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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
-スカーレット編ー
68/1227

1-55 進まない会話と、地下への扉。

宜しくお願いします。

――― トゥージュー公爵領

サーフィス 公爵邸 ゲストルーム

――― 6月11日 17:50


 タブレットで王国軍の討伐隊が、盗賊達が巣食う集落に到着するのを確認してから移動する事にした俺は、創造神様から新たにいただいた神授スキル【連携の歓喜】を限定の対象者へ付与する為、トゥージュー公爵領サーフィスの領主館の一室ゲストルームへ運の神フォルティーナ様と一緒にフリーパスで移動し、マルアスピー、アル、アリス、サラ、テレーズ、パフ、時空牢獄の中のトゥーシェに集まって貰い(強制だが・・・)、創造神様からの指令と神授スキルをいただいた経緯を説明した上で、オペレーションで神授スキルを付与した。


「ロイク様。疑っている訳ではありません。あくまでも確認です。私達9人で戦闘訓練をするだけで9倍の経験を積む事が出来ると言う事でしょうか?」


「サラさん。ちょっと違います。訓練では無く実戦で魔獣や敵を倒したり、クエストをクリアする事で、連携の歓喜の効果があるんです」


「そこで何だがね。ロイクが新領都スカーレットに設置したエルドラドブランシュ(・・・・・・・・・・)の地下でナンフスポットやヴィススポットが解放される前に君達を鍛えようと思うね」


 運の神フォルティーナ様は、意味の良く分からない言葉を連呼した。


「フォルティーナさん。新領都スカーレットとは何処にある町の事でしょうか?」


「私も聞いた事がありません」


「私もです」


 サラさんアリスさんテレーズさんは、質問した。


「ロイクが朝完成させた領都の事だね」


「え?」


「ロイク様は先日領地を拝領されたばかりですよ!」


「今朝ですよね?」


 テレーズさんサラさんアリスさんは、聞き返した。


「時間の問題ではないね。現に、登録手続きが完了し、今日付けで領都として認められたね」


「本当なのですかロイク様!」


 アリスさんは、羨望の眼差しで俺を見つめていた。


「まだ領主館と貴族領軍私兵隊本部事務所と船着き場を囲む城壁と外壁を数か所。領土に面した川全域に堤防を設置して、街道を敷いて大聖堂と神殿を建立しただけなのでこれからです」


「朝視察にお出かけになられて、臨時の軍事会議に出席されるまでの間にそれをおやりになられたのですか?」


 サラさんは、少々疑いの眼差しを俺に向けている。


「えぇ~。皆に集まって貰う前に寄り道して、サーフィス公爵領とルーリン・シャレット領の境界のルーリン川に橋を3つ架けて、街道で繋ぐまでは済ませて来ました。今日は、神殿に祖父母を連れて行く事になっているので、祖父母が御祈りをしている間に後は農地を整える予定です」


「コルト大聖堂で御会いした日に、あの聖属性魔術を見て、桁違いの魔力を御持の方なのだと察しは付いておりましたが・・・ロイク様の魔力はいったい幾つなのですか?」


「【MP】ですよね。だいたい......


 サラさんが、溜息まじりで俺に質問すると、運の神フォルティーナ様が再び語り始めた。


「あたしが説明するね」


「フォルティーナさんがですか?」


「まず、アスピーは君達とは存在の意味が異なるね。聖域の内側に暮らす存在だね」


......って、それ質問の答えになってないと思うんですが」


「マルアスピーさんが聖域にですか?」


 サラさんの興味は、俺の魔力から聖域の話へ移った様だ。


 フォルティーナ。それ教えたらまずく無いですか?


『家族になる人間に何を隠すね?アスピー問題ないかね?』


『えぇ。私は別段隠しているつもりもありませんし』


『ロイクは気にし過ぎだね』


 ・・・


「聖域とは、あの聖域ですよね?」


「そうだね。大樹、息吹、一枚大岩、火焔、水煙の事だね。そして、アルやあたしは中空の離宮に存在した時から存在する事を許された存在だね」


 何か面倒な言い回しで結局隠してるじゃないですか!


