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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーアシュランス王国建国編ー
93/1227

2-12 お金稼ぎの循環と、回復薬革命の予兆。

宜しくお願いします。

――― R4075年7月14日(火)27:30


 俺は、エルドラドブランシュ(領主館であり俺の家)ファミリーエリア(北地区)3階にある自室寝室に居る。


≪カチャ


 マルアスピーが部屋に戻って来た。


「お湯を張っただけの湯船が温泉の質や水の質でこんなに違う物だった何て考えた事も無かったわ。フォルティーナが言うには私には硫黄成分の少ない泉質が良いらしいわよ」


「俺も肌に刺激の少ないここの温泉は好きかな・・・」


「どうしたの?」


「温泉から出た後のマルアスピーって、いつもの白さから一転してほんのりピンク色なんだなぁ~と・・・」


 マルアスピーは自分の腕や胸元を確認した。


「そうね」


 相変わらず、反応が薄いなぁ~


 俺は、マルアスピーから作業途中のビーカーに視線を戻した。


「ねぇロイク」


「はい、何でしょう?」


「何をしているの?」


「これはですね。(ソル)の祠の岩石に宿りし精霊ディシュネン様が(サチ)にやらせていた地属性の自然魔素水(まりょくすい)の実験です」


自然魔素水(まりょくすい)の実験?」


「所持している属性にあった自然魔素水(まりょくすい)を飲めば、回復水(ポーション)・【MP】よりも効率良く【MP】回復が出来るんじゃ無いかと思って」


「地には地、水には水という事ね。上手く行きそうなのかしら?」


「それが、地と水は成功したんですが、火と風がうまくいかなくて」


「水の中に火属性の自然魔素(まりょく)を溶かす。矛盾しているものね。風はどうして上手くいかないのかしらね」


「それが、風属性の自然魔素(まりょく)を溶かすと水の状態が不安定になるみたいで、こんな感じになってしまうんです」


 俺は、ビーカーの中の水に風属性の清澄魔力を溶かし込むと、


≪カーン


 ビーカーの側面を指で弾いた。すると、衝撃が伝わったビーカーの中の水は瞬く間に凍り付いた。


≪カーン


 もう1度弾くと、ビーカーの中の水は瞬く間にグラグラと煮え滾る。


≪カーン


 そして、ゲル状になった。


「少しの衝撃で水の状態が大きく変化してしまうのね」


「そうなんです。風属性が水に熱とか何か作用しちゃってるみたいで安定しないんです」


 マルアスピーが、俺の隣に腰掛けると、甘い香りが俺の鼻を擽った。


「この固形は何かしら?」


「・・・」


「ねぇロイク」


「あっはい。これはですね」


「それは、成功した地属性と水属性の自然魔素水(まりょくすい)に果汁や砂糖や塩やミネラルを溶かして、煮詰めて固めた物です」


「飴?」


「飴みたいな物です。偶然出来た物なんですが、ビーカーの水を全部飲むよりもこの飴1粒の方が【MP】の回復量が約3倍も高いみたいです。【HP】も100程回復するみたいなので、スカーレットの特産品にしようかなって。ハハハ」


「この小さな飴で、人間種達の【MP】が240近く回復して【HP】が100近く回復するのね。凄いわロイク。色々な味を付けて『ロイスピー』で沢山売ってお金を貯めましょう」


「ロイスピー?」


「はい。ロイクのロイと私のスピーで、ロイスピーです」


 ・・・何か微妙な名前だなぁ~


「まぁ~名前は今後でも良いとして、マルアスピーのJOBスキルでお菓子テーストにしたり、料理の神chef(シェフ)アランギー様に手伝って貰って携帯用の軽食テーストとして売り出したら需要があるんじゃないかな」


