1-60 ベーゼのベクトルと、邪神竜と逃亡神。
宜しくお願いします。
※王都や領都に入ると広がる無理矢理設定です※
――― 領都スカーレット
エルドラドブランシュ 執務室
――― 6月12日 16:30
神獣様っ!?
『邪の神の眷属神だね』
神様が下界で暴れちゃまずいんですよね?
『創造神に従う神ならばだね』
つまり?
『邪神竜は暴れても良いって事だね』
暴れても良い理由になってない気が・・・
『仕方ないね。神は常に理不尽極まりない存在だね』
・・・『あなたもかなりその部類かと・・・』
『何か言ったかね?』
何でも無いです。
「ロイク。28Kmも離れているにしては大きくないか?」
「ちょっと大きい・・・かな・・・」
フォルティーナ!サーフィスの住民に目撃される前に、こっちにお願いします。スカーレットならまだ住民は居ないし壊れても再創造するだけなので。
『分かったね。だがどうするね?』
相手は神獣様です。まずは、説得してみましょう。神様同士、何とか話し合いで穏便に解決って出来ないんですか?
『神と言ってもだね。あたしは運を司る遊びの神だね。竜の神獣とは違い過ぎるね』
確かに、遊びと竜・・・『どうやって聞いても竜の方が偉いし強そうだ』・・・俺もそう思います。
『難しいね』
『ロイク様!』
運の神フォルティーナ様と俺のトークにアルさんが割って入って来た。
『アル。良いタイミングだね』
『フォルティーナ様もそちらにいらしたのですか?』
『あたしは海だね』
『海ですか・・・。大変なんです』
『あたしも忙しいね』
『邪神竜の神気が近付いています。フォルティーナ様。海で遊ぶのは後にして力を貸していただけませんか?』
『アル。あたしは今その邪神竜の目の前にいるね』
・・・『日頃の行いのせいだな』・・・
『邪神竜と何をされているのですか?』
『何もしてないね』
『そうですか・・・私もそちらに行きます。ロイク様、召喚してください』
ちょっと待ってください。召喚するのは構いませんが、フォルティーナとアルさんと俺が邪神竜と戦っているところを祖父母に見られるのはまずくありませんか?
『大丈夫だね。エンゾとイネスは賢い部類の人間だね・・・・・・分かったね。ここは眠ってて貰うね』
全然分かって無いじゃないですか!
『眠りの世界に落ちている間は現実を見る事は無いね。例えどんなに賢くてもだね』
まずは、屋上に移動してアルさんを召喚します。
『分かったね』
『お願いします』
・
・
・
――― 海
――― エルドラドブランシュから約28Km地点
ペットのサングランドトルチェの甲羅の上に、サーフボードに立つ要領で乗りながら、水着姿の運の神は、全長100m以上の邪神竜を周回しながら語り掛けていた。
「あ~あ~聞こえるかね?」
「・・・」
「あ~あ~この下界は、完全に包囲されているね」
「・・・」
「あ~・・・何だね・・・特に言う事が無いね」
「・・・」
「あ~・・・最近景気はどうだね」
≪≪ 我の邪魔をするな ≫≫
「邪魔かね」
≪≪ 我の邪魔をするな ≫≫
「あ~あ~ここは危険地帯だね。速やかに退去するね」
「・・・」
「んー・・・ここはとっても危険だね。・・・あぁ~そうだね」
運の神フォルティーナ様は、東の空高く遥か遠くを指差した。
「あ~・・・向かって右手に見えますのが神界になりますだね」
≪≪ 我の邪魔をするな ≫≫
・
・
・
――― 領都スカーレット
エルドラドブランシュ 屋上
――― 6月12日 16:40
【召喚転位・極】『対象』アル・R・ルーリン・シャレット 発動 ≫
俺の目の前にアルさんが現れた。
「ロイク様。御無事でしたか」
アルさんは、俺を軽く抱き締めてから、俺の両手を取り胸の前に動かすと祈る様に瞼を閉じた。
「アルさん?」
アルさんは、瞼を閉じたまま反応しない。
・
・
・
≪バフッ
「何をしてるね」
運の神フォルティーナ様が舞い降りた。
「ロイク。状況という物があるね。今じゃ無いでしょうだね」
運の神フォルティーナ様は、ニヤニヤとほくそ笑み、アルさんの手に握られた俺の両手を見つめていた。
「こ、これは、挨拶です」
「構わないね。抱き合てぇーか・ら・のハグッ!かーらっのぉーあんな事やこんな事はだね。自然の摂理だね・・・だがだね。今じゃ無いでしょうぉ~だね」
ダメだ。この神の思考には付いていけそうにないです。創造神様助けてください・・・
「あぁ~もう、不明トークは終わりです。・・・そんな事より。どうするんですか?」
「なるようになるね」
・・・な、なるようになるって!