『創造神1柱の遅れた世界では仕方ないね』


 家族になる人間には隠し事は無しなんですよね?


『家族だからと是が非でもという事は無いね。アスピーもアルもそう思うかね?』


『えぇ』


『私は、ロイク様の傍に居られるのでしたら、問題ありません』


『心配しているのはロイクだけだね』


 矛盾してるなって思っただけなんですけど・・・


『人間は矛盾した生き物だね』


 俺じゃ無くて、フォルティーナがですよ。


『何を言ってるね。人間のモデルは創造神だね。創造神の眷属たるあたしが矛盾していないでどうするね』


 そこ威張るところじゃないですから!


『フッ』


 ドヤ顔の使い方おかしいですよ・・・


「フォルティーナさんとアルさんは、産まれた時から中空の離宮にお住まいなのですよね?」


「そうだね」


「はい」


 2人の設定ってそういう事になってるのか!


「中空の離宮は創造神様の為の空間で、人間はロイク様とロイク様の御家族の方だけが出入りしていたのですよね?ですから、創造神様は私達をあの場へ御導きになられ、月に1度の御祈りの機会を与えてくださったのですよね?・・・産まれた時からお住まいなのですよね?」


 サラさんの鋭い質問が炸裂する。


 どうするんですか?


『サラは賢いね!良い事だね』


 関心してて良いんですか?神様だってバレちゃいますよ。


『そんな時はこうすね』


≪パチン


 フォルティーナは指を鳴らした。


 そ、それ・・・


「ロイク様!」


 サラさんは、胸を俺の右腕に押し付けながら抱き着いた。


「え?サラさん急にどうしたんですか?」


「あぁ~サラだけずるい。私も」


 アリスさんは、俺の左腕に胸を押し付け抱き着く。


「あ、アリスさんまで急に・・・」


 あぁ~今だけ腕に・・・・・・イイ・・・って、違う、フォルティーナ!何をしたんですか?


『何もしてないね』


 そんな訳無いです。何かしましたよね?


『暫くこのままで良いね』


 良い訳ありませんよ!


『ロイクは胸が好きだね』


 な、何、突然俺の為みたいな流れにしてるんですか!


『パフ以外の者は皆大きいね』


 そ、それが何ですか!


『あの情熱的な視線。欲望に満ちた熱視線。アスピーもあたしも嫌いじゃないね』


 だ、誰もそんな事聞いて無いですっ!


「ロイク様」


 2人は更に密着する。


 ・・・これはこれで、悪く無いかも・・・寧ろ感覚器官が研ぎ澄まされる・・・


『ねぇロイク』


 ・・・はッ!・・・な、なんですか?


『触れている方が良いの?』


 ・・・


『ロイクの夢と希望に溢れる双丘の事よ』


 そ、それは・・・


『フフフッ。冗談よ』


 ・・・


『なかなかどうして、思ってた以上に楽しくなったね。・・・あたしとしてはこのまま遊んでいたいのもやまやまだがね。そろそろ本題に入るね』


 やっぱり、遊んでたんじゃないですか!


『違うね。心の比較的浅い気持ちを後押ししただけだね』


 それ・・・


「ロイク様ぁ~」


 うお・・・俺の両腕が羨ましい・・・・・・


『フフフッ』


『アスピー。ロイクはムッツリだね』


『ムッツリ?』


『奥手だね。貯め込んで貯め込んで突然爆発して襲うタイプだね』


 聞こえてますよ。


『フフフッ』


『愉快だねハッハッハッハ。さて、この辺りで良いかだね』


 この辺りって・・・まさか!


