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プロローグ 魔王の語り
古き時代、始まりの世界と呼ばれたモノがあった
その世界では文明が栄え、少しずつではあるが進化を重ね"この世界"と概ね同じような世界線となった
概ねというのは、その世界では光と闇が常に喧嘩をしていたのと魔術や呪術といったオカルトチックな現象が至って普通のこととされていたことだった
さて、こんな世界だったがこの話の主人公―――
まぁ俺の話なんだが
俺はその世界に生まれでたんだ、親は知らんがね
とある村の狩人長を勤め上げていた一家に拾われ、育てられ、俺はとても立派に成長したわけだ
その家の長女とも仲が良くてな、結婚話も出てたくらいなんだ
え?幸せそう?実際幸せだったさ、忙しかったけどな
話はそれからなんだ、あの日、あの場所、今でも夢に見る―――