これは夢?
拝啓お母さん…私…娘は大学入試一日目で事故られ
死んで異世界に転生してしまいました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「もう!なんでよーーーーーーーー!!!!」
ねぇアホなの?やっと憧れの大学に入れると思って
登校していたら、車突っ込んでくるなんて!
おまけに知らない世界だし!!
ってかここどこーーーーーー!
はぁはぁ……叫び疲れた。
もうそんな年かな?だから頭も重いのか?
私は頭に手を当てようとした。
しかし、頭に手は触れる事はなかった。
いや、一様、触る事はできたが、自分の髪の毛のような感じではなく
むしろ……《ふわふわ》している。
えっ、何も知らない世界に来たら髪質まで変わる?
普通なのこれ?(泣)
『たぬぬ?』
「えっ?」
周りにはだれもいない……
と言うことは…
「頭…から?」
私はゆっくり頭に手を置き、いきよいよく、頭に乗っかって
いる「それ」をとった。
頭の上に乗っていた「それ」はたぬきだった。
「たッたぬき!?」
ずっと頭の上にたぬき乗ってたの!?
なんで気づかなかった自分!?
いや……現実逃避しようとしてたんだな…自分
ってか
「可愛い!!」
「たぬぬ?たぬ?」
小さいから子たぬきかな?
たぬきがこんな近くで見られるなんて……
そうだ!
「スマホースマホ」
あったあった。上着のポケットに入れてよかった。
よかった〜。写真撮りたかったんだよね。
バックとか身につけてない物はこっちの世界に持って来れなかったみたいだし。
ピロン
機械質な音がスマホから聞こえた。
ん、なになに?「ミリ」のアップデート完了?
私そんな事したっけ?
「たぬぬぬ?」
「ん?何でもないよ。たぬきちゃん」
初めて見るスマホに興味深々みたい。可愛いなぁ。
どうせならアップデートした「ミリ」使ってみるか
「ヘイ、ミリ、カメラをお願…い」
「まずは身の周りの事に気をつけましょう。馬鹿マスター」
はっ?今、完全に馬鹿にされたような?
いやいや、たかがスマホのコンピュータ「ミリ」
そんな事言わないでしょ。
「ヘイ、ミリカメラを…」
「もう一度言います。マスター貴方は馬鹿ですか。
まずは自身の状況を考えて下さい。」
「やっぱり、会話できてる!?」
「たぬぬ????」
どう言う事!?今までこんな機能なかったのに!?
まさか異世界に来たせい?
「何を言っているのですか。
早くこの場から離れましょう。」
「えっ?どう言う事?」
「ここはモグリッタ草原、ゴブリンの住処です。
急いで逃げましょう。」
もし「ミリ」の言っている事が正しい事なら……
「たぬきちゃん、一緒に逃げよ……」
あれ、なんだろう?あそこだけ土埃凄い様な?
「ウガァーーーー」
「ゴッゴブリンダァー!?」
早く逃げないと!?
「マスター早く早く逃げて下さい。」
「たぬ!たぬ!」
生命の危機!
「たぬきちゃん、ちょっとごめんね」
「たぬ!?」
私は一匹と一つ?を抱えて走り出した。
……今思えば物語はここから始まっていたのだ。
この時の私はそんな事も知らず、ただ走っていた。
これは一人と一匹と一つの物語である。
「元陸上部舐めんなよーーーー!!」
「ウガァーーーー!!!」
「ギャーーーッ。やっぱ怖ーーーい」