夜遊びのうた
こういうのは初めてなんですが、是非楽しんでいってください
実力不足なんで、ご指摘があればよろしくお願いします
LINEの通知が鳴る。秀矢からだ。
『今夜、暇?』
ため息混じりに、私は返事を打つ。
『うん』
『じゃ、いつものとこで』
・・・ほんと、馬鹿みたい。
彼と私は、付き合ってはいない。所謂身体だけの関係。
5年間愛し合っていた元彼にふられて、心が滅入ってしまった私は、出会い系で取り敢えずセックスだけの関係を探した。そして、彼と出会った。
特に魅力に感じたことはない。もうどうでもよかったからだ。
最初との彼との一夜は、気持ちよかった。なんの愛もなく、ただ快楽に身を任せておけばよかったのだから、とても楽だった。
* * * * * * * * * * * * * * * * * *
「そういやさ、いつも思ってたんだけど、その肩とか腕の切り傷なに?」
「・・・ああ、これ?これは・・・昔に出来たんだ。小学生くらいの時かな?」
「ふぅん・・・リスカとかじゃねーよな?」
「まさか」
そう、私はリストカットなんてしない。そんな馬鹿な真似、誰がするのか。
にしても、突然どうしたのだろう。そんなことを聞いてくるなんて。
もしかして、気があったり・・・なんてのはないか。これはほんの冗談。
それにしても、何かが足りない。こんなただの快楽じゃ、何か足りない。
でもじゃあ、私が求めているのは何?
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事が済んだ後の翌日、ホテル帰りに朝日を見た。秀矢と二人で。
思い出すのは、元彼との思い出。確か、この辺は彼とも通ったっけ?
分岐点に来た。私は右に、彼は左に。
過ぎ去っていく彼を見て、私はいつもの胸騒ぎを感じた。
「あ・・・また・・・」
シャワーで身体を洗う。まだ首筋に彼の跡が残っている。
洗い流すのは、彼の匂い。それでも、なんだか落ちた気がしない。
次に下半身。流したのはこれは彼との結晶の跡。
堕ろした時の罪悪感。
そこで、ふと気づいた。そうか、私は、痛みを欲しがっていたんだ。
私は小学生の頃、父から暴行を受けていた。小学生にして、男というものを教えられた。そんな父は、突如として私の前から姿を消した。
私の元彼は、私によく暴行を加えた。身体を縛られ何度も殴られたり引っかかれたりした。今でも、縄の跡が背中に残っているし、腕にも傷跡が残っている。
そして、そんな彼との間に、子供が出来た。途中から避妊具をつけずにされたからだ。腹は痛み、動けなくなっていった。
そんな私を見て、彼は別れを切り出してきた。
中絶用の金はやるから、もう別れると。そして、私の返事を待つ間もなく、彼は私の口座に金を落として、消え去った。
残された私は、命を奪うという罪悪感を抱えて、堕ろした。残ったのは、今までのような痛みのない虚しい生活。
おかしいのは分かっている。けど、男性から痛みを与えられて、一生いてもらえるのが、私の夢。
口だけじゃない、ちゃんと中まで見てほしいの。