第45話 大和司とリエルの攻勢?
ホッカホカな身体で幸せな気分になりながら、自室へと戻る。
先ほどより見慣れた豪華なドアを勢いよく開くと……
「ツカサさま!そこに座ってください!」
なぜかリエルに怒られた。
「ツカサさまは、わかってません!」
「ちょっとリエルどうしたの……?」
「はやくっ」
促されるように部屋の中央の床へと腰を下ろす。
「違います」
何が違うんだろう……豹変してしまったリエルに圧倒されるおれだった……
「正座です」
少し頬を染めて真剣なリエルに気おされるようにして、おれは硬いフローリングの上に正座する。
明らかに何かがおかしい、異常の原因を探ろうと部屋を見渡すと、ナーシャがベッドの方向に対して横になって何かに手を伸ばしたままベッドの上に突っ伏している。
その伸びる手の先には、果実酒の便が転がっていた……まさか!?
「こっちを見てください!」
そう言って、リエルに両手で顔の向きを強制される。なんだか、いつもよりリエルの顔が近いし、どこか色っぽい。
「ツカサさまは、ナーシャちゃんのことをどう思ってるんですか?」
「なんだ、まあ、手のかかる妹みたいな?」
「最近、ファルネーゼさまとも仲がいいですよね?」
「マリアローズとー?あれは、あいつが勝手に絡んでくるだけだって」
「マリア……」
ん?マリアローズの話をしたら、少しリエルの機嫌が悪くなった気がする……なんでだ……
「じゃ、じゃあ、私のことはどうなんですか?」
「えーっと」
さすがに正面を切って伝えるのは、恥ずかしいというか、抵抗を感じるというか……
リエルがすっごい見てくるんですけど!!
「ツカサさま……」
「ああ、もう……わかったよ」
「ツカサさま!」
これ以上はぐらかせることはできない。
「リエルは……」
「リエルは……」
リエルが俺のことばを続けてくる。
「かわいい……」
「かわいい?」
リエルの表情が珍しく崩れ、口角が上がっていく……
「妹みたいなものかな!!」
「いもうっ……ツカサ様?」
そういったリエルの目はもう笑っていなかった。こちらを見ながらもどこか焦点があわずといった感じで、なにかをぶつぶつ一人でしゃべっている。
「いもうと……こいび……これは……やっぱり……ちゃんと……」
ふと、リエルの目に光がもどったと思うと。
「ツカサさま」
「ハイ」
真剣な目に思わずそう答えてしまう。
リエルが、おれの右手を両手でつかむのをなすがままに見てると、両手でおれの手をぐっと自分に引き付けて、胸元へと引いていく。
そして、おれの右手が、リエルの胸に……胸に!?
「んっ」
リエルの膨らみかけの胸の感触が手のひらに伝わってくる。
リエルが、妹のように見えるというのはうそではなかった
リエルは、また年も若く、正直おれの恋愛対象からすると若すぎる。
おれは決してロリコンではない。
おれは決してロリコンではない。
大事なことだから二回言ったが
「リエル「ツカサさま、私は妹じゃありませんよ」」
たしなめようとした、おれのことばにリエルがかぶせてくる。
確かに、リエルとはもちろん血はつながっていないし、妹なわけがない。見た目の若さからか(実際にも若いが)恋愛感情を持ってみたことはない。でも、幼いとはいえ、最近ではちゃんとしたものを食べるようになったからか、少し肉付きもよくなってきており、金髪碧眼に整いすぎた顔は、日本でみたどの芸能人よりもきれいで……正直めちゃくちゃかわいいと思っている。
そんな子にこんなことをされて平常でいられるわけがない……
リエルが、目をつぶってこちらに顔をよせる。
「ツカサさま、どうぞ」
どうぞって……ちょっとまて……でも据え膳食わずは……いろんなことが頭の中をぐるぐると回る。
「んっ」
リエルが無言で催促をしてくる。
おれは思わずリエルの細い肩を両手でつかみ……
ガチャッ
「ヤマトツカサ入るわ……あなた何やってるの!」
うん、知ってた……
それから、お酒を飲んで酔っ払ってしまったリエルを介抱していただけだと、マリアローズを説得するのに小一時間かかってしまった。
リエルは、やはり飲めないお酒を飲んだからだろう、変な感じだったが、あの後すぐに眠ってしまい、今はベッドで寝かしている。
(ツカサさまの意気地なし)
ん?何か聞こえたような気がしたが……
「ヤマトツカサ、あなたわたつぃが入れたお酒が飲めないっていうの?」
あー、なんでおれの周りには酒癖が悪いやつしかいないのか……
相変わらずなかなか忙しいです(^^;
ぼちぼち更新していきますので、じっくりとお待ちいただければ!