「そうね。甘いスイーツで得られる物が満足感や幸福感だけではなく、現実的な【HP】【MP】の回復素晴らしいわ」


 この夏、聖都スカーレットで売り出される事になるスイーツ型回復薬は、実は甘い物が大好きだけど人目が気になる男性陣やダイエットを意識する乙女?達の間で『そうだ、【MP】を補給しておかないと。いざって時に大変だ』『そうだ、回復薬で回復しておこう』を合言葉に大ヒットし、ロイの塩デザートに並ぶゼルフォーラ王国の名物デザートの仲間入りをする事になる。


 お菓子工房『ロイスピー』は、【MP】【HP】の回復のみならず、状態異常や一時的なステータス強化の効果を得られるデザートや軽食を次々に発表。人間種達の戦場や迷宮や訓練の休憩時の雰囲気を一変させた。厳つい装備に身を包んだお男達が、回復効率の良いロイスピー製のエクレアやシュークリームやプリンやクレープやワッフルやバームクーヘン等々を笑顔で楽しむ風景。スティックキャンディーや飴を口に含みながら詠唱する訓練が各国軍や各ギルド(協会)で採用させた。


 話は戻して、


「そういえば、岩石に宿りし精霊ディシュネン様からはその後連絡とかありましたか?」


「・・・」


「どうしたんですか?」


「気になりますか?」


「闇属性を吸収して地属性を放出する大地石水晶石(ソルクリスタル)を何処で手に入れたのか確かめておきたいじゃ無いですか」


「そ、そうね」


「今度は、俺も一緒に行きますからね」


「そ、そうね・・・」


「さて、そろそろ就寝にしましょう」


「そうね」


 俺は、ビーカーの水を飲み干し、飴を瓶の中に片付けるとベッドに横になった。


「私達って夫婦なのよね」


「創造神様公認の夫婦ですね。祝福やお祝いまで神授でいただいちゃってます」


 マルアスピーは定位置俺の右側で横になると、俺の腕に抱き付き瞼を閉じた。


「今日は、静かですね。いつもはベッドでの会話は大切なのよって、直ぐ眠ら無いのに?」


「フフフッ。今日は感じる日なのよ」


「何ですか?それ・・・」


「フフフッ」


「さてと、明日は朝食を済ませたら、研究施設で試したい事があるんで、もう寝ちゃいましょう」


「おやすみなさい。ロイク」


「おやすみなさい」



――― R4075年7月15日(風)10:00


 朝食を済ませた俺は、エルドラドブランシュ(領主館であり俺の家)の屋上にある研究施設に、マルアスピーとフォルティーナと居た。


「レミレリラスの短剣を見せて欲しいとはどうい事だね?」


「俺が手に入れたのは、純度が60%以下のレミレリラス鉱石何ですよね?」


「そうだね」


「なので、鉱石じゃなくて、フォルティーナの神純度。純度100%のレミレリラスをもう1度確認したいんです」


「何をする気何だね?」


「俺って、先日の神授で、コルト下界の万物の他に精霊域の万物を習得したじゃないですか」


「レミレリラス鉱石は神界や神域に存在する物で、下界や精霊界や精霊域には存在しないね」


「でも、現に迷宮で素材として入手出来ちゃった訳だし、魔界では大繁殖してるんですよね?」


「そうね。魔界の悪魔域や魍魎域の住民達が価値に気付き生成を始めたら、神界のレミレリラス鉱石の神具には遠く及ばなくても、コルト下界の武具レベルでは成す術も無いでしょうね」


「マルアスピーの考えは飛躍し過ぎだけど、この世界でもレミレリラス鉱石は入手出来るんです。純度が低いだけで」


「何が言いたいね」


「つまりですね。【マテリアル・クリエイト】『生成』レミレリラス鉱石 ≫」


 俺の前に、レミレリラス鉱石純度59%ミスリル鉱石純度41%の鉱石が出現した。


「ちょ・・・ちょっと待つね」


≪パチン


 俺達の前に、ミスリル鉱石純度100%が出現した。


「やっぱりだね。あたしにはレミレリラス鉱石の生成は出来ないね・・・ロイク、何をやったね」


「先日回収したヴァンアヌトン(風黄金虫)の外骨格は、悪魔域のカゼゴキブリ(・・・・・・)な訳です。悪魔域や魍魎域つまり魔界の魔獣の素材って事ですが、この世界の理の中に存在しちゃってる以上は俺が認識さえしていれば生成可能なんじゃないかと考えて、試しにやってみたらこんな感じです。で、次です」


