ポンコツ勇者、花火(爆発)を打ち上げる
高校生の書いた拙い文章ですが温かい目で見守っていただけると幸いです
俺は彼女がわたあめを食べ終わるのを待つ
幸せそうにわたあめを食べる姿はずっと見ていられそうだ
彼女は食べ終わり少しすると立ち上がった
俺も立ち上がり彼女の頭に手をぽんと置く
俺は身長が176あるが、彼女は俺よりそこそこ低く、おそらく155くらいだと思われる
髪は元は金色だったのだろうが、くすんでしまっている
やはり環境のせいだろうか
表情は先程よりかなり明るくなっていて、普通に日常会話も出来るようになっていた
なので二人で話ながら帰る
「じゃあハヤト様は18なんですね」
「ああ、リーンは?」
「私は17です!立派な大人です!」
「この世界って成人は何歳なんだ?」
「15歳ですが…ハヤト様のおられた世界は違うのですか?」
「俺の世界は20だったな」
そんなこんな話していると気がついたら家の前まで来ていた
リーンは我が家を見て驚いている
いや、なんか諦めた表情にも見えなくもない
「ただいまー」
鍵を開けて中にはいる
誰もいないがとりあえずただいまは言っておく
「お、おじゃまします…」
「ダメだな」
「え?」
「ここは今日からリーンの家でもあるんだぞ。だからただいまだな」
「はい…た、ただいま、です…」
「おう、おかえり、」
そう言って俺はリーンの頭を撫でてやる
嬉しいような、恥ずかしいような顔で彼女は撫でられていた
「なあ、リーン。この風呂ってどうすればいいんだ?」
「これは魔道具のお風呂ですね。魔力を込めると洗浄からお湯はりまで全部やってくれますよ!」
「へー、けど魔力ってどうやって込めるんだ?」
「込めたいものに手を向けて魔力を流すイメージをするんです」
よく分からないがやってみる
手を風呂の魔力を込める場所に向けて力を振り絞る
なにやら自分の中の何か違うものを感じる
おそらくこれが魔力なのだろう
俺は全力で魔力を流し始めた
“全力で”である
勇者であるハヤトの魔力はレベル1にして18953
これは一般人の100倍を余裕で越える
言い表すならば、勇者が魔王に叩き込む威力に相当する
「ハヤト様、強すぎです!爆発します!!」
「やべえ、止まらない…!」
俺は全力で制御しようとするが上手くいかない
そろそろ爆発するのが自分でも分かる
自分が傷つくのは自業自得だがリーンを傷つける訳にはいかない
俺はダッシュで家の外に出ると空に手を向けた
その瞬間魔力は空に放たれる
7色の美しい光が天に登っていき、
王都を揺るがす大爆発を引き起こした
街から悲鳴が聞こえてくる
ごめんなさいほんとごめんなさい
すると案内をしてくれた兵士さんが仲間を連れて走ってくる
「何があったのですか!?」
「すまん、魔道具に魔力を込めようとしたらこうなってしまった。悪い…」
「分かりました。私が王に報告しておきます。明日おそらく王城にお呼びすることになると思います」
「ほんとすまん、」
「いえ、魔力の操作を教えなかった我々にも責任があります。とりあえず操作を覚えるまでは魔道具に触らないようお願いします」
「ああ…」
げんなりして家に入る
リーンがプリプリと怒っている
「死んじゃうかと思いました!ほんと気を付けてくださいね!もう私が全部やりますのでハヤト様は触らないでください!」
「…すまん」
その後俺、リーンの順に風呂に入る
普通に気持ちよかった
今はリーンが出てくるのを待っているが、なかなか出てこない
そう思っていると彼女が脱衣所から出てくる
その彼女を見て俺は目を疑った
「だれ!?」
「リーンです!!」
そこには見た人だれもが可愛いというような美少女がいた
まだ動揺が抜けない
彼女がおもむろに口を開く
「魔道具のお風呂には洗浄という魔法が付与されています。そんな風呂なんてスラム暮らしの私が入れるわけありません。長年の汚れが全て落ちたのでこうなったのだと…」
「そっか、でも良かったな」
「なんでですか?」
「だってさ、今のお前見たらよ、誰もスラム出身だとは思わないぞ」
「!!!」
「まあ俺は眠いし寝るよ。リーンはここの部屋でも使ってくれ、じゃあおやすみ」
「お、おやすみなさい…」
俺はリーンの可愛さに耐えきれず逃げ出した
今晩はしばらくベッドの上で悶々とする羽目になりそうだ
そのときリーンは
「(これならハヤト様のお隣にいても恥ずかしくない!)」
密かにガッツポーズしていた
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