「また無責任な。・・・それに、こっちに誘導してくれるはずでしたよね?」
「問題無いね」
「いやいやいやいや、有り過ぎですよ!・・・この状況のどこに問題が無いんですかっ!?」
「分からないね。壊れた何かだね『我の邪魔をするな』しか言わないね」
分からないって・・・助けて神様ぁっ!
「ここに居るね」
・・・出来れば違う神様で・・・
「チェンジかね。残念でしただね。神界にそんなサービスはないね」
「何の話ですか?」
「デリバリーだね」
「で、デリバリー???って、今は不明トーク禁止です!そんな余裕ありません」
「ロイク様。フォルティーナ様」
アルさんが瞼を開いた。
「アル。それでは無理だね」
「はい、中に入って来る感じはするのですが、心に触れる寸前散ってしまいます。何度か試したのですが、手を繋ぐだけではダメみたいです」
「それは分かっていたね」
「マルアスピーさんは、どうやってあんなに・・・」
「不思議だね」
邪神竜の存在など無いかの様に2人は真顔で考え込んでいる。
「あのぉ~今はこの状況をですね・・・」
「分かってるね。来たら頼むね」
「頼むって何をですか?」
「物事には道理という物が存在するね。少し考える時間が必要だね。今がその時だね!」
「何、言ってるんですか!目の前の事なんですよ」
≪フッ!ドッゴォ―――ン
結界に何かが衝突した。
「え?」
≪≪ 結界か ≫≫
転位じゃない、飛行移動だ・・・
「一瞬で28Kmを・・・フォルティーナ、アルさん。来ちゃいました。どうするんですか?」
≪ドッゴォッン ゴォッン
≪ピピーピピ―ピピ― ピピ―ピピ―ピピ―
こんな時に何だ?
俺は、タブレットの画面を正面に移動し確認した。
「こんなタイミングで・・・」
盗賊を討伐する為に出陣した王国軍が殲滅作戦を開始した。それを伝えるアラームだった。
「フォルティーナ。討伐が始まったみたいです。どうしましょう」
≪ゴォッン ゴォッン ゴォッン
≪≪ この程度では破れんか! ≫≫
邪神竜の胸部に八角形の模様が浮かび上がる。それは黒い輝きを放ちながら回転している様だ。
「神気が集まってるのか?」
≪ピィーン バァッン ゴゴゴゴゴゴ ピィ――――――――――ン
黒い光が、正面の結界を破壊し、俺達の真上を刹那の速度で通り抜け、後方の結界を破壊し、宙を抜け消えた。
≪ゴォッン
邪神竜は、距離を詰めようとしたが、瞬時に再生した結界に阻まれた。
状況から見てかなりヤバイぞ。結界の中に入って来られないだけで、結界を一時的に破って中に攻撃出来てるし・・・
俺は、邪神竜から2人に視線を移す。2人は俺の顔を見つめていた。
「フォルティーナ考え事しながらで良いです。教えてください。こういう時はどうしたら良いんでしょう?」
≪≪ 100数える。我の質問に答えるか? ≫≫
邪神竜の胸部に八角形の模様が浮かび上がる。
100?・・・そんなに待ってくれるのか?
