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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-154 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 舵は体裁と見栄に、それとも国民に。インダイレクトリミット -

時刻 ―――15:55―――


 昼食(デジュネ)の時間を三十ラフン以上も遅刻していた。


 当然、遅くなる。と、連絡はしていない。


 俺の昼食(デジュネ)は、報告連絡相談を怠った罰として、勿論、抜き。


 大会議室で昼食(デジュネ)も取らずに待機していた皆の手前、仕方がない。この罰は……子供かって思わなくもないが、従うよりほかはない。


 家族(ウチ)のルールは絶対だ。王様だろうが世界の管理者だろうがだ。


 だって、家族(ウチ)のルールを決めたのは概ねchefアランギー様だから。


 つまり、神様が決めたルールだから。


 ……従うしかない、よ。



 神授スキル【フリーパス】で大会議室へと戻ったダダ卿と俺は、同じく昼抜きで控えていた出席者達と会議を続行していた。


「...... ~ ......でした」


 自分なりに短くまとめて報告できたと思う。うん。


「陛下が仰いましたように、実験は想定していた通りの結果で無事成功しました。これらを踏まえた上で改めて対策を話し合いたいと思います。意見のある者は挙手指名起立の後書記を考慮し発言するように」


・・・・・

・・・・

・・・

・・


時刻 ―――16:30―――


 会議は踊ることもなくすんなり終わった。


 会議に出席していないターンビットとジャスパットへは書簡を送り報告することになった。……ダダ卿が。


 ただ、ターンビットに関しては国王執務室に戻れば大王様とその子守り役のナイスミドル軍人がいるので、折角だし一応口頭でも伝えておこう。という流れになり、王様達ナイスミドル軍人達を伴い俺の仕事部屋(国王執務室)へと移動した。


 お昼寝中のターンビットの大王様と子守り役に出迎えられ入室した俺達は応接用のソファーに腰掛け、仕切り直しとしてまずは神茶を啜るところから始めた。


・・・

・・


 聖王と後方の甘いマスクのナイスミドル軍人。


 海洋王と後方の日焼けした肌がとっても真っ黒なナイスミドル筋肉軍人。


 竜王と後方の竜王より二回り程小柄なたぶんイケメンナイスミドル軍人。……種族色が濃いのだろう、申し訳ないけど人間種(ヒューム)よりの蜥蜴(リザード)にしか見えない。


 お昼寝中の大王と後方のゴールドアーマーが眩しい貴公子然としたナイスミドル軍人。


 俺の後方に控えるエリウスとパフさん。


 パフさんが一人いるだけではどうしようもできないくらいに暑苦しい男の集団が、神茶を啜りながら雑談を交わし合う様はなかなかになかなかである。



「雷が止むまで、ベトギプスからの難民はトゥージュー公爵領で、アイゼンタールとズィルパールからの難民はクロシェット侯爵領で受け入れよう」

「助かります。生活物資とか回復道具とかは渡せるだけ渡すんで言ってください」


「アシュランス王よ。スカーレットへの難民はこれで良いとしてだ。帝国や北大陸の難民狂信者共はどうするのだ」

「そうなんですよね。ドラゴラルシム王、何か良い案はありませんか? このさいララコバイア王でも良いんで良い案をください」


「このさい、このさいって私の扱い雑ですよ。これって、雑過ぎじゃありませんかね?」


 ゼルフォーラ王とドラゴラルシム王に同意を求めるララコバイア王は無視でいいだろう。先ずは話を。

「そういうのはもういいんで、良い案の方でお願いします」


「ヌオォー……大恩あるアシュランス王の頼みだ、無下にも出来ん。ハァー、ララコバイアの者として一つだけ助言できることがある」

「おっ、そういうのですそういうの、そういうのを待ってたんです。よっ、流石はヴィルヘルム様ララコバイア王、それでは、お願いします」


「馬鹿にしてないよな?」

「全然、ちっとも馬鹿になんかしてません、よ」


「まあ良い。先ずは、前提としてだが、陸路で繋がっているのは、旧ヴァルオリティア帝国と旧ガルネス神王国のみで後は海路のみで間違いないな?」

「はい。で、それがいったいどうしたんですか?」


「陸での雷と海での雷とでは対応が異なると思うのだがそこのところはどうなっている?」

「こっちの領土内で保護できないんで、あっちの領土まで出張って行って保護してます」


「海での救助はどうなっているのかな?」

 海での救助ってどうなんてるんだ?

「分からないです」


「我が国は海路の発展と共に海難事故の後始末や救助の技術を身に付けて来たがアシュランスはどの程度動ける?」

「分からないです」


 何てことだ。今、気が付いちゃったよ。筏とか船に乗ってる人に雷が落ちたら、壊れて海に投げ出されてしまう可能がが高い。しかも。

「気絶した状態で海に投げ出されたらヤバいですね」

「気絶の有無など関係あるまい。大型の魔獣が蠢く大海原に投げ出された時点で命などないに等しい。意識を失っていては飛ぶも浮かぶも泳ぐも出来ぬ。以前、気絶し海に墜落した新米の兵士が無傷で助かったことがあったが、治癒士の話では気絶していたことが幸いしたとか、ララコバイア王よ、海とはそういうものなのか?」


「水を飲まないから、溺れないから。そう言った理由で助かる者もいるかもしれません」

「海水は苦くてしょっぱいからな、我としてはそのまま飲むのは遠慮したいものだ」


 海水がしょっぱいとかは今はどうでも良いとして、海にも魔獣がいるの忘れてたよ。魔獣か……。


「……もしかしなくてもですが、既に結構な数の犠牲者が出てます?」


「出ているだろうね」

「でしょうね」

「だな。だが、先触れもない他国の民の安否まで気にするのはどうなのであろうな。民の安全を守るのはその民の国であって然るべきだ」

貴重な時間をありがとうございました。

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