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武田海軍奮闘

その頃勝頼は川根の伊賀村での訓練を行なっていた。お幸、桃、紅、黄与、紫乃、高城兄弟、玉井、百田(助さん)はヘロヘロになっていた。


「これって本当に実戦で使うのですか?」


「何言ってんだお幸、使うに決まってんだろ。この間楽しそうに乗ってたじゃん」


いやいやとお幸は呆れながら、


「あれよりこっちの方がありえない」


「だいぶ軽量化したからな。やっと手に入ったアルミちゃん」


そう、勝頼は玉井がインドネシアから輸入したボーキサイトからアルミニウムを手に入れた。対大阪城に向けての特訓が続いた。


「勝頼様は訓練に参加しないのですか?」


桃がお前も働けとばかりに話しかけた。


「じゃあ、俺も訓練しとかないとな。高さん、頼むぞ。それを動かすんだ。助さん、操作方法をおしえてやってくれ」


勝頼のベストから、………………。皆の驚く声、


「え!」


「なあるほど、こういう感じね。高さん、お前次第だなこれ」


「寅松の方が器用なので、これは寅松に。それがしは肉弾戦の方が向いております」


高さんは寅松へふった勝頼は、それもそうだ。じゃあそうしよう。指名された寅松は青い顔をして呟いた。なにあれ、どうなってるの?なんで飛ぶの?


「そんなにビビるじゃあない、怖がるな。慣れればどうって事ないぞ。慣れればな」


しばらく訓練を続けた後、大井川を船で下り駿河湾へ出た。そこには新型戦艦 我威亜零ガイアゼロが待ち構えていた。艦長は伊丹康直だ。勝頼は発信すべく声をかけた。


「伊丹、船を堺に向けてくれ。山県はどうした?」


「作戦通りに。では発進します」


伊丹はこの戦の後隠居する予定だ。最後にこんな船に乗れた事を誇りに思っていた。


新型戦艦 我威亜零(ガイアゼロ) 。駿河は蒸気タービンで駆動するがこの我威亜零(ガイアゼロ)は蒸気と原油、電気で駆動する。単独でも走行可能で、各エネルギー源は攻撃の時にも使えるようになっている。三連砲塔の主砲の他、近戦用にパルスレ、じゃないマシンガン雨嵐乱連(アメアラレ) も装備し対鉄甲船用秘密兵器も装備している。

この対鉄甲船用秘密兵器は小型版が各軍船にも装備された。


我威亜零(ガイアゼロ) は楓マーク2を引き連れ堺へ向かった。





瀬戸内海を進むお市率いる武田海軍の前に、毛利水軍が現れた。というより偶然遭遇したようだ。数は10隻、敵も慌てふためいているようだ。


「正面に大軍が現れました。武田水軍と思われます」


「5隻は残って応戦、残りは戻って危機を知らせろ!陸地に近づいて発砲音でだ!」


敵の指揮官は慌てながらも的確な指示をした。それが幸して武田海軍の出現は毛利水軍基地に伝わった。呉にあった水軍基地は既にお市によって破壊されており、新しく廣島に造られていた。ただ情報が伝わる頃には武田海軍は廣島に近づいていた。


毛利水軍は前回武田水軍にコテンパンにやられてしまった。武田水軍の武器を研究し、新型の大砲を装備した軍艦を建造していて、武田水軍と再び交えるのを待っていた。思っていたよりそれは早く訪れた。


「全船出撃せよ!」


毛利水軍が武田海軍と向き合った。毛利水軍も大型鉄甲船が四隻、新型大砲が武田の船を狙っている。


怒露駿技愛(ドロスギア) を下がらせて。全艦発砲用意」


お市の掛け声と共に手旗信号で各艦に指示が伝えられた。


「撃てー!」


一斉に武田水軍から大砲が発射された。毛利水軍も大砲を発射し楓マーク2二隻に命中し、運行不能となった。毛利水軍の船は五隻が沈んだ。毛利の大型鉄甲船、武田の戦艦は大砲が命中したが大ダメージにはなっていない。攻撃力、防御力とも同等か?


「なかなかやるじゃない。しょうがない。あれを使います。全艦ドリルアタック用意!」


武田海軍の船には船首にドリルのような突起が付いている。そう、前回清洲城攻めでお幸が乗った伝説龍王(ゴーリーキング) が放ったロケットパ、いやゴーリーパンチを改良した物だ。先端は尖っておりネジのような模様が入っている。発射口にもネジが切られ発射すると回転しながら飛んでいくようになっている。


「大御所に撃つ前に叫べって言われてたのよね。ドリルアターーーーック、撃てー!」


毛利水軍めがけて回転しながら槍のような鉄の塊が飛んで行った。ドリルアタックは船の装甲に回転しながらあたり、装甲を破って爆発した。毛利水軍はどんどん沈んでいき、再び全滅した。


「これ撃っちゃうと艦首に穴が開いたみたいでカッコ悪くなっちゃうのよね。あんまり使いたくないんだけど」


お市は呑気な事を言いつつ、海上から陸地に向けて砲撃を開始した。海の近くにある毛利の施設は全て破壊された。


「さて、補給後大阪へ向かいますか。上様」


信勝はお市の指揮を見ていた。圧倒的じゃないか我が軍は、という感じで呆然としていたが我に返り、


怒露駿技愛(ドロスギア) から補給を行う。完了次第大阪へ向かう。次は大阪城だ!」


と言って自らは怒露駿技愛(ドロスギアに移動した。これからが本当の戦だ。




毛利輝元は、水軍の敗北を聞き武田水軍の強さを認め、ほぼ全軍を率いて大阪へ向かい始めた。海の仇は陸で討つと決めて。宇喜多秀家も同行した。


東軍の動きを聞いた秀吉は遅ればせながら西軍を大阪へ集めようとしていた。決戦は大阪城と考えて。だが、島津は九州から出れなかった。大友宗麟が真田信尹と共に抑えていた。





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