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川中島の結末

沙沙貴神社は、佐々木家発祥の地にある。現代では立派な神社だが、この時代では小さな祠がある、近親の者しか知らない筈の神社であった。

佐々木家は佐々木源氏が発祥だが、綱紀は分家の分家の人間で名前だけは立派だが、織田家に使われる身。何故、勝頼がそんな事を知っておるのか興味があった。


「沙沙貴殿、で、本当の目的は何だ?」


「四郎様、綱紀は四郎様が怖い。四郎様は今おいくつになられましたか?」


「十五になった。まさか子供扱いする気ではないだろうな。」


本当に怖い。信長様も底が知れぬが、この方も。綱紀は何もかもが隠さずに話した。


「どうじゃ、信濃の栗は。美味いであろう。」


無邪気に笑う勝頼を見て同じように笑った。綱紀はこの出会いが人生を変えることにまだ気付いていなかった。




翌日勝頼は高遠城の隠し部屋に、主だった者を集めた。間者対策でこっそり作らせた防音室である。川中島に出陣している諏訪家分家はこの部屋を知らない。


集めたのは、


*長坂長閑(勝頼と一緒に従軍する予定が一緒に戻ってきた。信玄が付けた勝頼のお目付け役)


*村井(格さん)、格さんは知識があって、この時代の事に詳しいので技術部と参謀を兼ねてもらってる。


*玉井(玉さん)、玉さんは侍大将になってもらった。気心が知れており、勝頼を弟のように思っている。


*木村悟郎(吾郎に新しい名を与えた)、伊那忍軍の棟梁。今は総勢150人に増えた。


*真田昌幸、この時14歳。古府中に真田家の人質になっていたが、信玄に頼んで 川中島の間だけ話し相手に借りた。


の5名である。


「今日お集まりいただいた方々は余の腹心であり、友でもある。ここで話す事はたとえお屋形様にも漏らさぬ様に。」


昌幸は驚いた。ただの話相手で、父の幸隆から聞いた武功を説明するだけだと思っていたからである。


「四郎様、この真田昌幸、光栄に思いますがここにいていいのでしょうか。」


「昌幸、今は言えぬが其方は将来余にとって大事な人になる。ここにいてもらいたい。」


勝頼に頭を下げられ、どうしていいかわからないでいると長坂が助けを出した。


「昌幸、四郎様はたまに不思議な事を申されるがそれがことごとく現実となる。我はもう慣れたが、いや驚いていたらキリがないのでな。仕えるのみじゃ。だからそこもとも深く考えずにお言葉に従ってれば良いぞ。」



勝頼は沙沙貴綱紀から聞いた川中島の結末を説明した。


武田軍は平地と山に軍を分けた。上杉軍は霧を利用し裏をかいて平地にほぼ全軍を構え、信濃を追われた武田憎しの村上らを山の出口に置き、山にいる武田軍が参戦できないようにした。


「何だと、それではお味方は!」


「落ち着け、長坂。まだ続きがあるのだ。」


年寄りは気が早くて困る。





真田昌幸登場です。今後彼がどうなるか?お楽しみに。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「今日お集まりいただいた方々は【世】の腹心であり、友でもある。ここで話す事はたとえお屋形様にも漏らさぬ様に。」 【世】じゃなくて【余】だよ。他にもポロポロ「世」って書いてるけどね。
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