吉仲
私は昔は吉仲と名乗ってた者、色々本来助けては成らない人を助け、まあ知らなかったとは言え仕方がないし、それが御縁に成ったし。
アレは霧の深い日だった、私は縦縞の青い外套を身に纏い本来の任務の予定では無かった世界、破滅する世界に間違えて来た、まあウッカリですがなにか?
私は街道で今にも自殺しそうな雰囲気の、一家? に遭遇して話を聴いた・・・どうやら、娘を拐われ助け出したが手遅れで助けて数日後に、長女は亡くなったらしい。
それに隣国では巨大ゴブリンらしき、災害モンスターにより国は滅び長女の親友も行方不明、長女・・・アリシアを助けられなかった悔いが有り、一家三人で何処か静かな場所で娘の遺品と共に、静かに暮らしたいらしい。
「それはお悔やみ申します」
「・・・なんでアリシアが、こんな目に・・・」
「お姉ちゃんには、色々と私のお気に入りパンツの無くなった事を、問いただそうとしたのに・・・」
「「・・・・・・え!?」」
赤毛の百合の花の様に可憐な、中学生位の娘の言葉に両親の表情は凍り付いた。
「お姉ちゃんの行動妖しかったし・・・」
「そう言えば、私のお気に入りのショーツも減ってた様な・・・」
亡くなった娘さんは、何がしたかったかは知らないが、その疑問を解決は可能だと思う。
「あなた方に出会ったのも何かの縁、私はネクロマンサーではないですが、私は失われた魔法や秘薬の知識が有る者でして」
何故か不思議そうな顔をされたので続ける。
「その秘薬の中に死者の蘇生させる秘薬も在ります・・・」
「・・・何かの宗教勧誘ではないよね?」
神が身近に居るファンタジー世界で、何故か宗教勧誘と疑われた。
「秘薬なんで、宗教とか関係無いんで・・・」
「・・・すまない、昔とある国の頭のオカシイアークプリストから、しつこく石鹸や女神の水とか訳の分からないので勧誘されて、それ以来トラウマなんだ・・・」
それは御愁傷様としか言えないが、迷惑な何処かのアニメファンタジーの、駄女神の信者レベルだなそれ。
「秘薬は死んだ細胞全てを回復しますので、臭い以外は御安心下さい」
(それって生き返っても、臭いは何とも成らないと?)
(生き返っても、娘の死体の時の臭いは何とか成らないのね・・・)
(お姉ちゃん・・・救出された時もイカ臭かったのに、生き返っても臭い何て・・・日頃の行いだよね)
説明を終えると何故か、一家三人は何とも言えない顔をして居た。
「どうしますか?」
「「「生き返るなら!!」」」
三人に朝もまだ暗い中で、共同墓地に案内され魔法で一瞬で墓を掘り、棺を浮遊板で浮かばせ地面に置き、棺の蓋を開けると不健康げっそり肉体の赤毛の中学生位の子の遺体が有った。
「もうすぐ十六歳前の子かな?」
「・・・アリシアは今年で十八に成る前に・・・」
「ちなみに私は十五歳です」
聞いてはないよ? あと長女のアリシアさんは、げっそりして身長も──も小さいから、分からなかったが本当に遺体の年齢は十七歳だった。
「不死鳥茸と不死鳥の再生エネルギーの効果の翼と、ナンヤカンヤ混ぜたこの秘薬」
(((ナンヤカンヤに不安を感じる)))
ゴム手袋をして無理矢理口を開かせ、秘薬を口に流し込んだが溢れても問題はないが、何か背後から殺意に近い圧を感じた。
「では蘇生が始まる前に、もう一人蘇生させますかね・・・」
「そこは罪人の・・・」
私は無視をし放り投げられた、グロテスクに首が切断された以外にも、排泄物やゴミと一緒の扱い方の様に棄てられた遺体を見る、また再び彼女の顔を見るとは、それにしてもこの世界では処刑をもうされてたとは。
「助けて欲しいか?」
とある者に問う。
「それは娘を誘拐した主犯の娘、その娘を生き返らせるなら貴方を斬る・・・」
憎しみと憎悪の瞳で剣に手を掛けてたが、私は構わず首を再生させた、近くでは中途半端なゴーストが二体と完全なゴースト一体が喧嘩して居た、まあ一人は完全に蘇生不可能だな・・・美少女なのに・・・まあ、三人共にペッタンだが。
「貴方はこの娘に二つの名前が在るのをご存知ですか?」
「? 何を言っている・・・」
「普通は知らないよね、知る情報が少ないからね」
「だから何を言っている?」
怒気と憎しみと混乱が混じった声で、アリシアの父は言う。
「彼女はこの国の、王族の血脈の親族だけど?」
「「「え!?」」」
『え!? 私が』
『嘘! レキリアが?』
『あのレキリアが?』
まあ知らないわな、どんな世界だろうとね。
浮遊板で引き揚げ汚い色々を流し、茫然とする三人と三体のゴーストが此方を見て居る。
ゴーストはお互いの髪を引っ張り合って居るが、一体は早く身体に返って欲いもんだ。
「彼女の母親の事を知ってる貴方なら、分かると思うが」
「この娘の母・・・・・・あっ!」
