表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

vs 魔王 ひと月前 part4(side 聖女)

まばゆい光が一瞬輝き、収束していきました。



「どういうことですか!?契約の償いが、あなたの命じゃ、契約の意味がないじゃありませんか!!」


私はゼムに詰め寄ると、ゼムは困ったような笑顔を浮かべて、こう言いました。


「でも、こうしないと、君は僕の秘密を皆に話してしまうんだ。……君は、優しいから」



「どういう、ことですか?あなたはいったい、何を……?」


「うん。やっぱり今回も、君は気づいてくれた。君は僕がどれほど君たちを遠ざけても、最後には僕のすることに気づいてくれる。僕が()()()()()()で、ずっとね」


「繰り……返す……?」




「そう。僕は守護騎士のジョブを得た時に、女神さまに必ず君たちを護ると誓いを立てたんだ。だから、君たちを護りきれなかったら、僕は、誓いを立てたあの日に戻る……」



彼は一瞬、遠い目をしました。何年も旅を続ける旅人が故郷を懐かしむような目でした。



「そして、僕は守護騎士のスキル、『肩代わり』を持っている。これを駆使して、君たちが致命的なダメージを受けた時に、それを肩代わりし続けてきた」



「じゃ、じゃあ、あなたが、戦いのときに、時々パーティを離脱したのは……」



「うん、君たちに気づかれないようにするために、隠れて回復薬を飲んでた」



「娼館通いは……!」



「回復薬で治らない傷を治してもらってたんだ」



「なんで、なんで、それを、言わなかったのですか……!!」



「……君たちは、優しいから。僕が肩代わりしてるってわかると、僕をパーティから外しちゃうでしょ」



彼は、困ったように笑いました。そんな彼とは対照的に、私は目の前が真っ暗になっていました。



知らなかった。彼はずっと私たちの命を護り続けていた。そんな彼を、私たちは疎んで、蔑んで……。



「ぁ、……けいやく………?」



「うん、もし君がみんなに話したら、僕は死ぬ。そして、こうしないと、君はみんなに話してしまうんだ。……ごめんね」



彼は、本当に申し訳なさそうに、私に言いました。私はこの日からずっと、地獄にいるような気持ちでいました。だからせめて、隠れて彼に回復魔法をかけるようになったのです。



でも、回復をかけるたびに、彼からお礼を言われるたびに、私は胸が引き裂かれるような思いがしました。



彼は、間違いなく、最後の戦いで死ぬつもりでいるということがわかっているから。私は、彼が死ぬ手助けをしているようなものです。



ああ、ゼム様……。私の信仰は、もはやあなたのために。私の祈りはもはやあなたのために。私の命も、あなたのために……。



あなたを決して、一人では死なせません……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