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日本史上最大の戦

「どうやってと申されたか?我が主、石田三成様の策ゆえお教えするわけには参りませぬ。さて、この通信機とお市様を大阪城まで運びます。その間、攻撃をやめていただきたい」


「ほう、それをそのまま見過ごせと?」


「お市様の安全はそれがしの命に誓ってお約束いたします」


「ふむ、それを信じろと。だが、ならぬ」


「なんと。お市様のお命がどうでもいいと?」


「そうではない。大阪城へ行けば猿に会うことになる。それなら死んだ方がマシであろう、なあお市」


 お市は大きく頷いた。あんなのの慰み者になるなら死んだ方がマシだ。


 島左近はそれを聞いた瞬間、作戦を切り替えた。お市の気持ちもわからなくはなかった。1号艦のスクリューを動くように戻し、伝説龍王伍号機(ゴーリーファイブ)に向かって芽駕超牙飛弾(メガホーリービーム)を発射した。黒田官兵衛が風魔に大砲の訓練をしていたので、手間取りはしたが操作できた。背中に砲弾をくらった伍号機は前向きに倒れ爆発した。背中側に駆動用の蒸気ボイラーがあり運悪くそこに直撃したのだ。


 石田兵の多くが爆風で吹っ飛んだ。伝説龍王参号機(グレートゴーリー)も吹っ飛び、操縦士の段は衝撃で気絶した。後方にいた三成は旗本が身を挺して守りなんとか無事だった。

三成は爆発した伝説龍王伍号機(ゴーリーファイブ)を見て、左近が船を乗っ取ったと気づき、大阪城へ戻っていった。


伍号機の操縦士、像府尹、進、秀は爆死したが、星は生きていた。なんとか機体から脱出し辺りを見渡したが石田軍は既に撤退していた。星は参号機へ向かった。


左近は1号艦の駆動を急がせた。操縦方法がわからずなかなか動かせない。その間にひたすら大砲を撃ちまくり2号艦を大破させた。3号艦が砲撃の準備を始めたが甲板にお市を連れ出すと動きが止まった。

続けて3号艦を撃とうとしたが2号艦が邪魔で上手く狙えない。先に遠くの4号艦の攻撃を始めた。




勝頼は新型戦艦 我威亜零(ガイアゼロ)の速度を上げた。全速力で大阪湾へ向かった。愛話勝(アイハカツ)は1号艦にしか載ってない、しかも指示を出しても敵に筒抜けになる。この事態は想定してないので暗号も通じない。とりあえず、


「こちら勝頼。各陣に告ぐ。皆の判断に任せる。武田は屈しない、以上だ」


とだけを告げた。


お幸が勝頼に向かって話しかけた。


「どうします?お市様を見殺しになさるのですか?」


「そんな事を余がすると思うか!大阪湾へはまだ半日はかかる。それまでは皆に任せるよ。お前らは到着次第発進できるように準備しとけ」


さて、誰が動くか?






上杉景勝は直江兼続を呼び受信した内容を伝えた。その上で、上杉の役目はここを守る事、今は敵の進軍を抑える事だと守備に徹した。兼続は佐々成政にも伝えた。成政はお市が捕らわれたと聞き錯乱したが兼続が冷静にさせた。


「佐々様。大御所は皆に任せると仰っていました。それぞれができる事をするのが武田家の家風だそうです。上杉は敵の進軍に備えます」


「兼続殿。承知した。わしは遊軍として動く、それが得意なのでな」


と言って佐々成政は自陣に戻っていった。兼続は、海軍の支援が無くなると上杉が攻められる事を危惧していた。兵に敵の進軍を妨げる障害物を作るよう指示した。





信平は内藤修理、真田源三郎信幸、そして合流した蘆名幸村を集めた。内藤がまず、


「先ほどの爆発音はなんであろう?」


と聞いた。伝説龍王軍団(ミンナゴーリー)の事は一部の人間にしか知らされていない。信平は答えた。


「おそらく父上の新兵器が爆発したのだと思います。例の龍の改良版をこの戦に投入すると聞いております。お市様管轄のようでしたので。お市様の乗っている怒露駿技愛(ドロスギア)からの砲撃ではないでしょうか?」


幸村はそれを聞き、


「となると大阪城の西側は豊臣方に取り返されたと考えた方がいいかもしれません。確か船は10隻ですが、お市様指揮下の船。お市様が捕らわれているとなると、他の船は迂闊には動けますまい」


源三郎が兄貴風を吹かせて話に割り込んだ。


「源二郎。それは違う。お市様の配下はそんなに甘くはないぞ。噂に聞くと、死んだ方がマシな訓練をしていたそうだ。きっとその者達は動く」


「兄上。わかり申した。それぞれがやれる事をやるのでしたな。では、我等はどうします?」


「船の事は海軍に任せて、我らは目の前の毛利を叩く。大御所が来る前に大阪城へ突入できる状態にするのが我らの役目」


信平は、


「その通りだ源三郎。そなたらの父と連携して攻めるぞ。残っている小龍王(ミニゴーリー)を全部使え。真田の名を歴史に残す絶好機と思って作戦をたてろ」


と言い、真田に作戦を任せる事にした。勝頼からこの戦は学ぶ場だ、とことん学べ、人を使うのが信平の役目だと言われている。信勝に何かあれば跡を継ぐのは信平になる。信平自身はそんな気は全くなかったが、信勝が片足を無くし義足になったと聞いた時、目が覚めた。自分が跡取りになるかもしれないと自覚した。当然だが逆に信平が死ぬ事もあり得るのが戦だ。

先の事は誰にもわからない。わからないからこそ想定して色々な手を打っておく。信玄公の軍略だ。今打てる手は何だ?敵はどう出てくるのか?信平は考えていて気づいた。お市様が捕まった事を大阪城にいる人、いや敵軍は知っているのだろうか?





真田信綱、昌幸は迷わず全軍を加藤清正軍にぶつけた。ここにいる敵兵はお市が捕まった事をまだ知らない。時間が経てば情報が伝わるかもしれないし、海からの支援が無くなった上杉を攻められるかもしれない。叩くなら今なのだ。猛烈な攻めに数で劣る清正軍が崩れると直ぐに宇喜多秀家軍がカバーに入り一瞬拮抗したが、そこに信豊、織田信忠軍が突っ込んできた。それを見た黒田官兵衛は毛利軍の一部を支援に回した。

敵味方入り乱れた刀、槍での乱戦となり、飛び道具や新兵器が使い難くなった。


毛利とお見合いしていた信平軍から再び小龍王(ミニゴーリー)が30台現れ毛利軍に侵入した。それを機に内藤修理、蘆名幸村軍が毛利軍に突っ込んで行った。この時総勢25万の兵がぶつかる日本史上最大の戦いとなっていった。



その大戦の中でこっそり動く者達がいた。

















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