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兄上

考えていたら寝落ちしてしまった。父上も謙信の京都からの帰り道に殺せなかったのか、殺さなかったのかわからないけどできなかったのだから、戦力のほぼない俺に何かできるわけがない。今は力を蓄える時だ。


作戦その1 父上亡き後俺が統率するにはどうするか。

① 兄上を活かす。いずれ俺が天下を取る。


② 兄上は父上と意見の食い違いでハブられた。俺は父上に逆らわず手柄で武田の跡取りと認めさせる。父上にも家臣にもだ。


当面①で行くことにした。まずは、川中島で歴史を変える。



川中島は、桶狭間の後だ。順番だと桶狭間で今川が弱体化ー徳川反旗ー織田活発化ー上杉北条攻めー川中島 だ。


先ずは久し振りに兄上に会うことにした。兄上は、6年前に今川義元の娘と結婚している。


結婚かあ、俺なんか前世と合わせて45年、未だに童貞だぜ、ハッハッハ。虚しい。


父上の許しを経て古府中に向かった。諏訪の家臣20名と護衛衆連れて。もちろんお土産も持ちました。


「兄上、お久しぶりでございます。四郎勝頼でございます」


「おお、四郎。こんなに立派になって。しかも母上様に似て器量良し。このような弟がいること、誇りに思うぞ。」


同席した奥方も、


「四郎殿、義姉の於津禰でございます。はじめましてになりますね。」


「姉上様、四郎にございます。母が古府中を好いておりませんでしたので婚儀の際もお祝いに参じられず心苦しく思っておりました。」


そりゃ子供に毒盛られれば来たくもなくなるわさ。今回は格さんに作らせた毒消しを一応飲んでる。戦国は油断したら死ぬからね。


挨拶が終わったら姉上は退席された。なんか、公家のお姫様風で活気がない人だった。


今川家のつもりなんだろうな。いずれ武田が今川に喰われると思ってそうだ。


その日は世間話をして兄上に用事があり、解散した。翌日のアポはとりましたよ、これからが本題ですので。


滞在する部屋に案内されたあと、三条さんにもご挨拶したんだけど、これがまた喧嘩腰。


「四郎殿、ようお越しいただきました。」


「三条様、お久しぶりでございます。先程兄上にお目にかかりましたが、武田の大将としての風格を感じました。この勝頼、兄上を陰から支えて参る所存です。」


「良い心がけです。武田の跡目は義信です。名前に信が入ってこその武田。そこもとは、名前に頼の入る諏訪の者。そこをわきまえておれば良いのです。」


「はい、三条様 (この、くそババー)。心得ております。」


このババーに今川の嫁かあ。部屋に戻ると楓が控えていた。


「お目通りはいかがでしたか、四郎様。」


「どうもこうもないわ。作戦を見直すかもだな。」


「実は、偵察部から報告があり、この躑躅ヶ崎の館は今川の間者が多数見張っており、


館内の動きは全て筒抜けだそうです。その他にも、長尾景虎、北条、織田の間者も入れ代わり立ち代わり侵入しております。」


「そんなにか。諏訪や伊那はどうなのだ。技術部の動きは知られたくない。」


「四郎様にはまだ興味があまり無いようです。」


「………」


なんか悔しいけど、その利点は活かす価値ありだな。



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