守護騎士と邂逅 part2
ボクっ子勇者はもうダメだ。
それでも俺っ子格闘家なら…
ふとマリーを見ると、彼女はいつのまにか短刀を用意して自ら腹を切ろうとしていた。
「どわああぁぁぁぁぁぁ!!!何してんの?!!?」
慌てて短刀を奪うと、彼女は虚ろな目で
「え?だって旦那さま、オレのこと許せないだろ?オレ、旦那さまに、たくさん酷いことしちゃったから。だ、だからゆるしてもらえなかったら、しのうって…きめてたの……さいごはみててほしかったから……」
オイオイオイ死ぬわコイツ。
こういうタイプのヤンデレはヤヴァイ。
なぜかって?元々がまっすぐだから、こういう奴の死ぬは死ぬ死ぬ詐欺じゃなくてガチ。死ぬ死ぬガチだから。
「いや、死なないでくれ…頼むから……あと、ヴィオラもそんなに謝らないでくれ」
「ゆ、ゆるしてくれるの?」
「だんなさま…?おれ、いきてていい?」
「いや、そもそも俺が悪いんだ。君たちを騙してたんだし、君たちを護るために死んだんだから死んでほしくないよ……俺はあの戦いで生きて帰れるとは思ってなかったから……」
こうして生きていられるだけで十分だって言おうと思ったら、ローズがこれまた真っ暗な瞳をして声を出さず涙を流している。
「あ、ぁ…しぬ、つもりだった、んですか?」
あれ?ローズってツンデレ剥き出しの女の子だったはずなのに……めっちゃ敬語だ。
「いや、みんなを護れるなら、俺一人が犠牲になるくらい……」
突然の慟哭だった。
「あ、ぁあぁぁぁぁ!!アタシは、アタシはそんなひとにむかって!しねって!しねっていっちゃったああああ……!!」
ローズが崩れ落ちる。
絶望が顔に浮かんでいる。
これにて確定したことがある。
うんこれ、全員病み堕ちルートだ!!
いや、ヤンデレ、好きだけどさ、リアルで見るとなんか、こう……幸せにしてあげたいよな。
「ローズ」
ローズはびくりと肩を跳ね上げると、俺の顔を見た。
その顔は後悔と絶望でぐちゃぐちゃになっていた。
「ヴィオラ、マリー、アイリス」
みんなの名前を呼んだ。
「とりあえず、ご飯を食べよう」
空腹の限界であった。




