脅威
しばらくはこの時間に投稿することになるかもです。
「この場所に転移させられてから、私達は周辺のモンスターを駆除していった。2日ほどでこの層のモンスターを駆除し終わった私達は上層と下層のモンスターも駆除することにした。周辺の3つの層のモンスターを駆除出来ればしばらくは安全という考えだった。だが、私達はその考えが甘かったことを知った。上層の探索に向かった部隊が戻らなかったのだ…3部隊合同で捜索に向かったが、この合同部隊も帰ってこなかった。この後上層は立ち入り禁止となったが…悲劇はここでは終わらなかった。やつが現れたんだ…やつにこの街は襲われ…」
そこから先は聞きとることが出来なかった。
どうやら街を何かに襲われたようで、その声には後悔が混ざっているように感じられた。
それにしても、本当にこのゴーレム軍団を倒せるようなモンスターがいたのか…
しかも階層を移動するのか?
今までそんなモンスター出会わなかったのはラッキーだったな…
「すまない、みっともない所を見せたな。もう大丈夫だ。まだ質問はあるか?」
うーん、それじゃあ…
「傷口をえぐるようで悪いですが…どうやって貴方は生き残ったんですか?」
「…あの時私は何人かのの仲間と下層の探索に行っていたんだ。戻って来た時には街は酷い有様だった…今では見た目だけは元に戻っているからわかりにくいかもしれないがな」
「ありがとうございました」
「ああ、何かあったらいつでも頼ってくれ。私達は同じ境遇の仲間なんだからな」
さて、聞きたいことは聞けたし、これからどうするかな…
上に行くことは無しとして…
下には行けないし、ここは街で89階は探索済み…どうしようかな…
仕方ない、どうしたら下の階層に行けるか聞いてみるか。
「すいません、もう1つ質問いいですか?」
「ああ、もちろんだ」
「下層に行くためにはどうしたらいいんですか?」
「下に通じる階段があるから、そこの先にある扉を開けると下層に行けるぞ。ここから4つ下の層までは1回探索しているからモンスターは少ないはずだ」
「扉が開けられないんですが…」
「……」
この沈黙は…
嫌な予感がするな…
「すまない、私達が行った時は普通に開けられたんだが…扉を開けるための条件があるのかもしれないな。私達と紡木で違うのは、種族、レベル、スキル…可能性が高そうなのはレベルか?今の紡木のレベルはどれくらいなんだ?」
言わなきゃダメだよなぁ…
…ちょっと盛るか。
「10くらいです」
「…なるほど、私のレベルとの差は90程か。とりあえずは20レベルを目標にするといいだろう」
なるほど、レベルを上げればいいのか…って上げれたらこんな苦労してないよ!
「レベルの上げ方がわからないんですが…」
「モンスターを倒せば…いや無理だな。…明日もう一度ここに来てくれないか?それまでには何とかしてみようじゃないか。もちろんここに泊まっていってもいいぞ」
「わかりました、また明日」
ここにいたら例のモンスターが来るかもしれないしな…
今は拠点の方が安全だろう。
そう考えて俺は階段を降りていくが…
扉が閉まっていた。
何度か試してみるがやはり開かない。
…あ、そうだ!
あの石使えば行けるか?
石に触ってと…
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転移可能階層
・89階
・90階
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行けそう!
それじゃあ89階をタップしてと…
89階を選択すると、体が光の柱のようなものに飲み込まれ、その光が消えると俺は89階の石の前に立っていた。
おお、行けた!
これでまた1歩帰還に近づいた…かな?
今日は密度の濃い1日だったからか、拠点についてすぐに眠ってしまった。
そういえば、またトラップにゴーレムが落ちてたような気がしたけど…
さすがに気のせいだよな?