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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

肝試しというちょっとのスパイスでVロード5秒前

作者: 浪速

 人は死の危険を感じた時、性欲ファーストになる。何故なら、自分の遺伝子を残そうという本能が発動するから――――。

 この都市伝説? がガチなら、付き合って3年3か月4日で絶賛倦怠期中のワイらカップルも、ゲンティー(彼)はバッキボキ、あーしは(彼女)大洪水待ったなし!

 という目的で、肝試しを敢行した。

 地方都市在住のTHO(トップ非モテオタ)が床オナ千日行(達成するとフェアリーゴッドになる)で辿り着き、そしてたんぱく質の不足で逝ったという某山中の廃寺が目的地である。

 山道の近くまでカーシェアで乗り付けて、24時出発のナイトウォーク、田舎なので街灯ゼロで、頼みは手持ちの懐中電灯のみ。

「言うてどうせ霊とかおらんし藁」

 みたいな舐め腐ったワイらではあったが、シチュ自体はなかなかに怖かった。何せ鈴虫以外は、自分らの立てる足音ぐらいしか音がしないのである。自然、安心したくて手近な物――――ゲンティーとワイはお互いのボデーを握り込む形にはなるが、この時はまだ双方とも、性欲は高まっておらず(先様の股間チェックしたところ、盛り上がりは無し。夏用の薄い短パンなので、もしそうなったら分かるのだ)。怖さはなくても、肉感的彼女様ワイのP乙とか当たってるんだからワンチャンどころかツーチャン、スリーチャンは反応あってもよさそうなモンではあるが…。

 ともあれ、小一時間程で件の神社に到着。

 界隈では有名な心霊スポットだけあって、それなりに不気味で、怖くはあった。野生のグラフティーアーティストでもやって来たのか、建物に、鬼が人間を拷問しているヘタウマ系の地獄絵図がびっしり書き込まれているのである。

 そして、THO(トップ非モテオタ)が床オナ死したというグラウンド・ゼロに先様の家族が建てた慰霊碑があり、「リア潤カップル参上!」と落書きをした上でセルフィ―。

「イェ~イ床ニキ見てる~?」

「ワイらこれからホテル帰ってS〇X三昧で~すwwww」

 と、指で卑猥な形を作ってみたり、エアフ〇ラポーズしてみたり、ひとしきり霊を煽ってみたものである。

 そして水の代わりにローションを慰霊碑に掛けてあげ、AVの喘ぎ声をお経風に加工した音声を流して、性欲増進、帰り道の無事を祈ったのであった。

 

 帰路について5分程経ったか、

「のう、電気消してみんか? 人間、闇の中ではプリミティブな欲求がガン増しするらしいから…」

 と、ワイから性欲増進を目的とした提案。

「えーッ、足元見えんくなったら危ないやんけ」

 明らかに乗り気でないゲンティー。

 そらそんなのこちとらも分かってはいる。しかし、ユーの息子が元気なさ過ぎだから、仕方なしに言うワイの涙ぐましい努力が…。と思うと、怒りが込み上げて来たが、ここはグッと我慢。先様は不貞腐れると突拍子も無い事を言い出す危険性が高く、テキトーにおだてとかないと最悪別れ話まで行って、リカバリーが非常に面倒なのだ。正直、当方としてもぶっちゃけそこまで惜しくもないのであるが、スタイルだけはワイ理想の身長194㎝、チン長は(自粛)㎝と、理想のボデーなのである。先々、よりよい彼氏グレードアップ(適当)候補を見つけた時、しっかりロックファック――いや、ロックアップする為にも、定期的なセクササイズでワイ自身を鍛えておく必要があり、ミートポール(肉・棒)10本刀の一つとして、ある程度本気で確保しておきたいところではあるのであった(じゃんけんポン、ミートポール、ポン!)。

 先様は嫌がっとるが、ワイのマンマ(隠語)は辛抱たまらんので、「あっ、懐中電灯調子悪い! 電池切れたんかの~(棒読み)」という流れで、ワザとスイッチ切った。

 俄かに不機嫌な感じになるケンティーであったが、それでも疲れからか、ノー抗議状態。このままルーテホ行ってベッド背負い投げ、地獄車、地獄極楽落とし(隠語)出来そうな条件は整いつつあった。

 しかし、

『お前らみたいなブス・ブサイクカップルが一番ヘイトホイホイなんじゃゴルァルァ!!!!!』

 という、テレビで匿名出演した人がよくされる音声加工みたいな叫び声が聞こえてきたのであった。

 キタキタキタキタキタキタ! わざわざこんなとこまで来て非モテ霊を煽った甲斐があったった~ン! 

「キャハ~ン! 怖過ぎて何か湿ってきた~ン、尿じゃない何かで(直球)」

 と、性欲バーストアピールしたワイであったが、床オナ霊の這いずる音が聴こえて、実際後ろ振りむいて目視出来るに至り、割とガチでヤバそうな感じにはなってきた。顔色こそ真っ白いが、典型的な長過ぎロン毛+眼鏡+小太りとかいう絵に描いたようなキモオタがこっちに這いずって来てるのである。

「はよ逃げなアカン! 野郎、何か光り物持っとるで!!!!」

 そう、彼奴は剃毛用の剃刀二刀流でこちらに迫っていた。

 しかも結構速い!

