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終わる 心 2

晴は二階へ上がり、一部屋ずつ確認し始める

自分の部屋はほぼ荒らされておらず、せいぜい壁にかけていたナイフが数本持っていかれていた程度だった

使い慣れたナイフを一つ手に取り、最後の部屋―――

長女であり婚約者、最愛の人物である黒宮春香の部屋であった

ドアの前、晴は限界ギリギリの精神の中淡い期待を浮かべていた

もしかしたら一人だけ逃げ出していないだろうか、実は部屋の中で見事に籠城しているんじゃないだろうか、なんとか生きていてくれないだろうか

心拍数が上がり息が自然と荒くなっていく、自分の感情がまぜこぜになっているのも理解していた

一度、ドアをノックして声をかけるがもちろん返答はない


深く深呼吸をし、ドアを開ける

ドアの先を見た彼はその場に崩れ落ちた


黒宮春香はベッドの上に座った状態で首を切り自害していた

彼女の部屋には二人分の獣人が死に絶えており、春香の足をよく見ると大怪我をしたあとがあった

抵抗の末、大怪我をし、晴が間に合わないと悟り自ら命を絶ったということなのだろう


晴は泣いた、喚いた、吐いた

しばし春香の遺体を見つめ一言だけ

「とりあえず、ちゃんと眠らせないと」

とつぶやき彼女を自室のベッドに運んだ

ベッドに横たわらせ、他の家族を埋葬し終えた

その日は彼女のそばで眠った


次の日、彼女を埋葬することにした

二人で植えた木のそばに埋めることにした

獣人共の死骸を運び出し適当に山積みにした後彼女の部屋においてある品々を見つめて適当な副葬品を用意しようと思ったのだ

気に入っていた人形、自分が愛用していたナイフを一つ、花屋から拝借した少ししおれた花を一つ

彼女を穴に入れて一つずつ入れていく

そのときにふと手紙を書こうと思った

かんたんなものではあるが手紙を書き、彼女の胸元に置く

最後にもう一度ごめんなさいと告げ彼女を埋葬した


結果として自分を除き村人は全滅

食料品などの消耗物資が八割程度持っていかれていた


そして、黒宮晴はすべてを失ったのだ

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