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VOL.18 夢遊病
隆司は、空を飛んでいた。
これが夢なのは、パジャマを着ていることからもわかっている。
幼い頃からたまに見ていたが、ここ最近、毎晩のように見るようになった。
空を飛ぶのは爽快だ。
隆司は、思いきり空中の散歩を楽しんでいる。
夢とはいえ、いつもならある程度のところで引き返すのだが、今日は調子に乗り過ぎて、は延々と飛び続 けている。
昼間、良いことがあったので、きっとそのせいだろう。
まあ、いいか。
どうせ覚めたら、ベッドの上だし。
そう思っていると、朝陽が昇ってきた。
隆司は目が覚めた。
はっきり目が覚めたはずなのに、地上へ向かって落ちている。
まだ、夢を見ているのかな。
だったら、死ぬことはないよな。
でも、夢でも、地上に激突したら痛いだろうな。
その前に、醒めてくれないかな。
夢の続きとして、気軽に、そんなことを思っていた。
彼自身は知らなかったが、隆司は、世にも奇妙な夢遊病者だった。
寝ている間だけ、超能力者になっているのだ。