 万が一を考えてミュールとかじゃなくてスニーカー履いといて大勝利! かと思いきや、

「じぇっ! 走り辛ぇ~ッ!」

 と、奇声悲鳴を上げたのはゲンティーであった。この大自然の中で、サンダルを履いてきていやがるのであった。

 それでもゲンティーは元サッカー部だけあって、何気に身体能力はそこそこ。サンダルのハンデが付いて、却ってワイとの速度差が調整され、並走するには丁度いい感じではあった。

 いざという時に備えて、ゲンティーを肉盾にして時間を稼げるようにすべく、いつでも先様を両手に横背負い投げ(錯乱)出来るようなアームポジションにするワイ。

 にしても、床オナ霊の癖に、彼奴は正直かなり速かった。すぐ50mぐらい離れてるので即ゲームオーバーにはならなそうなものの、ワイらが全速力にも関わらず、何か差が縮まっているようなのである。

「アカン! 何とか霊の速度を落とさんと!」

「――――せや! 霊の性癖や! それでFB(フル〇ッキ)させたらやで、摩擦抵抗がデカなって、絶対落ちるやろ!」

「そうか、ほならイクで! ――――熟女! 幼女! マッマ! 桶専! 巨π! 離れπ! 垂れπ! デブ! ST! マッマ! 聖水! J〇! J〇! JD! 制服! セーラー! ブレザー! OL! モンペ! NTR! マッマ! バッバ!」

 等と思いつく限りの属性をテキトーに連呼したところ、

「ん“ん”ッ…………!!!!…。…」

 と、くぐもった声がしたかと思うと、停止した床オナ霊。下半身を中心に、接地面にジンワリと光る乳白色が染み出していたものである。

「イヤッホウウウ0721サポートミッションコンプリート!」

「何が刺さったんやろな~、やっぱマザコンネタかな」

 等と感想戦に勤しむワイらであったが、白き光に包まれた床オナ霊が立ち上がったかと思うと、手を合わせ、お経の読み上げ的なムーヴを開始。

「大賢者モード…発動…人食いベア…召喚…」

 と言ったかと思ったら、いかにも腹ペコ風な、体長2メートルぐらいの熊が出てきたものである。

「えーッ! これガチでヤベーやつやんけ!」

「霊がなまもの呼んじゃアカンすよ!」

 と、ブーイングするワイらだったが、何かそれで状況が変わるなんて事は勿論無く、これまで以上に加速してダッシュ逃亡。もはや振り返るのが厳しいレベルだったが、

「ぱぁう!」

 気合を入れるゲンティー。繋ぐ手に力が込められ、それだけワイの事を守ろうと、大事にしようとしてる可能性が巨レ存…?

 ならば、全力のセンチメンタリズムでアンサーする、握った手の親指で、「ぶじに にげきれたら けっこん しよう そのまえに きょうこれから せくささいずしよう」と、書いてあげたものである。

「ンゴッホ!」

 という謎のアンサーを寄越したゲンティーは、急にワイの腕を引っ張る感じで加速。

「ちょ、待てよ!」

 と、思わずキ〇タクモードに突入したワイは、不意を突かれて懐中電灯を落してしまい、いよいよ真っ暗闇である。

 だが、後方のベアの気配は何故か消え、迫って来るのは白く濁り発光する床オナ霊のみ。

「よしゃ! 熊がやる気無うになったからイケるで多分!」

 ゲンティーの手を力強く握りながら宣言するワイに、

「ンガポコ! ヒュッヒュー、パラッポ!」

 と、謎の呪文アンサーを繰り出すゲンティー。

「わーった! まじないで浄化しよういうアレやな! ワイも乗ったるで~ッ! 淋! 病! 闘! 病! 辛! E! S〇X、ド〇ッ愚! 梅オレ〇ス!!!!」

 と、何が効いたのかは分からぬが、床オナ霊の光は失われ、賢者モード解除。従前通りの匍匐前進となり、「07盛りの僕たちへ…ちょうどいいブサカップルセクササイズの記憶接種で1週間分ぐらいはネタ供給完了…既存とローテ組めば1か月はイケる可能性が微レ存…?」と呟いて、レコードのようにくるりとターンし、帰っていったのであった。

「ファーwwwwカッタデーwwwwワイらの呪いの結晶! 婚前共同作業大成功で、シャイニングバージンロードが見えた(確信)」

 と、大歓喜絶叫したワイは、ゲンティーに立ちだいしゅきホールドをカマそうとしたところ、あまりの手応えの無さにエアホールドしながらツーケー直落下。

「ちょ、待てよ!」

 と猛抗議も、ゲンティーは答えず――――――――そう、答えられる状態ではなかったのだ。何か気付いたら、右手首だけになっていたのである。

「ファーーーーーーーーーーーーーーーーーックマーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 そう、退散していたと思ったベアはワイらに並走し、ゲンティーをムシャっていたのであった。ゲンティーの呪文みたいなアレは、喰われサウンドだったのである。

「なろーッ! 絶対許さんッ!!!!」

 と思ったものの、先様はやはり非常に強く大きく獰猛で、ワイはゲンティー(残)に、秘蔵の高額お楽しみお薬(意味深)をヌリヌリして遠くに投げ、ベアがそれに気を取られている間に逃亡、無事離脱したのであった。(完)

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