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始まりの話4

『これを読んでいる者が村の一員、そうでないのであれば道具屋であることを望む』

の一文から始まった簡素な手紙には悲惨な状況のあらましが書いてあった

獣人が攻めてきたこと、とりあえず手持ちの銃火器で反撃を試みたが返り討ちにあっていること

村の中にもおそらく侵入していること、おそらく対処は困難であること

そして、この手紙を見たものにはすぐに逃げて他の村に伝えてほしいこと

以上が荒く流し書きされており、文末には副狩長の一族である柊家の印があった


手紙を読んだ晴の心情は最悪だった

大きな街まで行っても殆ど見ない獣人、魔族とも呼ばれる彼らの殆どは暴力的で残酷

そして、普通の人間と違う大きなところで魔法を扱うことができるという事がある

火を模した火炎魔法や爆裂魔法が普遍的な魔術として扱われるという知識も一般教養の一つとして知られている

手紙を読み終えた晴は先程の爆発は魔族による魔法攻撃と判断し、銃の他に簡単な煙幕などもいくつかかばんに詰め込む

その時だった

まるで獣に戻ったような錯乱した叫び声が外から聞こえた

声の主が有生だとわかった晴はライフルを構え即座に飛び出す

飛び出した後、なぜ叫んだのか理解した


有生の前で崩れ落ちていた遺体、その遺体の左腕にはブレスレッドが巻かれていた

金属製の腕輪、ソレは有生の父が装着していた副狩長の証だった

「親父!…親父イ‼」

と泣き叫ぶ有生を見て晴は何もすることができなかった

泣き叫ぶ有生を落ち着かせることを試みた

彼の父が書いたであろう手紙を見せ、異常事態ということを伝えた

有生は取り乱したあと散弾銃を握りしめ、父親の腕輪を自分につけた後に

「行こう、晴も婚約者が心配なんだろ」

と立ち上がってくれた

彼の問に深く頷くと有生は笑い

「多分大丈夫なはずだ、きっと」

と一言話し、彼らは村に侵入した

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