6-MS-165 コルトに16歳の神授を取り戻せ - ルイーズ、41%は優しさでできている。a vague existence. -
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左寄り高位人族!?って何?
俺の子分を自称する地属性の中精霊通常精霊のアンガーレム様と、大樹の大精霊に復職したミト様と、本人曰くたぶん最近らしい気が付い時には昇華(上位進化)し地属性の中精霊から見習い大精霊になっていたミューさんと、前任の大樹の大精霊で現在は俺の助手精霊マルアスピーと、ヴァルオリティア帝国を建国したヴァルオリティア帝国の初代皇帝ガルガンダ・ルイーズ・ル・オリティアことガルガンダ・アントンことルイーズ様は、俺が提供したお土産とは別の工房ロイスピーの菓子と神茶で和やかに談笑している。
自称盾ことエリウスは後方で睨みを利かせている。
神眼を意識しルイーズ様を視たのは良いが、これって……。
左寄り、見たことも聞いたこともないんですけど。……もっと詳細を。
神眼とタブレットを駆使しMRアイズに整理された情報を表示していく。
「大精霊五十九パーセント、高位人族四十一パーセント?」
「おや、神の眼にはそんなことまで見えてしまうのかぁ~。そうなんだよ、詰る所現象とか事象六割存在四割。愛だとか勇気だとか夢だとかあるじゃない」
「は、ありますね」
「そんな感じでだいたい四割位優しさで構成されてるのが僕って訳さ」
「そ、そうなんですね」
あー、何だ。えっと、この人が言ってること、理解できないんですけど、……どうしよう。誰か助けてぇ~って、ミト様寝てるっ!?
人生で三回位しか会ったことがないみたいですけど、ア、貴女の息子さんが楽しそうに喋ってるんですよぉ―――。
「フッン、成長しておらんのぉー、そんな説明では誰にも伝わらん。親分」
「……あはい」
助け舟は正直有難い。けど、親分って呼ばれるのは正直遠慮したい、です。
「当時はな。ヒュームのユマンにも階位があってな」
「階位がですか、身分とは違うんですよね?」
「身分はヒューム共が好きな奴じゃろ、それとは違う違う。階位は階位だ」
おっと。この感じ、もしかしなくてもそうだ。アンガーレム様もルイーズ様レベルだ。
「おっ何だぁ~身分とか懐かしい話しなんかしてぇ~、酒を飲みながら良く話したぁ~懐かしいなぁ~、なぁ~、なぁ~ガッハッハッハッハ」
「そうじゃな、ヌッハッハッハッハッハお、おい加減せい」
アンガーレム様の肩に腕を回し豪快に笑うルイーズ様と、痛いから放せと笑いながらルイーズ様の腕を振り払おうとしているアンガーレム様。
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「お前の掲げた理想、叶わんかったの」
「あぁ」
「さっき偶然立ち会ってな」
「あぁ」
「見届けた」
「そうか。……まぁ~何だ。最後はこの手でと考えていただけに少しは気が楽になった。そこでだ。我が兄上の遠き遠き継承者に感謝の印としてついて行くことにした。宜しく頼むぞ我等が乙御前の旦那様よガッハッハッハッハッハ」
「そうかそうかやはりお前もそう来たかヌッハッハッハッハッハ」
しんみりした話になるのかと思ってちょっと身構えたんだけど意味なかったか。あの流れからでどうして豪快に笑い合えるんだろう。……不思議だ。
「ねぇロイク」
「え、はいなんでしょう」
「初めて会った兄の一人が一緒に暮らすと言い出したのだけれど、当然断るのだから早いに越したことはないと思うの」
「一緒に暮らす? 誰がですか?」
「……聞いていなかったのかしら。ハァ~、もう仕方がないわね、ロイクアナタにも分かるように最初から説明してあげるから最後までちゃんと聞きなさい」
「……はい、お願いします」
何、この流れ。
全く望んではいなかったが、マルアスピーは語り始めた。
「私の隣に座っている精霊が居るわよね」
精霊って、相変わらず容赦ない棘があるなぁ。
「ミト様がどうかしたんですか?」
「その精霊には息子が二人いるの」
その精霊ねぇ……。
「ゼルーダ様とルイーズ様がどうかしたんですか?」
「そこに座っているのが片割れのルイーズなの」
「ですね」
「そのルイーズが言うには理想の果ての残骸に引導を渡してあげたロイクにお礼がしたいそうなの」
「お礼ですか?」
「えぇお礼ね」
「その通りだ。褒美として、我が半身我が兄上の遠き遠き継承者遠き遠き甥っ子殿と僕は暮らす。さぁ~新居へと案内してくれないか。おっと」
動作が一々大きくて慣れるのに時間が必要そうな人だよな。
って、はぁ? ……何か突っ込みどころ満載なことを喋ってたような。えっと、どこから突っ込むべきだろうか。触れたら危険そうなところは華麗にスルーするべきだ。間違いない。それなら。
「おっとって、どうかしましたか?」
「良くぞ聞いてくれた。今ここには我が師、我が母上、我が乙御前、我が乙御前の旦那、我が乙御前の旦那の精霊妻、後ろに控えるは神となった聖獣。……いったい兄上は何処へ行った?」
貴重な時間をありがとうございました。
 




