表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/225

織田の間者

次の日の夜にお幸が忍んで来た。楓との事を聞いて、ズルイだと。


まさかのモテ期到来。自分ではわかってなかったが、勝頼は美男だそうだ。


前世で縁のない言葉なので他人事にしか聞こえなかったが、転生にもいい事があるんだね。


楓とお幸は交代で相手をするよう相談しているみたいで、不思議と鉢合わせしなかった。聞いたら忍びなので側室とかにはならないそうだ。護衛につくときに吾郎からこうなる様言われてたそうだ。


実際の勝頼はどうだったのだろう?確か織田信長の養女と結婚したんだよな。側室いたっけか?



翌日再び工場へ行った。助さんは2台目のハンドガンに失敗して、コツがわかったと笑顔だった。このおじさん、いい人なんだよ。大事にしないとね (この後もっとすごい物を作ってもらうから、腹黒いな、俺)。


「百田殿、今日から夜は電気を使って工場を明るくする事。電球はだいぶ蓄えたし、予備の電池もある。電池の性能確認が目的だ、決して徹夜をしろという意味ではないからな。徹夜はするな、多少はかどればそれで良い。」


いつも助さんとしか言わない俺が百田殿なんて呼んだのでかしこまってしまった。


それが狙いなんだけどね。こう言わないと本当に徹夜して身体壊しちゃうから。


「どの位明るくしていいでしょうか?」


「工場全体でいいぞ。どんどん消費してどんどん作れ、それで製造部の腕も上がるだろう。フィードバックじゃない、どの位持ったか、どうだったかを技術部に伝えろ。技術部には性能を上げるように言っておけ。」


電気については考えている事がある。ただ、簡単ではないので先ずは腕を上げてもらわないと。



秋になった。日々の騎馬、剣術、体術の訓練は欠かさずいるが、食生活は相変わらず貧しい。米がない、海の魚がない。でも俺は前世でカップヌードルばっかり食べてた。

我慢できちゃうもんねー。でもたまにはいい物食べたくなるのが現代人のサガ。

という事で、栗を拾いに山に入った。


しばらく歩いてたら急にお幸と楓が身構えた。背後の藪から中年のおっさんが現れた。


「武田四郎様とお見受けする。拙者、沙沙貴綱紀と申す者。織田信長様に仕えております。」


「こんな場所で何をしておる。ここは我の領地ぞ。」


「実は川中島の帰りに噂の四郎様のお顔を見たく待っておりました。」


「信長の命令か、川中島の帰りと申したな。お主時間はあるか?」


川中島の結果が聞きたかったが、信長への報告もあるだろうからな。どういう返事をするか試してみた。


「殿への報告は別の者が既に行なっております。お気遣いなく。」


沙沙貴は試された事がわかったが、正直に応えた。


「沙沙貴とは、聞いた覚えが………。沙沙貴神社と関係があるのかな?」


「!???」


沙沙貴は驚いた。想定外の、しかも知られるはずのない事が山猿と思っていた勝頼から発せられ、つい顔に出てしまった。


「どうじゃ、一緒に栗拾いでも。その後栗を食べながら話をしないか?」


沙沙貴は気が動転しつつうなずいた。





新キャラ登場です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