第58話 大和司と主なしの迷宮 その7
あまり待たせずに更新成功?まあ3年よりは……
箱みたいなものは、近寄ってみると見るからに宝箱だった。
迷宮の宝箱はたまに迷宮のどこかに自然に生まれてくるらしいが、低層階ではあまり見つけられることはないらしい。また、稀にボスを倒したときにも出現するらしいが、これもまた最初のボスがでる5層で見つけられることなんて非常に少ないらしい。
聞いたこともないような変なボスだったし、またラッキーだったんだろう。銅のような色をした箱に手をかけると鍵もかかっておらず、また何かの罠も仕掛けられている気配もないので、一気に蓋を持ち上げた。
中を見てみると、シンプルな装飾に中央に大きめの宝石がハマった腕輪が入っていた。鑑定を試みてみるが"bracelet of the bond"という名称しかわからなかった。bondってどんな意味だったか……接着剤??なぜアイテム名が英語で示されるのかが正直疑問であるが(イシュアちゃんに聞いたらそう言うものだという回答だったが)街に戻ったら鑑定を依頼する必要があるだろう。
腕輪をアイテムボックスに仕舞うと、中身がなくなった箱は地面に沈むように消えていってしまった。
ボスの居なくなった部屋は静かなもので、倒したはずのボス達の身体はその武器とともに無くなってしまったので戦いの痕跡は何もなくなってしまった。
ボス部屋を抜けるとワープ用の小部屋があるらしく、おれたちは奥にある出口の扉をあけてボス部屋を後にした。
ボス部屋を抜けた先はしばらく通路になっており、突き当たりの右手にワープ用の小部屋、左手が六層への階段が設けられていた。
先ほどのボスを倒した時点でレベルは15へとあがっており、目標にしていたレベルへと達することができた。
迷宮にもある程度慣れてきたので、ここで一度街に戻るのもありかもしれない。
まあ、先に進むにしても、戻るにしても何にせよまずはワープが可能かどうかを検証しておく必要があるだろう。
おれ達は小部屋に入り、中央におかれている台へ手を置いた。すると一回の台を触ったときには何の反応がなかったのだが、このワープ台の使い方が何となく把握できた。
この台を使いたい者は一度直接この台に触れる必要があるようだ。つまり5層にワープしたい者は一度は実際ここまで自分の足でやってくる必要があるということだ。
おれはリエルとナーシャに手招きをして、台を触るよう促した。二人とも台の使い方がわかったのだろう。台を触ったときに表情が少し変わったのが見えた。
「一度一層まで戻ってみよう」
「はい、わかりました」「うむ」
改めて台に手をついて、念じると一層と五層どちらに行きたいかが脳内に選択肢として現れる。一層に行きたいと念じたところ、一瞬身体が浮いたような感じを受けて目を開くと小部屋の中にはおれ一人が立っていた。
ワンテンポおいて、リエルとナーシャも飛んで来たようで同じ部屋に姿を現した。
「ちゃんと1層に戻ってこれているか確認しようか」
そう言って小部屋を出ると確かに迷宮の入り口に戻って来ていた。これで五層まではいつでも行けるだろう。
「どうしましょう、一度外に出ますか?」
リエルに問われて、少し悩む。
「一度六層に行ってみて感触を見てみようか?五層ごとにモンスターの種類が大きく変わるんだよな?六層はスケルトンだったか」
「はい、アンさんがそうおっしゃってました」
「我は疲れたので、帰るぞ」
ナーシャの声に、思わずリエルと顔を合わせた。六層からはモンスターは強くなるようだが、五層のボスより強いということはないだろう。
「いいよな?リエル?」
「そうですね、すぐに戻ると言うことであればナーシャちゃんについて来てもらわないでも大丈夫かと思います」
少しは黒ゴブリンとの戦いで見直して貰えたということだろうか。
「テントの位置は分かるよな?」
「問題ない、匂いでわかる。早く戻ってきてご飯を用意するんじゃぞ、ツカサ」
「わかってるって」
「よい、では行ってくるがよいぞ」
何だか立場が逆転したような気もする……
その後リエルと五層に戻ってくると、階段を下りて六層に入る。六層は壁が石壁から土壁に変わっており、所々に苔のような植物も生えている。
どういう原因かわからないが、やはり壁は明るく発光しており明かりには困らないが、本当にどうやって作られたのかが気になるところである。
曲がり角にさしかかったところで、カタカタという音が聞こえてきた。
「お客さんだ」
そうリエルに声をかけると同時に角からスケルトンが2体現れた。
長くなりそうだったのでいったんここで
知らない間にできていた誤字報告システム?をオンにしてみました。
使いこなせず反応しなかったらすみません……そもそも誤字をなくせという話もありますが
先ほどから投稿が失敗気味……回線がぁ(海外