≪パチン


 運の神フォルティーナはニヤニヤとほくそ笑みながら、指を鳴らした。


「え?あ・・・え?」


「わ、私・・・な、何て事を・・・」


「サラ様?アリスさん・・・何をされているのですか?不潔です・・・」


 サラさんとアリスさんはテレーズさんに指摘され、疾風の如く、刹那の如く俺から離れた。


「ロイク様。わ、わた・・・私・・・だ、だだ抱き着いたり・・・何がどうなっているのやら・・・済みません。済みません。済みません」


「わ、私も・・・」


 アリスさんは何故か謝り続け、サラさんは赤面し俯いたまま動かなくなった。


「アリスも、サラも、面白いから好きよ」


「アスピーもそう思うかね。あたしも、この2人は好きだね。ただ堂々と抜け駆けするのはどうかと思うね!」


「はい。私もアリス様やサラ王女様は良く無いと思います。ロイク様とマルアスピー様の様に夫婦に成られてから御二人の様に、さ・・・さ・・・・」


 パフさんは言葉の途中で目を回しながら赤面し顔から湯気を大量発生させていた。


 運の神フォルティーナ様は、アリスさんとサラさんから、マルアスピーと俺にニタニタ顔の視線を移す。


「まぁ~あれだね。皆、発情は程々にだね。ハッハッハッハだね!」


 そこには、笑顔がとっても美しい鬼が居た。


『失敬な。あたしは神だね』



「フォルティーナのせいで凄い脱線です」


「あたしを褒めても何も出ないね」


「そんな物期待してません。それで、俺も質問があります」


「面白くないね・・・それで何だね?」


「エルドラドブランシュって何ですか?まだ俺に話て無い事が沢山ありますよね?」


エルドラドブランシュ(・・・・・・・・・・)はロイクの家だね。夫婦にも秘密はあるものだね」


 脱線したく無いから無視無視。


「家?家って、領主館の事の事ですか?」


「そうだね」


「別荘と同じで、あの建物にも名前があったんですか?」


「あたし達が、過去にそう呼んでいただけだね。今はロイクの家だね自由にすると良いね」


「フォルティーナさんが過去に呼んでた家ですか?」


 パフさんが不思議そうな顔で質問した。


「後で教えるね。今は面白く無いこの話をさっさと済ませてしまうね」


「面白く無いって、これ大事な話なんですよね?」


「そうだね。あたしは無駄な話はしない主義だね」


 ・・・無駄話ねぇ~

 