≪≪ 1 ≫≫
・・・自由ですね。神様・・・
「何か良く分かりませんが、100も待ってくれるみたいです。どうした良いか教えてください」
「分からないね」
「分からないって、そこを何とか」
「うーんだね。神に人が立ち向かったという話を聞いた事が無いね」
「ロイク様。残念ですが私も聞いた事がありません」
「・・・そうでしょうね。姿を見た事も無いのに立ち向かうって無理ありますから」
≪≪ 2 ≫≫
何だ?随分ゆっくりだな・・・
「何で攻撃して来てるのか理由も分からないし、質問に答えろって言ってるしどうしたら・・・あっ」
「どうしたね」
「だから質問に答えろって言ってましたよね?」
「神獣同士なら少しは話になるかもしれないです。私が邪神竜と話をしてみます」
「いや、質問に答える事が先かなって・・・」
「ですが、ロイク様。今の私には神獣の姿を保つだけの力がありません」
誰か俺の話を聞いてください。
「だから、質問に・・・」
「手っ取り早くアルに神気をチャージするね。胸を鷲掴みにするもよし接吻するもよし父親になる決意をするもよしだね」
「この状況で何を言ってるんですかぁっ!」
「今でしょうだね」
「ロイク様。お願いします」
「だ、だから、質問に」
≪≪ 3 ≫≫
「安心するね。まだ3だね。男になるね」
運の神フォルティーナ様は、ニヤニヤとほくそ笑む。
「遊んでますよね?楽しんでませんか?」
「少しだね。だがだね。アルの話には100理あるね」
運の神フォルティーナ様は、ドヤ顔を俺に向ける。
ここは無視だ。
「100理もですか?」
「そうだね。人には人。精霊には精霊。神には神。神獣には神獣だね。餅にはあたしは海苔と醤油だね」
運の神フォルティーナ様は、ドヤ顔を俺に向ける。
ここは無視・・・
「邪神竜には大白鳥だね。さぁ~おやりなさいだね。今でしょうだね。さぁ~ロイク」
≪≪ 4 ≫≫
「ロイク様。私が質問に答えて来ます。ですから、力を注いでください」
「確かに人間の俺よりは、神獣のアルさんの方が、邪神竜様も話易いか」
「そうだね」
何か違う様な気もするけど・・・
「・・・・・・まだ96もありますが、考えている暇は無さそうです。アルさんKissでも良いですか?」
「あっはい!是非ぉ~♪」
「あと96しか無いね。さぁ~さぁ~だね」
俺は、アルさんを引き寄せると、肩に手を置き、柔らかい唇にそっとKissをした。
「さぁ~神気をアルに注ぐね」
えっと、どうやるんだ・・・こうか? 神気☆1☆1 ≫
「ウン・・・ァッ・・・・」
アルさんは、身悶えながら薄っすらと輝いている。俺は、慌てて柔らかい唇から唇を離した。
「ロイク。アルに何をしたね?」
「何って、Kissしろって言ったのフォルティーナじゃなですか?」
≪≪ 別れの口付か・・・フン ≫≫
あぁ~数えないんだ・・・
「ロイク様。私・・・」
アルさんは、薄っすらと輝いている自身の状態に困惑している様だ。
「ロイク。・・・人間は発情すると発光するかね?」
「発光したら怖いですよ」
「だがだね」
運の神フォルティーナ様は、俺を見る様に俺に目配せした。
「ロイク様も薄っすら輝いていますよ」
「発情してるのかね?」
こいつは無視だ。無視・・・
俺は、自分の手や身体を確認する。アルさん程では無いが確かに光ってる気がする。
「フォルティーナこれって?」
「あたしが聞いてるね」
・
・
・
≪≪ 5 ≫≫
――― 6月12日 17:20
カウントは5まで進んだ。
「発情しても発光しないというロイクの話をだね。信じたとしてだね」
「信じるも何も発光する方がおかしいですから」
「だがだねぇ~・・・」
運の神フォルティーナ様は、ニヤニヤとほくそ笑みながら俺とアルさんを見る。
「フォルティーナ様。神獣も光ったりしませんからね」
「知ってるね」
「アルさんの話はあっさり信じるんですか?」
「大丈夫だね」
「何がですか?」
「どうやら、ロイクもアルも神気力が上がったね。どうしてアルに神授スキル【Baise】が付与されたのか分からないがだね」