「次とは何だね」


「マルアスピーの家つまり、大樹の聖域の中の精霊樹の精域にマルアスピーが幼い頃から日常的に使っていた物があるんですが、それレミレリラス鉱石を素材にして作られた物だったんです」


「私も驚いたわ」


「なるほどだね」


「タブレットで道具の整理確認をしていたら、レミレリラス鉱石を使った道具が数点あって変だと思って確認したら、マルアスピーの家の中にある物だったんです」


「夫婦共有の財産としてタブレットが管理した物という事だね?」


「えぇ」


「マルアスピーの物まで俺の所有物になってしまうのもどうかと思いましたが、あくまでも実験として、試しにそれを取り出して確認してから生成してみたんです。【タブレット】『取り出し』レミレリラス鉱石のスプーン、フォーク、ナイフ、ピック、箸 ≫」


≪・・・道具・レミレリラスよりスプーン13個、フォーク13個、ナイフ13個、ピック3本、箸13膳を取り出しました。


「おぉ~アスピーの家には、こんなに沢山レミレリラス鉱石が日用品のレベルであったのかね」


「えぇ」


「これは、純度が80%に届かない高純度手前のレミレリラス鉱石を素材にているようなのですが、精域に存在している状態からこの世界に存在する状態に変わった訳です。たぶん、どっちらか1つに存在している状態でも可能だったと思うのですが、俺が確かめた時点でこの世界に存在しちゃうので、精域だけに存在している場合の実験は改めてやった方が良いと思います。それでは、【マテリアル・クリエイト】『生成』レミレリラス鉱石≫」


 俺の目の前に、レミレリラス鉱石純度78%ミスリル鉱石純度22%の鉱石が出現した。


「・・・ロイク。君に相談があるね」


「なんですか?」


「ちょっと耳を貸すね」


 フォルティーナの胸が腕に当たる。


 ・・・う~ん・・・腕め・・・


「レミレリラス鉱石は神界神域でも希少な......



