表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/225

川中島

信玄は安倍金山を獲るために、今川を見限った。これは兄嫁と揉める事になる。

つまり兄上は、父上と対立する、歴史通りじゃん。


長尾景虎は、京都に登り関東管領に任命され、関東を荒らす北条討伐に繰り出した。


武田家は北条と条約がある為、信濃へ出陣したが信玄は上杉と北条の潰し合いを期待してちょっかいを出すくらいで本気で侵攻はしなかった。


謙信は間者から武田の動きから信玄の心を読み、北条討伐の為小田原城へ一気に攻め込もうとしたが、重臣らが武田を怖がり中途半端な攻めになり、結果として引き下がった。

関東の諸侯も信濃豪族と同じで上杉でも北条でもどっちでも良く、勢いがある方についているだけで保身の塊。上杉が春日山城へ引き上げると北条についた武将も多かった。


1561年夏、信玄は川中島に向かって古府中を発った。この様子は上杉の間者から謙信に伝えられた。謙信が春日山城を出た二日後に武田が動いた事になる。


謙信は先に川中島に侵攻し信玄が作った海津城を見上げた。


「目障りな城だ、落としてしまいたいがそうすればこちらが囲まれる。流石は信玄。面倒な敵よ。」


結局上杉勢は武田が到着するまで様子見となった。



武田軍は古府中を発った翌日に諏訪についた。


「諏訪四郎、只今参上」


「何、四郎がきたのか!」


勝頼は、諏訪隊として500人の軍勢を用意した。諏訪、高遠から300名、勝頼が鍛えた若手200名である。その中の50名には戦国では初お披露めの科学武器を持たせた。


「お屋形様、この戦、四郎にも参戦をお許しください。この日の為、鍛えて参りました。」


信玄は湖衣姫を愛していた。その子である勝頼を溺愛していた。この戦は武田が残るか上杉が残るかの天下分け目の決戦になる可能性が高い。そんなところに勝頼を連れて行きたくなかった。


「四郎。お前はまだ若い。そんなに初陣を焦る必要はないぞ。」


「騎馬は里美様に、刀、槍は諏訪の者に鍛えていただきました。それに某の家来500名、必ずお役に立ちます。従軍の御許可をお願い申し上げます。


これを見ていた太郎義信が、


「四郎。お前はまだ子供だ。今回の戦は子供の遊びではないぞ。」


「兄上、四郎は14歳になりました。子供扱いはやめていただきたい。」


信玄は従軍のみならと迷ったが、他の諸将の建前親の甘さを見せるわけにも行かず従軍を認めなかった。



勝頼は考えた。歴史での初陣はもう少し後、ここで歴史を変えて早めに実力を見せようと思ったがダメか。となると、今川を切る方向しかないな。


兄上には申し訳ないが、歴史通りに。もし、兄上が味方になって従軍させてくれていたら、兄上を立てようかと思っていたが残念だ。


川中島を早く終わらせようと考えていた作戦を闇に葬った。



兄上が、以前話した俺の戯言を覚えていれば、あるいは。



うまくいかないものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