「それで、地下とかナンフスポットやヴィススポットってどういう事ですか?」


「ねぇロイク。ナンフスポットは、精霊地の事よ」


「精霊地って、コルト湖、カイライ山、風の断層でしたっけ?」


「えぇ」


「今はロイク、君の管理下にある場所だね」


「それじゃぁ~、ヴィススポットって何ですか?」


「それ悪霊地の事なのじゃぁ~間違い無いのじゃぁ~」


 不貞腐れ寡黙を決め込んでいた悪魔トゥーシェが元気な声で喋り出す。


「正解だね。この2つが創造神によって解放されるそうだね」


「フォルティーナさんがどうしてそんな事を知っておられるのですか?」


 アリスさん、サラさん、テレーズさん、パフさんが同じ様な質問を同時にした。


「そうだね・・・創造神から神授されたね」


「ロイク様の様に啓示をいただいたのですね」


「そうだね」


「それで、精霊地(ナンフスポット)悪霊地(ヴィススポット)が解放されるとどうなるんですか?」


「ロイクが人の中心となり、ゼルフォーラ王国が国家の中心にとなって来たる悪に対峙する訳だね。邪魔にならない様に底上げの機会を創造神は人間に与えたね」


「フォルティーナさん。話しが良く分かりません。何故2つが解放されると私達の平均が高くなるのでしょうか?」


「7000~8000年前まで存在していた地下迷宮や楼閣迷宮が一緒に復活する事に成るからだね」


 また、聞いた事の無い単語が・・・


「その、地下迷宮と楼閣迷宮が、私達を強くするのですか?」


「そうだね。創造神は今だと判断したね。来たる悪に備える為に人間を鍛える事にしたね」


「それはどの様に強くなるのですか?」


 アリスさんは、瞳を輝かせ、強くするという言葉に食い付いた。


「迷宮は大小様々だね。中には魔獣が住み宝が眠っているね。それを守る者を倒し力を付けるね」


「その迷宮に入る為に、私達は地下に行くのでしょうか?」


「地下迷宮や楼閣迷宮に入るのは君達じゃないね」


「では私達は地下で何をするのでしょうか?」


「それは行けば分かるね」


 結局、話が全く見えないまま俺は皆と移動する事になった。



 運の神フォルティーナ様の話では、エルドラドブランシュ(領主館であり俺の家)の地下へと続く扉の封印を解除する事が出来るのは俺だけなんだそうだ。その封印は誰かが通り抜けると解除されるそうで、しかも扉の封印が解けると自動的に世界各地の精霊地(ナンフスポット)悪霊地ヴィススポットが解放され、地下迷宮や楼閣迷宮の隔離が解除されるそうだ。良いんだろうか・・・



――― ルーリン・シャレット天爵領

領主館1F ファミリーエリア(北地区)

――― 6月11日 17:30


 エルドラドブランシュ(領主館であり俺の家)ファミリーエリア(北地区)1階のリビングから封印された扉があるという108の間と書かれた部屋へ移動した俺は、部屋に入ると正面の壁に飾られた縦300cm横200cmの豪華な額縁の前に皆で立っていた。



 額縁に飾られた何も描かれていない白い絵の中に、大草原を背景に獣が2匹浮かび上がると、その獣は俺に言った。


「私達の姿が見える者よ。絵に私達の名前を描きなさい」


「ヒントをあげる!」


 子供と思われる獣がそう言うと、俺の手元に1枚の紙切れが現れた。紙には......


***地文字の説明***


 (アー)=A (ベー)=B 2=C 3=D 4=E 5=F

 1分の1=G 1分の2=H 1分の3=I

 1分の4=J 1分の5=K

 2分の1=L 2分の2=M 2分の3=N

 2分の4=O 2分の5=P

 3分の1=Q 3分の2=R 3分の3=S

 3分の4=T 3分の5=U

 4分の1=V 4分の2=W 4分の3=X

 4分の4(イプスィロン)=Y 4分の5(ツェット)=Z

 5分の1(ヴェルト)=世界 5分の2(ヒンメル)=大空

 5分の3(エールデ)=大地 5分の4(メーア)=大海

 5分の5(ニヒツ)= ゛


***地文字の説明おわり***


......文字?の説明が書かれていた。


「フォルティーナこれはいったい何ですか?」


「ロイク様」


 運の神フォルティーナ様に目の前で起こっている事を確認していると、アリスさん、サラさん、テレーズさん、パフさんに名前を呼ばれた。


「あのぅ~・・・ロイク様は何方とお話されているのですか?」


「え?」


「絵の中の獣がこの紙をくれて、自分達の名前を絵に描けって」


「この影は獣なんですか?」


 パフさんは絵を指差した。


「ロイク様、私には声は聞こえませんでした」


 アリスさんだ。


「この絵を正確に認識出来るのは、人間ではロイクだけだと思うね」


 って、事はフォルティーナやマルアスピーには見えてるって事ですか?


『あたしは神だね』


『えぇ見えているわ』


『ロイク様。私にもカンガルーの親子の絵が見えています』


 アルさん。この獣はカンガルーって言うんですか?


『はい。マンソンジュ(・・・・・・)という世界のカンガルー族だと思います』


『懐かしい名前だね』


 知ってるんですか?


『少し前に世界中の住民がカンガルー化して最後に石化し滅んだ世界だね』


 滅んだ世界!?


『この虚実の兆候と扉はそういう物だね』


 虚実の兆候ですか?


『この絵の名前だね。額縁は扉の事だね』


 結局ところ、俺達は何をしにここに来たんですか?


『封印を解除するね』


 どうやってですか?


