 それが人を潰えさせていった。



 かろうじて呟いた誰かの言葉がそれを示している。

 自分を失い、全てが混じり合った世界。

 それを彼は端的にあらわした。

「俺は誰なんだ?」

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