第54話 大和司と主なしの迷宮 その3
ひねりのないタイトルですみません……
さて、昨日は一層をあらかた周りつくして、あとは二層への階段の小部屋を残すだけだった。
一層はひたすらゴブリンにつきるという層だった。これだけゴブリンとの戦闘を繰り返していると、ちょっとした動作からでもゴブリンの動きを予想できるようになる。
狭い部屋の中で相手の動きに合わせて立位置を調整しながらゴブリンを処理していく。
「よし、こんなもんだろ」
「さすがです、ツカサさま」
もはや作業のようにゴブリンを処理して、地面に散らばった魔石を広い上げる。
「この魔石拾いの作業だけはどうにかならないものかな……」
「荷物拾いや運びを専門にするポーターと言われる職業の方を雇われるパーティーもいるみたいです」
「ポーターかー、考えてみてもいいかもな……魔石を残すとよくないから、残さず拾うというのも大変だしな」
「いい方が見つかればいいですね」
「まあ、いますぐ決める必要もないだろ。これからも迷宮に潜るなら考えようか」
とりあえず、二人で手分けをして魔石を拾いながらすすんでいく。
「つきましたね」
「ああ」
俺たちは、第2層へと続く階段までやってきていた。
一層から二層までの階段も何も変わり映えのないもので、正直違いはわからなかった。
迷宮がほぼ攻略済みということで地図を見ながら移動してるからいいがなかったら本当に迷いそうだな。
「ツカサさま、二層の敵は何が出るんでしょうか?」
「迷宮の5階層までは基本的にゴブリンで構成されてるらしい。たまにアーチャーが出るらしいから見かけたら優先で倒してくれ」
「はい、わかりました」
いわゆる動物型のモンスターだと、遠距離攻撃ってものを考えないでいいのだが、武器を使うような人型のモンスターだとやはり勝手が違うな。気を引き締めていかないと。
最初の部屋は普通のゴブリンだけだった。リエルと手分けして蹂躙して終わる。
例によって、左側の部屋をのぞいた時に、3匹いるゴブリンの中に、1匹だけ毛色が違う奴がいた。きっとアレがアーチャーなんだろう。
「リエル」
「はい」
ドスッ
おれに声をかけられた、リエルが弩でゴブリンアーチャーをあっという間に貫いた。そうすると、残ったのはゴブリンだけで。
「うーん、むしろあっけがなさ過ぎるか……」
リエルに任せていたら、2層も1層と変わらずに終わってしまいそうだな……
今回は冒険者ランクをあげるためのレベル上げが目的だが、身体能力だけでどうとでもなってしまう村人ではなく、剣士としてもある程度戦えるようになるのが目的だ。
村人のままだと、動きが良い意味で異常すぎて、人前で戦うことも憚られる。目にも止まらない速さで動けるなど尋常ではない。世間からもほってはおかれないだろう。それに、カンスト職で戦ってもな、経験値が無駄になるし。このあたりはゲーム脳である。とはいえ、事実ゴブリン達との戦いは面白かった。
村人カンストボーナスと称号のおかげで、ステータスは、現在の剣士のレベルにしては、非常に高い値となっており、ゴブリンと戦うには身体能力的には十分すぎるくらいだが、人型のモンスターと戦うことになれていない上に、かなりの長い間まともな戦闘を行っていないブランクから、うまく身体を使うことができていなかった。
ゴブリンとの戦闘を重ねるうちに、この身体能力に身体がどんどん馴染んできているような気がして、どんどん効率的にゴブリンを倒せるようになっていた。オーバースペックな身体能力に、オーバースペックな武器(通常迷宮の低層には霊銀製の武器を使っているような冒険者はいない)で、ゴブリンも攻撃さえ当たれば一撃である。剣一つで多くの敵を屠るなど、まるで、無○シリーズものをやっているようで、爽快感、成長を感じていけるのが、まるでゲームでもしているようで楽しかった。
とはいえ、これは、ゲームではないので、下手をすると大けが、または命を失うこともあるので、それを忘れるわけにはいかなかった。
「いてっ」
あまりの戦闘のあっけなさに、リエルに手を出さないように伝えて戦っていたところ。通常のゴブリンが3匹、アーチャーが2匹いる部屋で、接近するゴブリン達に気をとられすぎて、アーチャーからの矢を処理仕切れず、膝に矢を受けてしまった。
接近するゴブリンは、剣を振るって切り伏せたものの、思わず痛みで、片膝をついてしまった。
「ツカサさま!!」
そう言って、リエルが、風を起こすとかまいたちが起こって、2匹のアーチャーを切り裂くと、こちらに急いで駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか!!」
慌てるリエルを落ち着かせるために、冗談でも言って気を落ち着かせる。
「膝に矢を受けてしまってな……」
「何言っているんですか!傷を見せてください!!」
リエルにこの冗談は通じなかったようだ……
力尽きて非常に眠いのでここで投稿します……
感想返事はできてないですが、ちゃんと見てます……
これまで読まれてきた方には、ちょっとツカサくんが弱くなってるように感じるみたいですね、、、
(若干作者の記憶に曖昧になっているところもありつつ)
身体能力は優れているが、使いこなせてない、人型のモンスターとは戦ったことがない(対人戦の経験がほぼない)+長すぎるブランクで、苦労しているつもりではあったのですが、それを加味しても弱いもしくはその表現ができてないってことなんだなぁと反省しつつ、ちょっと戻って書き直したいとは思う物の、時間が……という感じです。
ちょっと、改めて読み直してみて、ちょっと調整をするかもしれません……
擬音は……どうしたものか……
とりあえず、話をできる限り進めつつ、試行錯誤していこうかと思います。