閑話その1 とあるドラゴンのとある災難。
ま、竜は定番ですよねぇ~
一応この世界には、龍(強)と竜(弱)がいるという設定にしています。
龍は決して、滅びない。
龍とは、竜族の中でももっとも上位に位置するもので、神と同じく決して滅びることがない。
その寿命は長く2000年に及ぶ
2000年が経ち、その身体を維持できなくなったとしても、
その魂は不滅であって、新たな身体へと転生を果たしていく、
この世界で神にもっとも近い生き物であるといわれている。
神が地上に顕現することはめったにない。
それはつまり、地上において最強であるのは、龍あることを示していた。
この世界で残虐の限りを尽くしている魔王ですら、
龍には手を出すことを控えている。
龍はその性質として、数多くの宝石や、魔法具などの秘宝を集める性質があるが、
それは、蓄えた秘宝を、己の身体の中でその力を濃縮していく。
その濃縮された力は、武器の形を取ることが一般的で、
神話の中では、その武器で魔王を倒した勇者が存在したともいわれている。
龍の武器を得ることは、その龍の心をつかむことに等しく
そのようなものは、世の中に存在しないが、仮にその武器を入手した場合、
龍を思いのままに操ることができるのではないかといわれている。
我は、龍の中でももっとも高等である、ブラックドラゴン。
ダークドラゴンともいわれる。
その色の暗さは、その魔力密度の濃さを表している。
この世界では、この我にかなうような者はおらず、
この前も魔王率いる大軍が何かを言ってきたが、ブレス一つで壊滅させたものだ。
頂点に立つ者ゆえの退屈な日々はあるが、50年に一度は人間の話し手を連れてこさせて、
退屈しのぎにいろんな話をさせている。
そろそろ、また50年が経過しただろうか。
つまらない話をする者が来ないように一度人間の住処に姿をみせるとしようか。
部屋というよりは、大空洞といったような、この山脈でもっとも高い位置にある居室、
そこに集めた金銀財宝の上で、これからのことを、我は一人考えていた。
気が付いたとき、我は、強い光に自らが照らされていることに気が付いた。
これは、太陽の光か??
どうしたというのだ、日中は居室で過ごすのが、ブラックドラゴンである我の日常なのだが。
その時、身体が急に持ち上げられた。
600年の長きを生きている我であったがこの時は少し慌てた。
だが、偉大なブラックドラゴンである我は、この程度では動じない。
なんだ、人間だというのか?
どうやら、一人の人間が我を持ち上げているようであった。
ひねり殺してやろうか?
そう思って、少し身をよじり、人間の姿を確認してみると。
「ヒッ」
こいつ、人もとい竜を殺しそうな目でみてくる。
鋭い目つきに、口には何やら笑みを浮かべており、
我の背中を繰り返し何度も触ってくる。
まさか竜族にしか伝わっていない、竜の弱点である要の鱗を探しているのか!?
人間のくせに、ダークドラゴンだけに許された漆黒の色をした髪の毛、
600年の長きに渡って霊力をためてきた我でさえ、
その色は漆黒とまでは言えず、ダークパープルまでしか自らの鱗を染めきれていないというのに。
まさか、人知もとい竜知を超えた強さを有しているというのか!?
衝撃が走る。
し、しかし、我は偉大なブラックドラゴン。
敵を知れば100戦危うからずと人間がいつか言っていたような気がする。
ここはしばらく、このままで戦力の分析に努めるべきだ。
「さすが、私は賢いドラゴンだからな!」
その時、身体が、温かいものでつつまれた。
よくわからないが、気持ちも悪くない、いやよいので、
しばらくは偵察の作戦としよう。
幸いなことにあたりも暗くなったので、
体力を温存するとしよう。
「暗いとこはやはり落ち着く。」
我は、薄く開いた目をまた閉じた。
とりあえず、初投稿はここまでです。
続きは明日。
感想など聞かせていただけると幸いです。
今後の創作に活かしていきたいと思います!