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第5話 大和司は、拾い物をする。

やっと異世界で生き物に出会います。

3時間は歩いただろうか、歩いてる最中も、

えぐられた地面が続いているだけで、

ほとんど景色は変わらなかったけれど、

どうやら元あった山脈の中間地点くらいには来たようだ。


横を見上げると、切り取られた断面の中に、山脈の稜線を見ることができる。


見上げた視線はかなり高く、頭上のはるか上にあって、

その高さは、下手をすると富士山くらいの高さはあるんではないだろうか?


これが山を登っていたらいったいどれほどの時間がかかっていたのだろうか。

というか、上ってではこの山は越えれなかったに違いない。


にしても・・・その山が、まあるく、きれいにくりぬかれている。


誰だよ、これをやったの本当に・・・


そんなことを思いながら、ひたすらに歩く。


Lvが上がって、HPや体力が上がったからだろうか、

ずいぶん歩いてきたのに、疲れは全く感じずにむしろ軽いくらいだった。


「Lv99ぱねぇっす・・・」


そのうち力とかの検証もしてみたほうがいいかもしれない。


むき出しになった地面を延々と、とぼとぼと、ひたすらに歩く。


目に入るのは、いまだに凄まじい光景ではあるのだが、

いい加減に変わらない景色に少々あきてきた。


ふと前を見ると、少し先に行ったところに、何か光を発するものがあることに気が付いた。

軽く走って、500m位の距離をわずか10秒ほどで詰めると、

光を放つものが何かを知ることができた。


「剣?」


うん、誰がどう見ても剣だ。

いかにも伝説の剣といった感じで、地面に突き刺さっている。


剣?と疑問形になったのも、刀身はいったいどんな金属でできているのか、

輝いてはいるのだが、その色は黒色をしていた。


黒が光を発するというのはおかしな話なんだが、

そう表現するしかない、非常に形容しがたい刀身であった。


なお、柄の部分については、通常?の金属でできているようで、

色は銀色、この部分が太陽の光を反射していたようだ。


黒い刀身の剣なんて普通じゃないことはわかりきっていて、

呪いの剣なんじゃ?といった考えも頭をよぎるが、

その刀身からもまがまがしい感じは受けない。

むしろ神々しいいった表現のほうがよく似合っている。


「まあ、抜きますよね?抜きますよね??普通???」


誰に言うでもなくその剣の柄に手をかけて引き抜こうとする。

が、簡単には抜けなかった。


「固いな」


今度は、力を込めて一気に引き抜く、地面にひびが入り、

剣が突き刺さっていた岩盤に大きな亀裂が入る。


地面が割れる音とともに、その剣は気が付くとおれの手の中に納まっていた。


刀身の長さは、1メートル50センチくらいだろうか、

その切っ先まで漆黒の刃は続いている。


剣なんて持ったことのないおれにはとても長く感じられるが、

もともと慣れ親しんでいたかのようにぴったりと手にフィットしている。


アイテムを鑑定してみようとしたが、鑑定能力を持たないおれには、

その名称を知ることしかできなった。


なお、鑑定能力を持っていなくても、

自分の所有物で、明らかにそのアイテムが何かわかっているものについては

名称だけは判別できるようだ。


Tears of Dragon

ATK:????

???????????????

???????????????

???????????????


「ドラゴンの涙か・・・鞘とかはないのかな?」


ずいぶん独り言が多くなっている気がするが、呟いたときには剣は鞘の中におさまっていた。


どこから現れたかわからないが、きっと魔法の品ということなんだろう。

おれは、Tears of Dragonを鞘ごと背に背負った。


うーん、溢れる廚二感・・・


とはいえ、良さげな武器も手に入れて、

またもや気分が盛り上がってきた。


そして、いざ先に進もうとした時、

剣を抜いたすぐ横のところに、それを発見してしまった。


それは、黒く丸まった固まりだった。


何で気づいていなかったのだろう。

これまでにみんな(誰だよ)に説明してなかったことがある・・・


「おれは・・・おれは・・・」


「小動物が好きだ!!!」


どちらかと言えば猫派ではあるが、犬でもご飯三杯余裕だし。

鳥類はおろか、は虫類もかなり好きだ!


「人間と違い動物は素直だからな・・・ふっ・・・」


大和司の表情にシャドーが入る。


いや、何が言いたいかというと、

昆虫採集でもそうだ、たとえ昆虫が擬態していたとしても

昆虫好きなひとはすぐ見つけてしまう。


先に剣に気がいってしまって、気づかなかったなんて申し訳ないな!!


よくわからないテンションで、そっと黒い塊を持ち上げる。

少しざらりとした感触、間違いないトカゲだ!


サイズは、イグアナかそれより少し大きいくらいだろうか。

黒く滑らかな鱗が、今まで見てきたどんなトカゲよりも美しいようなきがする。


なにげに、この世界で遭遇した第一村人ならぬ、第一生物じゃないか!


この悪魔ようなの所業にも生きててくれた。

よくがんばった、感動した!!


そして、持ち上げたトカゲをひたすらにさわさわする。

気持ちええわ~~~、思わず笑みがこぼれる。

うへへへへへ。


久しぶりの生き物の感触を存分に満喫したあと、

この子はペットとすることが決定した。


山もなくなってしまってきっと食べ物に困っちゃうだろうし、責任は取らなければ!


ペットは飼いたかったけど、ペットを買っちゃうと結婚できなさそうな気がして、

ずっと我慢してたんだよな~


まだ眠っているみたいなので、黒いトカゲを毛布にくるんでバックパックにそっとしまうと、

おれは、意気揚々と歩き出した。

トカゲかわいいですよね~、あの目が素敵です。

とりあえず、今日はあと1話くらいで。

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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり頭悪い
2019/11/14 08:45 退会済み
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