「Baiseって、Kissすると強くなるとかってスキルですよね?どういう原理でレベルが上がってるか分からないんですが、知ってるなら教えてください」
「知らないで、6まで上げたのかね?」
「6?俺5だったはずですよ」
「その瞳で視るね」
・・・
「あれ?6になってます」
「だから、6だとあたしは言ったね」
「アルさんは2ですね」
「このスキルは、種を越えし者の為に創造された物だね。判断は創造神におまかせだね」
「へぇ?」
「分かった事があるね。あれはカウントされていない様だね」
「あれ?」
「そうだね。思うに、ベクトルの方向が問題だね」
「ベクトルの方向?何の事かさっぱりなんですが・・・」
「今は良いね。アルが神授スキル【Baise】によって神気が4になったね」
「2から4に上がった理由が他に無いならそうかもしれないですね」
「4にあがった神気をロイクはアルの祝福によって与えられているね。ロイク神授スキル【Baise】はそれを24にしているね」
「神気が31だったはずが、45になってるのは、Baiseが影響してるって事ですね」
「そうだね」
「2つ質問がります」
「なんだね」
「アルさんは、神格を持った神獣様ですが、俺の神眼で視認する事が出来ます。何故ですか?」
「神だからだね」
また、適当な・・・
「次の質問です。神格を持ったフォルティーナを俺の神眼で視認しようとしても出来ないのは何故ですか?」
「神だからだね」
・・・だよなぁ~こうなるよなぁ~・・・
「最後の質問です」
「ロイク。それでは質問は3つになってしまうね」
「いえ、この質問は1つ目の質問の続きです」
「騙したのかね?」
「人聞きの悪い」
「神だね」
「・・・あっちの神獣様も視認する事が出来ないのですが、アルさんとは違うんですか?」
「何がだね?」
「神獣様は神様ですが、神様だから俺は視認出来るんですよね?」
「違うね。アルは家族だね。邪神竜は他人だね」
「他人って・・・それなら、フォルティーナはアルさんと同じ立場なのに、俺が視認出来ないのはおかしくありませんか?」
「おかしくないね。神だからだね」
「えっと、つまり?」
「つまりだね。あたしはロイクの家族であって神だね。アルはロイクの家族であって神だね」
「はぁ?同じに聞こえるんですが」
「当然だね。同じだからだね」
「・・・ちょっとごめんなさい。アルさん!フォルティーナの言ってる事が俺分からないんですけど、アルさんには分かりますか?」
「はい」
えぇ~分かるですかぁ~・・・
「ロイク。つまりこう言いたいのかね?」
≪≪ 6 ≫≫
あっ!まだ、数えてたんだ。
「アルだけじゃダメなんです!フォルティーナの全ても知りたいです!とだね」
「何を言ってるんですか?」
「あたしの全てを知りたい気持ちは分かるね。だがだね。今はその時では無いね」
「フォルティーナ様。ロイク様は、邪神竜の神気を知りたいのではないでしょうか?」
「・・・何だそうなのかね」
微妙に違うけど、まぁ~知りたいのは確かか!
「えぇ~・・・」
「ロイクは45か90だね。アルは4だね。あたしは桁が違い過ぎるね」
「それで、あっちの神獣様の神気は?神獣様って事は、五級神様か1級下級神~九級下級神様て事ですよね?」
「そうだね。アルは神鳥の長五級神。あれは神竜の六級下級神」
「え?アルさんの方が全然偉いって事じゃないですか!でも、あっちの神獣様の方が神気が途轍も無く上ですよね?」
「当然だね。神獣の種長は偉いね」
「六級下級神が五級神より強いって事ですよね?」
「そうだね」
「はい。私は白鳥です。あっちは竜ですから」
「神気で神格の格付では無いんですね」
「当然だね。ロイクはゼルフォーラの王よりも強いが王では無いね」
論点が違う気がするけど・・・
「それにだね。神気力が神格に反映されるとした場合だね。創造神からの武器を装備したロイクは、本日付けで三級上級神だね」
「ロイク様ぁ~」
アルさんは、羨望の眼差しで俺を見つめる。