『ロイクは話を聞いていなかったのかね?この親子の名前を絵に描くね』


 ・・・


『どうしたんだね』


 どうしたもこうしたも無いですよ。


『何がだね?』


 会った事も無い聞いた事も無いカンガルー族の名前なんて分かる訳無いじゃないですか。


『頑張るね』


『ロイク様、ガンバです』


『そうね。頑張るしかないわ』


 いやいやいやいや・・・頑張ってもどうにかなる感じがしないです・・・って・・・


「ロイク様」


 パフさんが話掛けてきた。


「どうしました?」


「この影は動物なんですよね?」


「カンガルーって獣らしいです」


カンガルー(・・・・・)?」


 アリスさん、サラさん、テレーズさん、パフさんの声が重なる。


 ほら、これが普通の反応です。知らない動物や種族の名前が分かったらそれこそ奇跡です。


『運を信じるね』


 ここに来て運頼みって!


『あたしは運の神だね。あたしを信じるね』


 いや、それが出来ないから困ってるんですけど・・・


『そんな事かね。それなら簡単だね』


 何勝手に話を進めてるんですか?


『ロイクなら出来るね』


 ・・・


『行って来るね』


≪トン


「えっ?な・・・・」


「ロイク。任せたね」


 俺は、フォルティーナに押され、皆に名前を呼ばれながら、額縁を通り抜け絵の中に入ってしまった。



――― 何処か


 俺の目の前には、大草原が広がり、カンガルー族が2匹立っていた。


「あら、人間種が資格を持っているなんて。貴方で大丈夫かしら!」


「俺で大丈夫?・・・どういう事ですか?」


「ここでは何ですから、私達の町へ行きましょう」


「いや、俺急いでるので・・・」


「さぁ~行きましょう」


 カンガルー族は走り出した。


「ちょっ、ちょっと待ってください」


 俺は慌てて後を追い駆ける。



 大草原を1時間以上は走り続けただろう。それも時速50~60Kmの速度でだ。そして、辿り着いたのは、青色で石化した町だった。


「ここは?」


「ここが私達の町『ベートラント』です」


「石化してますよね?」


「そうです。111年前からずっとこのまま(・・・・)です」


「111年前からですか・・・」


「まずは、私達の王様に会ってください」


「王様にですか?」


「そうです」


 カンガルーはまた前触れも無く走り出しす。俺は仕方なく後を追い駆けた。



 青色の石化した街並みを走り抜け、城の正門を潜り入城すると、中庭に2000以上の石化したカンガルーの兵士達が立っていた。俺は立ち止まり、石化したカンガルーの兵士に触れてみた。


 やっぱりだ。あのカンガルーのステータスが認識出来ないからおかしいとは思ってたけど、魔法が発動しないみたいだ。


「私達に着いて来てください。逸れると大変な事になりますよ」


 俺が後を追っていない事に気付いたカンガルーが戻って来た。


「1つ質問して良いですか?」


「はい」


「俺の世界には魔術っていう物があるんですが、この世界には魔術って存在しますか?」


「魔術?それはどんな物ですか?」


「地水火風聖邪光闇無の属性を自然魔素(まりょく)を使って扱う方法で、火や水を出したり出来るんですが・・・」


「魔法の様な物でしょうか?」


「魔法は分かるんですね」


「この世界は、自然魔素(まりょく)の流れが滞ってしまい、蓄積させ発動する事が出来なくなりました」


「魔法も魔術も使えないって事ですね」


「そうです。さぁ~行きますよ」


 カンガルーはまた走り出した。俺は後を追い駆けた。



 城の中にも1000以上の石化したカンガルー達が居た。


「王様は、この部屋の奥におられます」


 案内され入った部屋には、青色で石化した人間が立っていた。


「王様って人間何ですか?」


「私達の王様は下等な人間種ではありません。精霊です」


 下等って・・・


「それで、どうして精霊様が石化してるんですか?」


「それは・・・そうだ、貴方の名前を教えてください。呼ぼうにも分からないと呼べません」


 ・・・そうだった!俺も彼等の名前を聞き出しておかないと。


「お互い自己紹介がまだでしたね」


「あら!私とした事が・・・下等な人間種が目の前に現れたもので驚きの余り名乗るのを忘れていました。私はADACHI(アダチ)。この子は娘のITABASHI(イタバシ)


 人間種を下に見ている種族なのか?・・・あれ、意外に簡単に名前を教えてくれたけど本当の名前なのかな?

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