......あたしが神界のレミレリラス鉱石商人に売るね。純度100%なら1Kgはゴッドマネー(創造神金貨)100万枚以上だね。どうだね」


「創造神様に怒られ無いのでしたら手伝いましょう」


「どうしたの」


「俺が生成したレミレリラス鉱石を神界の商人に売ってゴッドマネー(創造神金貨)を増やして、神殿の最上階を充実させないかと提案されたんです」


「この世界のお金にはならないのね」


「アスピー。この世界の通貨や物流を壊してしまう事には干渉出来ないね」


 既に、いろんな意味で干渉して、この世界の常識を何度も塗り替えてしまってると思うんですけど、気のせいでしょうかね・・・


「小さい事を気にするとハゲるね」


「そうね。フフフッ」


「と言う訳でだね」


≪パチン


 俺達の目の前に、神純度、純度100%のレミレリラスを素材として創造された短剣が出現した。


「触って良いですか?」


「当然だね」


「この大きさでも、スプーンサイズより軽いって・・・」


 純度100%のレミレリラスは軽かった。


≪パチン


「こっちも持ってみるね」


 フォルティーナはもう1本短剣を出現させると俺に渡した。


「あっ!別に重い訳じゃないですが、レミレリラスと比べると重く感じますね」


「純度100%のミスリルは、この世界に存在する鉱物の中で1番軽く硬く丈夫で属性特化耐性に優れていて加工が難しい鉱石だね」


≪パチン


「鋼の短剣だね」


 俺は、鋼の短剣も受け取った。


「狩りの時の解体用のナイフって感じでシックリきます」


「持って分かると思うがだね。レミレリラス鉱石1Kg分の質量の約13倍がミスリル鉱石だね。同じ量で13Kgもあるね。そして鋼は、このミスリルの更に13倍もあるね」


「ざっと169Kgって事ね」


「なるほど・・・純度100%のレミレリラス1Kgは、鉄169Kg分の量って事ですね」


「そうだね。という訳でだね。心象は描きやすくなったはずだね。まずは1t程頼むね」


「1t!ですか?」


「そうだね」


「わ、分かりました・・・【マテリアル・クリエイト】『生成』レミレリラス鉱石100%1t ≫」



「何か、嵩張らないというか、1tあるはずなんですが、地味ですね」


「そうね」


「いやいやだね。目の前に宝の山があるね。10億ゴッドマネー(創造神金貨)以上だね。ロイク」


「はい」


「あたしは、販路を広げて来るね。ゴッドマネー(創造神金貨)は随時タブレットに送金するね」


「は、はぁ~・・・」


「ひゃほぉぅーだね」


≪パチン


 運の神フォルティーナ様と純度100%のレミレリラス1tが消えた。


「あっ!」


「どうしたの?」


「手伝って欲しい事は、この短剣を見せて欲しい事じゃなかったんですけど・・・」


 俺の手には1本の神純度(純度100%)のレミレリラスの短剣が残されていた。


「5億年位かけて作ったって言ってましたよね」


「えぇ~」


「5億年ですよね・・・」


「そうね」



「フォルティーナ抜きで属性合成は危険な気がするので、今日の予定分は中止して、昨日の続きでもやります」


「昨日続き?」


「はい。火と風の自然魔素水(まりょくすい)です」


「昨日、ロイクを見ていて思ったのだけれど」


「どんな事です?」


「清澄魔力を水に溶かしているのよね?」


「そうですよ」


「これって、清澄魔力を扱う事が出来るロイクにしか出来ないわよね?」


「あぁ~それがですね。少し前に砂漠(・・)で暮らす羽目になった時にですね。面白い発見をしたんです」


「面白い事ですか?」


「1秒以下の時間しか経過していない状態でしたが、49日間も閉じ込められていた話をしましたよね?」


「えぇ」


「その空間って光の属性で満たされていたのに、砂砂漠(すなさばく)だった訳なんですが、変だと思いませんか?」


「そうね。光に満たされているのなら属性が存在するとしたら100%光属性ね」


「ですが、大地には地属性の砂が存在していました。そして、創造神様からいただいた家シリーズから設置した家には、プールや池や緑が存在していました。大樹の循環や水や熱の循環は設置した時、循環を開始する為の切っ掛けは俺の自然魔素(まりょく)を使った様なんですが、その後は、自然の力の自然魔素の循環と同じ様に自然に循環してたんです」


「自然循環する様に調整する事で、ロイクが居なくても清澄魔力を集積して水に溶かし込む事が出来るという事かしら」


「閉じ込められてる時に習得したのは、半径10mの球体の中で自然魔素(まりょく)を循環させるところまでですが、『地』『水』『火』『風』『光』『闇』『無』の自然魔素(まりょく)の流れを無属性で統制する事でここまでは可能でした」


「ねぇロイク」


「はい、なんでしょう?」


「これって、界その物ではないかしら?」


「マルアスピーの言う通りです。フォルティーナが言うには、これの規模を大きくして循環を安定させて球体の中で生じるイレギュラーな事態を吸収し補えるだけの絶対的な質量が整えば、コルト下界と原理は一緒なんだそうです」


「この球体の中の自然魔素(まりょく)はどの位あるのかしら?」


「そうですね、この半径10mの球体だと、四大属性の自然魔素(まりょく)の循環量は、其々1日40万位です。9割以上採集してしまうと、循環の規模が弱く成って最終的に停止してしまいますが、8割以下で採集し続けるなら1000年位は持つんじゃないかってフォルティーナは言ってました」


