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vs魔王 ひと月前 part1 (side 聖女)

「……ゼム、いい加減にしてくれ……」


勇者ヴィオラが、全身からバチバチと闘気をほとばしらせている。


きっかけは、今日の戦闘時のことでした。




魔王側についた毒竜を討伐するために、私たちは魔王領の毒竜の洞窟へ向かいました。


その戦闘中、

「あともうちょっとで削り切れる!マリー!」


「っしゃ!任せろ!」


毒竜の動きが悪くなったのを見て、ヴィオラがマリーに突撃の指示を出しました。




「愚か者め……餌にまんまとかかりおったな!」


毒竜から、即死級のブレスが発せられたのです。



「マリー!!」と私たちは叫びましたが、マリーはもう、紫色の煙の中に包まれてしまいました。



「そ、そんな…マリー…」

ローズが杖を取り落とし、ガクッと膝をつきました。


そして霧が晴れるとーーー



何もなかったかのようにマリーが毒竜にトドメを刺していました。



「グオオオオォ!!!」



「マリー!すぐ回復を!」


私がマリーに飛びかかるようにして回復をしようとすると、



「いや、それが、マジでなんともないんだよな…」


「アンタ、鍛えすぎて耐性ついたんじゃない?」


「そうなんかなぁ……つーかなんでオマエそんなかっこしてんの?あ、もしかしてオレのこと心配しすぎて腰抜けたとか?」


「〜〜〜〜!!!!」


「図星かよ!」



私は結局、みんなに簡単な回復を施して終わりでした。そんな和気藹々とした雰囲気でしたが、


「そういえば、彼はどこだ?」

ヴィオラがゼムがいないことに気がついたのです。



「アイツ、また逃げたのかよ!」


「ほんっっと!信じらんない!!」



私も、もし逃げたのであれば、最低だと思います。ですが、



彼は本当に、逃げたのでしょうか……






私が彼に疑問を持ち始めたのは、数ヶ月前、神霊の森でのことです。


精霊の幻惑により、道を外れた私たちパーティの前に、ユニコーンが現れたのです。


ユニコーンはご存知の通り、神聖な気を好み、不浄な気を嫌う性質があります。


そのため、彼は、

「げっ……ユニコーンかよ……!」

と、ユニコーンから離れて歩いていました。



全員、内心では、(不浄だからな……)と思っていましたが、わざわざ口にはしません。




しばらくして、その日野営をする拠点を定めました。


彼はいつものように、私たちの野営とは離れた場所に自らの寝床を用意していたのですが、ふと気づくと、ユニコーンが彼の寝床に近づいていたのです。




私は、このままではユニコーンが彼に害をなし、彼がユニコーンを傷つけてしまうと思い、



「そちらに行ってはいけませんよ」

とユニコーンを私たちの野営へと連れ戻しました。



少しして、眠りについたのですが、ふと目を覚ますと、ユニコーンがいません。



(どこに行ったんでしょう…まさか、彼のところへ!?)




私は慌ててテントを飛び出し、彼の野営の方へと急ぎました。



すると、彼は、テントの外で、ごくわずかな火を焚いて、座っていました。



そして、その後の光景に、私は目を疑いました。



ユニコーンが彼に回復魔法をかけ続けているのです。




「ありがとう、だいぶ楽になったよ。ほら、あの子たちのところに戻りな。君といると、色々まずいんだ……」



この時、私が彼の前に飛び出して、彼の隠し事を聞いていれば、こんなことにはならなかったのかもしれません。



ですが、この時の私は、目の前の光景を信じることができず、ただ、立ち尽くしていたのでした。




その後、私は気づいたら私たちのテントにおり、ユニコーンもすぐそばにいました。



これは後から知ったのですが、私の存在に気付いたユニコーンが、安眠の魔法をかけて、私をテントまで運んだのです。




そして、私は、この夜の出来事を夢だと判断してしまったのでした。

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