6-MS-165 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 子分と五連星。I don't pay attention to the details that much. -
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領主の館に戻るとちょうど昼食の時間だった。
急遽、chefアランギー様不在の妖精のおしごとにアンガーレム様用の料理を一人前追加で依頼した。
アンガーレム様は。
「儂は食わんでも死なん、儂のことは気にするな」
と、遠慮していた。
料理が並ぶテーブルを瞳をキラキラ輝かせながら見つめるアンガーレム様を説得するのは簡単だった。
「アンガーレム様の料理もテーブルに並べてしまいました。席はこちらです。さぁ~どぉーぞどぉーぞ」
と、説得と言うより押し切り食事に参加して貰うことに成功した。
食事を終えた俺達の前に。
「二度目のお客様にはご挨拶を」×5
と、妖精のおしごとの五人が姿を現わしアンガーレム様に代わる代わるお礼の言葉を口にしている時だった。
「あ、あ貴方様方はあああの幻の五連星、料理を司りし食の探求神chefアランギー様率いる妖精のおしごとの、ソースの貴公子ドゥミグラスのスコーチュ殿に、ローストの先駆者キャロットラペのアメール殿に、ポワソンの魔術師ムニエルアンドポワレのソイソース殿に、五連星の紅一点アンクルートのリスグラシユー・ウフのオムレット殿に、ピラフの麒麟児リオレのメレンゲ殿。……最後の晩餐、美味かったはずだ」
五人は笑顔でお辞儀をすると何も言わずに宙に姿を消した。
五人が姿を消した宙を見つめながらブツブツと何やら考え込んでいたアンガーレム様は。
「決まりじゃな」
と、大きな声で一言発し頷きながら席を立った。
右に七席離れた俺の左隣まで駆け足で移動して来たアンガーレム様は。
「この通りだ。儂をお主の子分にして欲しい」
と、突然跪き間髪入れずに土下座しながら。
「子分にすると約束してくれるまで土下座を続ける。儂は一度決めたことは死ぬまで曲げん。明日からと言わず今日から今この時から儂を弟子にしてくれ」
と、床に額を擦り付け必死に訴えていた。
「子分とか弟子とか急にどうしたんですか?」
「何も言わずに頼む。週に二日はお主の指示通りに働く。食事も一日三食おやつは二回だけで構わん。儂を子分にして欲しい」
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皆と相談しお試し期間三ヶ月その後問題がなければ正式採用ということで納得して貰った。
床から壁を伝い天井へと響くアンガーレム様の声は正直怖かった。
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食後のティータイムの時間に、聖梟獣のサビィ―様と聖栗鼠獣のピエール様とミト様が合流し。
「ルイーズに会うだけなのよね。お土産なんてこのお菓子で十分、十二分よ。何だったらお釣りを貰ってあげてもいいくらいよ。さぁ~行きましょう。久々過ぎて分からなかったらどうしましょう。母親失格よね」
お土産で悩まずんに済んだのは良かったが微妙な気持ちと一抹の不安を抱え、ルイーズ様のもとへと移動した。
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【転位召喚・極】と【フリーパス】を発動する直前、マルアスピーから【レソンネ】が来ていた。
『ねぇロイク』
『はいなんでしょう』
『母親失格って今更だとおもうのだけれど』
『……ど、どうなんですかね。俺、精霊様の子育て事情とか家族の事情とかには疎い方なんで、良く分からないかなアハハハハハ』
『そう、それもそうね』
『移動します』
『えぇ』
ミト様は神様レベルで自由な精霊様だ。
そういえば、アンガーレム様も放浪癖のある自由な精霊様だと聞いていたが、ミト様とはかなり印象が違うような……。
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―――アシュランス王国・州都ラクール
ヴァルオリティア川(本流)・中州の丘居住区
R4075年11月24日(火)16:50―――
「おっ、母上。会うのは三度目だったかな? うんうん皆も良く参られた歓迎しよう。さぁ~宴だ宴。今日は我が手より離れたヴァルオリティアが名実共に我が甥っ子殿に屈した目出度い日でもある。歌い、踊り、語り、笑い明かそうぞ。イヤー愉快愉快ガッハッハッハッハっハッハッハッハっ八ハッハッハッハッハ うん? どうした?」
直接出迎えてくれたルイーズ様は、とってもテンションの高い豪快な人?だった。
貴重な時間をありがとうございました。




