表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/225

出陣

勝頼は諏訪神社下社にきていた。


「雪姫のお腹の子と、雪姫の健康を願う。歴史では雪姫は産後に死ぬ。諏訪大明神よ、余に本当に加護があるなら雪姫を助けてくれ。」


先程聞こえた声は空耳か、諏訪大明神が答える事は無かった。



『いずれお話する時がくるでしょう。その時まで第2の人生を精一杯生きてくださいませ。』


遠くから見守る八坂刀売神であった。



城に戻ると、古府中から使いが来ていた。再び箕輪城を攻めるという。


「皆の者、出陣じゃ。兵は伊那、諏訪から二千、勝頼旗本、警備隊で千名じゃ。」


玉さん他侍大将5人に兵を分け、先に偵察部で残っていた20名を先に行かせた。


「お幸、悟郎はまだ戻らない。お前が偵察部の指揮を取れ。行け。」


「鉄砲は300、例の物も持って行く。明朝出発じゃ。」


勝頼は諏訪上原城で古府中から出た信玄を出迎えた。


「勝頼、前に言ったこと、覚えておろうな。」


「いきなりですか、父上、ご壮健にてなによりでございます。この勝頼、お屋形様の命には背きません。此度はお言いつけ通り三千の兵をご用意致しました。必ずやお役にたってみせまする。」


「そう焦らずとも良い。箕輪についたら軍議を行う。意見を聞くからそのつもりで。」


信玄本体三千、勝頼軍三千、箕輪城を囲んでいた兵五千と合流した。


箕輪城を囲んでいた兵はすでに5ヶ月滞在して疲れていたが、信玄合流と聞き士気が上がった。


「5ヶ月も城を囲んで敵の士気が落ちないのはどういう事だ。寝返り工作はどうなった?今まで何をしていたのだ?」


城を囲んでいた逍遙軒と内藤修理に向かって言ったが、逍遙軒は気にせずそっぽを向いていた。兄弟だが似てないね、性格。顔は似てるけど。


「勝頼、城を見て参れ、その後軍議を行う。」


勝頼は旗本と護衛隊合わせて500人を引き連れ城の周りを調査した。城から鉄砲で狙撃をしてきたが、護衛隊が盾で防いだ。そう、よくテレビで見る機動隊が持ってる鉄の盾である。火縄銃なんかじゃ何ともないぜ。


城は完全籠城で、前回来たときよりは士気が落ちている感じがした。伊勢守いるのかな?


上泉伊勢守は、すでに城を出ていた。勝頼転生前の歴史ではここで上泉伊勢守が軍師の役割をし勝頼の策を読むのだが、それが無くなった。少しずつだが歴史は変わってきた。


勝頼は本隊に戻った。


「勝頼、どこから攻める?」


「はい、まず堀を埋めます。敵は堀から攻めてくると思うでしょう。思わなくても備えなければなりません。味方の一部を陽動で堀から城へ侵入するふりをして、敵が集まった時に別働隊が搦め手を突きます。」


「何故、搦め手なのだ。申してみよ。」


「はい、敵が城を出るには搦め手しかありません。こちらが 搦め手から攻めれば敵は迎え討ちますが、大軍は動けません。そこで、今度は堀から城を三方から攻めます。敵は城への侵入を防ぐ事はできないと考えます。」


「今の勝頼の策に意見がある者は申し出よ、遠慮はいらん。」


信玄は驚いた。自分が考えていた策と全く同じだったからである。それ以上の策があるか聞いてみたのである。


「伊那殿の策、この内藤修理、最善と考えます。」


諸侯は誰も反対しなかった。


信玄は搦め手に勝頼隊を、堀から攻めるのに内藤修理の隊を向かわせた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