「あの邪神竜は、二級上級神ってところだね」
「俺より遥かに高い神気だと思いますが・・・」
「あれは、500に届かない位だからね。ロイクよりちょっと上だね」
「・・・あの良いですか?」
「何だね」
「35だった俺に、500の神獣様を任せたんですか?」
「そうだね」
「そうだねじゃないですよ」
≪≪ 7 ≫≫
≪ピピ― ピピ― ピピ―
こんな時にって
「そうでした。フォルティーナ。盗賊討伐が始まったみたいなんですが、向こうの邪の属性を帯びた樹人族ですが・・・」
「邪神竜の方が優先だね」
「そうですね。盗賊相手なので王国軍も余裕みたいだし」
≪≪ 邪のエルフと言ったか? ≫≫
俺達の会話に邪神竜が割って入って来た。
「気になるかね」
・
・
・
沈黙が流れ・・・
≪≪ 8 ≫≫
「やっぱり、質問に答えましょう」
「分かったね。アル任せたね」
「はい」
アルさんの身体が神々しい白色に輝き出す。
・
・
・
「邪神竜よ私が質問に答えましょう」
アルさんは大白鳥の姿神鳥の姿で邪神竜の顔の前で対峙している。
≪≪ 神鳥オェングスが何故だ ≫≫
「家族だからです」
≪≪ 家族?あの人間?がか? ≫≫
「そうです」
≪≪ まぁ良い。何故遊びの神がこの下界に存在している ≫≫
「家族だからです」
≪≪ 家族?あの人間?がか? ≫≫
何だ、このデジャヴ感は・・・
≪≪ まぁ良い。何故我の邪魔をする ≫≫
「私達に邪魔する意思はありません」
≪≪ 遊びの女神よ ≫≫
「なんだね?」
≪≪ 我に退けとは何故だ ≫≫
「言ったかね?」
≪≪ 危険ともな ≫≫
「あぁ~言ったね」
≪≪ 我が従う神の眷属神を、我が従う神は我に捕らえろと命じた ≫≫
「その眷属神は、この世界に居るのですか?」
≪≪ そうだ。神界牢獄を脱獄しこの下界に逃亡した悪鬼神を捕らえる為に我はここに存在する ≫≫
神々の世界の話が俺達の世界で繰り広げられてるって感じか・・・関わらない様にした方が無難だな。
「悪気神は邪の神が眷属から破門したはずだね」
≪≪ 我が従う神は、悪鬼神を破門した。だが、我が従う神が存在し続ける限り悪鬼神は存在し続ける ≫≫
「何故今になって捕まえようと考えたね」
≪≪ 我が従う神の御意思は我が従う神だけの物。我が従う神の御意思を我が知る由も無い ≫≫
うん?今になってってどういう事だ。脱獄したのって6月11日昨日の事じゃないのか・・・
≪≪ そこの人間? ≫≫
「俺の事ですよね?」
≪≪ 人間が何故神気を帯びている ≫≫
「ロイク様は家族だからです」
≪≪ 家族?あの人間?がか? ≫≫
「そうです」
またこのくだり?
「あたしが説明するね。ロイクは創造神によってこの世界の守護者であり管理者であり聖人を任された存在だね」
≪≪ そうか ≫≫
あれ、意外にあっさり引き下がったぞ。
≪≪ 遊びの女神よ。神鳥オェングスよ。ここコルト下界の守護者よ。我の邪魔をするな。我は我が従う神の眷属神であった神を捕らえる為に存在しているにすぎぬ。問う ≫≫
「俺にですか?」
≪≪ そうだ。邪の属性を帯びたエルフを何処で見た ≫≫
「おやなんだね。気になるかね?」
「見てはいないです」
「ロイク。ここは交渉人フォルティーナに任せるね」
「は?」
「任せるね」
何したいんだこの人・・・
「神だね」
≪≪ この下界に、邪落ちする存在がいるとはな ≫≫
「どういう事ですか?」
「ロイク。公証人に任せるね」
「わ、分かりました・・・」
「どういう事だね」
≪≪ 遊びの女神よ。我は我が従う神の命によりここに存在している。我の邪魔をするな ≫≫
「邪魔はしないね」
・・・十二分に全力で邪魔になってる気がしますが・・・
「ロイク様。人間種の樹人族には、聖の属性を帯びた高位樹人族。闇落ちし闇の属性を帯びた闇樹人族。通常の樹人族の3種族がいます」
「邪落ちした樹人族は?」
「聞いた事がありません」
≪≪ 我が従う神の眷属神により祝福を与えられし存在『遊』≫≫
「ジュー!?」