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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-168 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 大ゼルフォーラ王国分裂の真相。Four hidden heroes. -

 話を進めたいので執務の合間に小一時間程声を掛け続けたが、うんともすんともピクリともまるで動く気配を感じない。


 これでは、小さくて愛らしいはずの小人族(ドワーフ)の子供をモチーフにした見るに無残な悍ましいだけの趣味の悪いオーナメント(置物)が、俺の執務机の上にそれも中央に嫌がらせのように置かれているだけだ。


「古い地属性の精霊の中には定期的に固まるのがいる。と、師から聞いたことがある。寝言だと思っていたのだがこうして目の前に薄気味悪く置かれているからには信じるしかあるまい。今日まで師の言葉を疑っていた己を情けなく思うと同時に、これでは師も己を恥冗談めかしもするはずだと理解した。阿呆丸出しの情けない師の顔を誰彼構わず晒すのは弟子として友として看過することはできない。我等が甥っ子殿よ、醜態を晒さずに済むよう誰の目にもとまらぬ場所へ、この成れの果てを頼む」


 アンガーレム様と誰よりも長い付き合いのルイーズ様の話は非常に興味深く採用するだけの価値がある。


「アンガーレム様、机の上にあると邪魔なんで申し訳ないんですがどかしますね。目が覚めたら戻って来てください」


 謝罪の言葉を一言添えてから、俺の神授スキル【転位召喚・極】でグランディール城の地下一階宝物庫の奥にある関係者以外立ち入り禁止の部屋へと移動させた。


「この城の宝物庫の禁止エリアに移したんで、誰にも見られずに済むと思います」

「かたじけない」


・・・

・・


「いやー助かりました」

「久々にやってみたが時の経過とは偉大なものだな。便利な魔道具、道具のおかげか政務をこんなにも楽しく思えるとはな」


「面倒な書類仕事は殆どタブレットが処理してくれるんで、緊急案件でもない限り今日みたいなことは殆どないんですけどね」

「四千か。外の空気にもっと触れておくべきだったか。ブツブツブツブツ……小指の(オリキュレ)きまぐれ(ールカプリス)の後は乱れ切った世を正し安定させることが急務だった。便利さよりも抗う力の方が正す力の方が重要だったからなぁ~」


 おや、聞いたことがないことがまたもや。 

「オリキュレールカプリスですか、聞いたことが無いんですが、何ですかそれ?」

小指の(オリキュレ)きまぐれ(ールカプリス)を知らんのかあぁあぁそうであったな。大ゼルフォーラを二分し競い合わせることで発展と安定を促した我等兄弟の一大イベントで誤魔化したんだったな」


「そのオリキュレールカプリスってのを隠す為に国を二つに割っちゃったんですか。何か話の次元が……あ? ゼルフォーラ王国とヴァルオリティア帝国って何かの序に生まれたんですかっ!?」


「序、序と言っちゃ人聞きが悪いがまぁそんなもんか。ただな、こっちも必死だったんだぞぉ~」


 国を分裂させてまで隠した何か。スゲェー気になる。

「参考までにいったい何があったのか聞いても良いですか?」


「結構前の話だし、まっ、いっか。大した話じゃねぇー、栄華を極めた古代文明ですら太刀打ちできずに異界へと疎開した程の存在が再びこの世界に現れて北方大陸を飲み込み南下を開始した。これに激怒したクロコダイアン様とラケル殿と父上と母上が種族の垣根を越え力を合せ大暴れした末に良く分からない存在を冥界へと追い遣ることに成功して世界を救っただけのことだ」

「世界を救っただけのことって滅茶苦茶大した話じゃないですかあ、え? 世界を救ったってどういうことですかっ!?」


「他意はないはずだが伝わらなかったか。つまりだ、我等が父上人族(ユマン)のゼルーダと母上大精霊のミトと高位樹人族(ハイエルフ)のラケル殿と神獣のクロコダイアン様が良く分からん存在の撃退に成功し世界を救ったってことだ。小指の(オリキュレ)きまぐれ(ールカプリス)はこれら一連を伏せて話す際に便利だからってことでそう呼んでるだけって感じだな。その後の方が大変だったもんだからさぁ~言葉の綾って奴だ聞き流してくれ」


 クロコダイアン様とラケル殿とミト様とゼルーダ様(兄弟の父)が世界を救ったってマジか……。それに双子の兄弟の兄ゼルーダ様とミト様って変だなとは思ってたけど精霊様だし昔だしそんなこともあるのかって流してたけど兄弟の父親とミト様だった訳か。ゼルフォーラ王国史記間違ってんじゃん。後で教えてあげよ。


「ただ聞いてくれよぉ~、飲み込まれた地や巻き込まれた地では秩序が崩壊し死が蔓延しててよぉ~、幸いなことに無傷で済んだ地に飛び火されても困るってことで、中央大陸も東方大陸も南方大陸も北方大陸の全てを伏せたって訳だ。うちだけじゃなかったんだぜ。で、中央大陸では我等兄弟が国を割ったってだけのことなんだよぉ~」


 俺は今何を聞かされているんだ……。

「パフさん、これどう処理します?」

「わ、私は書籍店の娘。ですので、このように難しい話にはついていけません。申し訳ございませんが、全て陛下にお任せ致します」


 おっふ……。エリウス、エリウスならきっと……。チッ、目を逸らしやがった。


「分かる分かる、だよなぁ~。ありえねぇーもん。父親と息子の名前が同じとか紛らわしいよなっ!! ゼルーダJr(ジュニア)と呼ぶなって憤怒した兄上のせいで二人ともゼルーダだろ、もう紛らわしいのなんの勘弁してくれって感じだったよ。なっつかしいなぁ~」


 いや、そこはそんなに気にしてないです……。寧ろ他の……。

貴重な時間をありがとうございました。

大幅にカットした件を無理矢理繋げました。

……来たる日に備えて。

※誤字脱字他多数は後程訂正します※

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