「地水火風の清澄魔力を75%で採集したとして1日に30万。ビーカーに溶かし込む魔力量は幾ら位なのかしら?」


「200mlの魔力で生み出した魔水(まみず)に、約300溶かして煮詰めて、あの飴です」


「各属性を溶かした魔水(まみず)1000mlを1日に200本。自然魔素水(まりょくすい)に出来るのね」


「理論上ではそうです。もっとも火と風に関しては溶かし込むのに成功してないので、現状では地と水だけです」


「例えばの話ですが、清澄魔力を煮詰めて効果を高めた様に、変換した魔力を煮詰めて効果を高める事は出来ないのでしょうか?」


「それ試したんですが、結局は相関関係や相互関係が影響してダメだったんですよ。だから、属性合成の研究を進めようと考えたんですけどね・・・」


「地と水の自然魔素水(まりょくすい)は幾つか貰えるかしら」


「構いませんがどうするんですか?」


「フフフッ。厨房でお菓子作りの際の水として使ってみます」


「マルアスピーの手作りデザートはまだ食べた事が無いので、普通のも今度作って欲しいです」


「そうね。考えておくわ」


「【タブレット】『取り出し』地属性の自然魔素水(まりょくすい)300本。水属性の自然魔素水(まりょくすい)300本。地属性の飴10個。水属性の飴8個 ≫」


≪・・・道具......を取り出しました。


「厨房や居住区に置いておくと水だと思って飲まれちゃうかもしれないので、ここに置いておきます。飴はマルアスピーにあげます」


「あ、ありがとう。大事にするわ」


「大事にするというか、飴なんで早めに食べてくださいね」


「・・・えぇ」


≪『ガサガサ・・・あぁ~ロイク。あぁ~ロイク。あぁ~ロイク!』≫


 うん?


「どうしたの」


「何か、声が聞こえた気がしたので・・・」


≪『あぁ~ロイク。あぁ~ロイク。あぁ~ロイク!』≫


「御祖父様の声みたいです」


 頭の中に祖父エンゾの声が聞こえて来た。


 えっと・・・御祖父様ですよね?


≪『おぉ~通じたか。このモントルアプレ(腕時計念話機能付き)は凄いな』≫


  あぁ~モントルアプレの念話機能ですね。ビックリしました。


「どうしたの?」


「フォルティーナがくれた。モントルアプレの念話機能で祖父が話掛けて来たんです」


「ふ~ん。何かしら?」


 どうしたんですか?


≪『サーフィスから出航した外交使節団を乗させた大型船が、ヴァルオリティア帝国のフィーラの港に正午頃入港すると、王宮に連絡鳩が手紙を運んで来たぞ』≫


「例の船がフィーラに到着するみたいです」


「船って時間がかかるのね!」


 使節団が王都から派遣されたのって6月の下旬でしたよ?随分時間がかかったんですね。


≪『悪天候が続き、フォーラムで3日間足止めされたそうだ』≫


「天気が悪くて、3日程フォーラムに足止めされていたそうです」


「そう」


「今日で良かったですね」


「そうね」


 正午前に船に転位移動すれば間に合いますね。


≪『すまんがそうしてくれ』≫


 分かりました。いやー明日じゃ無くて良かったです。


≪『どうした。明日何かあるのかね?』≫


 はい、明日は、スタシオンエスティバル(中空の避暑地)クリュの風の結界が無くなるのか弱くなるのか分かりませんけどダメになる日らしくて、正午の前後は待機してないといけないんですよ。


≪『天空の離宮の管理者であり守護者であり聖人の責務というやつか・・・身1つだ言えた立場では無いが無理をするなよ』≫


 創造神様のおかげで頗る健康体なので大丈夫ですよ。御祖父様や御祖母様の方が身体を大切にしてください。


≪『ハハハ。そうだな。では、健闘を祈る』≫


「終わりました」


「フォルティーナが戻ったら改善1ね」


「改善1?」


「えぇ。必要な会話に限り、複数人で念話が出来る様にして貰うの」


「重要ですか?」


「えぇ。会話の間に説明する時間があるのよ。無駄だわ」


「そうですか?祖父の話をマルアスピーに伝える位別に苦でも嫌でも無いですよ」


「そ、そうね・・・」

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