プロローグ
『あなたに』
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を読んでから、こちらを読んでいただくとより作品を楽しめると思います。
俺は、あのときから、時が止まっていたんだ。
心友の遼が、いなくなってから。
遼が、今でも、どこかにいるんじゃないかと、思うときがある。
どこを探してもいない。当然だ。遼は、死んだのだから。
俺は、あの時、遼と出会って、一緒に過ごすうちに、人のために動くって、自分には、合うと、思った。
遼が、いないと楽しくないんだ。遼以外に友達って、呼べる人なんていない。遼がいないと変な感じがするんだ。当たり前だったものが、なくなったら、どう変えたらいい?
俺は、遼が、目を覚ましたら、物語を書くと思った。遼に、書くものを渡した。そのせいで、遼は無理をして、体に負担がかかったんじゃないかって。
本当ならもっと永く生きたんじゃないかって、俺は、どこかで思ってしまったんだ。
遼なら、そうじゃないって、言ってくれると思うんだ。実際に、遼との最後の会話でありがとうって、言ってくれたから。でも、俺は、そう思ってしまった。
それから、遼が、亡くなってから、眠れなくなった。自分でも、分かっているんだ。
俺は、まだ立ち直れていないって。俺は、前に進めていないって。無理をしてるって、分かってるんだ。
でも、そうしないと気を紛らすことが出来ないんだ。
きっかけが、欲しいんだ。時を進めるために。
遼、どうしたらいいと思う?
読んでいただきありがとうございます!