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20行ショート  作者: 冬月やまと
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VOL.6 希望

 利治は、この世に絶望していた。

 幼い頃から、一流の大学に通って、一流の会社に入社する。

 それが、人生の幸せだと、親に教えられてきた。

 幼稚園から塾に通い、テレビもマンガも見させてもらえず、ただ、勉強だけの青春時代を過ごしたお蔭で、超一流の大学に受かり、超一流の企業に就職した。

 人生が、バラ色に見えた。

 ところが、勉強で詰め込んできた知識が、あまり役立たないということを、利治は就職して間もなく知った。

 仕事をする上では、成績の良しあしではなく、頭の回転と機転、それに、人間関係の構築が求められる。

 そんなことは、親は教えてくれなかった。

 ただ勉強さえしていれば幸せになれると、そう教えられてきたのだ。

 もうひとつ、高学歴で仕事ができないと、普通の人以上に馬鹿にされ、疎んじられる。

 それも、親は教えてくれなかった。

 バラ色の人生が砕け散った利治は、親と会社の当てつけのつもりで、死のうと思った。

 どうせ死ぬなら、これまでで出来なかったことを、思う存分やり尽くしてから死のうと思った。

 が、これまで、勉強一筋に生きてきた利治は、なにをしてよいかわからなかった。

 まずは、それを見つけることだ。

 利治の胸に、生きる希望が湧いた。


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