どんどんと顔が青ざめる男性、それを知るのは国王でさえ少し時間が必要だったからね、この世界以外は生存してるし他では、本来の家族と幸せに王都で幸せに暮らし何故か、雅史と結婚してたりバナージて王の、第4王妃にも成ってる。
「──でも何故か貴方は知ってるのですか?」
「企業秘密ですが、此からどうしますか?」
色々混乱してる三人と三体、墓地に長いは良くないので亜空間拠点に、三人と三体と二遺体をご招待した。
「何だ此処は?」
「企業秘密です」
「「・・・・・・何か色々居る」」
『ハーブとか色々ありそう』
『肉体無いから無理でしょ』
『残念でしたわね、シャロさん』
『煩いわよレキリア!』
拠点の穏やかな牛やこの前偶然助けた、バナージ君は身体を鍛えるために特製木刀で素振りをし、その妹のフローラちゃんは何故かカールと遊んでるし、フランソワーちゃんはハイエルフの青葉とルルリエと談笑してるし、マリーは手を振り笑顔で来るが途中でズッコケてるし、可愛いなドジ子二十歳のマリーは・・・
「お帰りなさいアナタ」
「・・・・・・全くマリーは、何時に成ったら吉仲て呼んでくれるのかな?」
「旦那様はアナタが鉄板よ」
「・・・・・・まだ彼女でも無いが・・・」
「酷い・・・私を誑かしたのね」
誑かした覚えは無いが何か、マリーの演技は大根役者の様な演技だな、マリーは新たな人の視線に気付き、本来の王族的な挨拶をする。
「初めまして、私マリーと言いますわ、新たな住民さん」
白いスカートを両手で摘みながら挨拶をするマリー、その変わり身に私以外全員唖然とする、まあバナージ君達は仕方無いよね、まだ二回目の光景だし。
「・・・・・・え!? 住民」
「え? 避難して来た新たな住民では無いのですか?」
マリー達に事情を話し、バナージ君やマリーの自己紹介をしたら、三人と三体は気絶したが、ついでにゴーストが遺体に入ってくれた。
秘薬を片方にも飲まし、気絶してるゴースト一体には魂が無い銀髪の少女の身体を融合させた、まあ体型も胸も同じだったから融合出来た、そして巫女服姿の黒髪で自称上司の親戚の、人間の身体に意思の一部を渡して私の奥さんに成りに来たとか、訳の分からない事を言う見た目美少女だが、訳の分からない残念な人物が来た。
「ヨッちゃん、新しい空間を広げたよ」
「ありがとう、時見さん」
「えへへ、コレ位容易いよそれに、私はヨッちゃんの正妻だから」
「違いますよ、私が本当の正妻ですよ時見さん」
何かマリーと時見さんの二人の間に火花が見えるが、気にしてはいけない。
私はモテない見た目なのは、人生経験で思い知ってるからだ。
その後九人も住人に成り、バナージ君の鍛練も含め色々な世界のゴブルリン退治に行った。
ゴブルリンの本体は他の私が倒したが、色々な世界に女性とかを襲い繁殖したゴブルリン分体を退治をし、私と同じく雑魚退治をしてた一人が辞め、雅史が宇宙に行った世界達の尻拭いをバナージ君とフランソワーちゃんや、マリーと青葉とルルリエに相棒のドラゴン戦士バートランと、驚異に成るモンスターを狩り後は現地の人間の、技術アップの為に色々な冒険修業道場を置いて来た。
一応クリアーするとモンスターにしか使えない、強力な魔法が手に入ったりモンスターとの戦いが、楽に成る回避スキルが付与される道場にしてある。
その代わり使えるのは、雅史の血を引かない者や雅史のチートを引き継がない人や、雅史の弟子は受けなくても大丈夫なので、現地人や異世界のチートが無い人間に限る事にした。
そして全てが終わりバナージ君は新たな新天地に、彼女達を連れ国を造ると旅立つが、時見さんの本体が創った三番目の世界にバナージ君達は行った。
「寂しく成ったね、ヨッちゃん」
「時見さんは何故まだ居るの?」
「そうよ、私と旦那様の新婚生活が始まらないわ」
「──私はヨシさんに蘇生して貰ったから、一緒に居られれば三番目でもいいよ」
何故か私の側には時見さんと、マリーとフランソワーにアリシアに青葉とルルリエが残った・・・いや、物陰からフローラちゃんも何か此方を見て何か呟いてるし、何故かカールはバナージ君と一緒に行ったのにフローラちゃん、何故残ったのかな?
「ヨッちゃんの妻だからだよ」
笑顔でそう答える時見さん、どうやら私は決断を今日も迫られてるらしいが、何か今日は全員何かの覚悟をして此処に居るみたいだ、ややピリピリした空気が重い・・・今回は逃げる事はダメらしい。
私は覚悟の時が来たらしい、出来れば妻は一人の方が養えるリスクが少なくって良いが、どうやらハーレムルート以外の逃げ道は塞がれてる。
笑顔で周りを包囲され私は決断し、私と時見さんが考えて時見さんの本体が創造した世界で、家族に成って暮らした。




