勇者でも頭から壁にめり込むこともある
高校生の書いた拙い文章ですが温かい目で見守っていただけると幸いです
案内の兵士さんに連れてこられたのはとある一軒家だった
王城からおよそ徒歩10分ほどの場所にある
一軒家と言っても広さが尋常ではない
もはや大豪邸と呼ばれるようなレベルである
「なあ、ここもしかして俺の家なの…?」
「はい、こちらが本日より王国でのハヤト様の拠点となります。必要最低限のものは中に揃っております。また、しばらくの分のお金も中の金庫にあります」
「うそーん…」
「こちらが家の鍵と金庫の鍵です。それぞれ合鍵を1つずつ付けてはいますが無くさないようお気をつけください」
「ああ…」
「では私は仕事に戻ります。何かありましたらすぐそこの兵の詰め所まで来ていただけましたら対応いたします。では失礼します」
展開が急すぎてついていけない
まずこんな大豪邸ほんとに貰っちゃっていいの?
住むよ!?(錯乱)
しかも金も?まだなにもしてないけどいいの?
使うよ!?(動悸)
しばらくして落ち着いたのでとりあえず家に入る
部屋が余裕で10を越える
明らかに独り暮らしする広さじゃない
むしろ寂しくて虚しくなるわおい
「ぎゅるるるるる…」
俺の腹が限界だと訴えてくる
よく考えると今日は午前中に召喚されてから何も食べてない
今はもう陽も落ちかけているというのに
しかしここで気付いてしまう
俺、家事できない…
料理をしようとすると、手から包丁がすっぽ抜けるし、レンジで何かを暖めると基本的に爆発する
掃除しようと掃除機をかけると、何かが詰まって掃除機が爆発する
洗濯しようとすると、洗濯機もなぜだが爆発する
母は俺をボマーなりテロリストなりと呼び、俺を家電製品に近付けないことに全身全霊を懸けていた
つまり俺に残された方法は外食しかない
用意して城下町にでも行くことを決めた
服をラフなものに変え、さらに金を持って家を出る
歩いて5分もすると店が立ち並ぶところに来た
生活用品店や食料品店、武器防具屋に飲食店、さらには怪しい感じの店もある
屋台が多く出ていて、まるで祭りのようである
最初は飲食店に入ろうかと思っていたが出店で肉の串焼きやポテト、お好み焼きもどきなどを気がついたら買いまくっていた
日本にあった食べ物もどきもかなりあった
故郷の味を再現するために東奔西走するラノベ主人公みたいなことをしなくて済みそうなので一安心だ
腹も膨れたし、陽も落ちて暗くなった
帰ろうかと立ち上がる瞬間、視界の端に灰色の外套を羽織った不審な人物を見つけた
そいつは路地裏に入っていく
気がついたら俺はそいつを追い始めていた路地裏は足音が響くので怪しいやつは俺に気づいた
そしてスピードをあげる
けど俺は勇者である
一般人の100倍以上のステータスの力をとくと見よ!
俺は足におもいっきり力を込めて一歩目を踏み出した
地面が爆砕し弾丸のように飛んでいく
身体は耐えれても俺の脳は急な加速に追い付けなかった
結果彼女の側を掠め、頭から民家の壁にめり込んだ
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