1-45 中央騎士団第3師団の王都帰還。
短いです。会話がほとんど無いです。
まとめみたいない感じです。
宜しくお願いします。
――― 王国中央街道ルート4
『歪みの森』の王都側入り口 付近
――― 6月8日 26:10
ゼルフォーラ王国の王都モルングレーは人口300万人以上の大都市だ。
遷都当時、王都はパールホワイト色の円形城壁に囲まれ『ミュールセルクルドゥィペルルラカピタール』。通称『ゼルフォーラの真珠』と呼ばれていた。現在は、増え続ける人口を養う為、市街地や農地が拡大。円形城壁を囲む様に新らに城壁が作られ、ゼルフォーラの真珠は貝の中へと隠されてしまった。王都を訪れる旅人や商人達がパールホワイト色に輝く城壁を目印にしていた時代は過去のものとなった。
***王都モルングレーの説明***
1⃣『パレスエリア』
国王陛下・王族が暮らす王宮がある。
王家専用の庭園とビーチがある。
⑮【近衛騎士団事務所】
3【王都中央見張塔】
2⃣『シュペルブエリア』
3公5侯4辺伯が屋敷を構える。
①【デェイビュー】公爵家
②【トゥージュー】公爵家
③【ミィストゥリィー】公爵家
④【パマリ】侯爵家
⑤【ヴィクナン】侯爵家
⑥【アヴィル】侯爵家
⑦【ブオミル】侯爵家
⑧【トニナス】侯爵家
⑨【スラリス】辺境伯爵家
⑩【デュポン】辺境伯爵家
⑪【マーガレット】辺境伯爵家
⑫【フェトロング】辺境伯爵家
3⃣『プリミエールエリア』
8伯16子が屋敷を構える。
⑬ジェルマン・パマリ子爵邸
⑯王国中央騎士団本部
⑰王国軍本部
4⃣『ドゥジエームエリア』
領地を持つ男爵家が屋敷を構える。
5⃣『トロワジエームエリア』
領地を持たない男爵家、准男爵家、
半爵家が屋敷を構える。
㉔【王国軍トロワジエームエリア詰所】
6⃣『西オーヌルエリア』
一代貴族達が屋敷を構える。
7⃣『東オーヌルエリア』
一代貴族達が屋敷を構える。
⑱【聖騎士団本部】
8⃣『カテドラルエリア』
世界創造神創生教の
ゼルフォーラ大陸の拠点。
⑭【モルングレー大聖堂】
10『オフィサーオルドルエリア』
騎士号を叙勲された者や、
騎士団に所属する者、
王国軍に所属し士官待遇の者が
屋敷を構える。
≪ファーストエリア≫
9⃣『北オヌールエリア』
一代貴族達の為に新たに
設けられた新地区がある。
11『王民西居住地区』
㉜【北創生教会】
12『王民中央居住地区』
13『王民東居住地区』
17『中央アドミニストラシオンエリア』
王国・王都の行政関連施設が集まる。
18『中央ギルドエリア』
各ギルドの本部が集まる。
23『西コメルスエリア』
大手商会・商家が店を構える。
24『東コメルスエリア』
大手商会・商家が店を構える。
25『北コメルスエリア』
大手商会・商家が店を構える。
≪王民居住新エリア≫
14『王民新居住地区南1区』
15『王民新居住地区南2区』
16『王民新居住地区南3区』
≪新マルシェエリア≫
20『東アドミニストラシオン・ギルドエリア』
王都・各領の行政関連施設が集まる。
各国の外交施設、他国の貴族邸が集まる。
各ギルドの支部が集まる。
㉑【中央騎士団エリア20事務所】
21『南アドミニストラシオン・ギルドエリア』
王都・各領の行政関連施設が集まる。
各国の外交施設、他国の貴族邸が集まる。
各ギルドの支部が集まる。
㊲【オークションセンター】
40『コメルスエリア40』
新地区の商業専用地。
41『新マルシェエリア』
㉙【王国軍通行管理新マルシェ事務所】
㊱【東宿屋街】
㊳【アリーナ】
42『奴隷商・奴隷管理地区』
≪王都南・新開拓エリア≫
22『新開拓エリア』(図には記載無し)
図の南側の外壁の外に広がる。
【住宅地】【農地】が広がり、
【宿場街】【バザー】【屋台】が集まる。
城壁で囲まれていない。
王都で最も治安の悪い地域。
≪旧マルシェ広場≫
26、27、28、29
『旧城外マルシェ広場エリア』
26『旧マルシェエリア1番街』
27『旧マルシェエリア2番街』
28『旧マルシェエリア3番街』
29『旧マルシェエリア4番街』
㉕【王国軍旧マルシェ広場詰所】
㉝【南創生教会】
≪埠頭広場≫
30『コメルスケエリア』
貿易商、魚河岸、
船関連の商家が店を構える。
㉓【中央騎士団ケエリア事務所】
㉖【王国軍ケエリア詰所】
㉗【王国軍海軍事務所(本部)】
≪新コメルスエリア≫
19『西アドミニストラシオン・ギルドエリア』
王都・各領の行政関連施設が集まる。
各ギルドの支部が集まる。
31『コメルスエリア31』
新地区の商業専用地。
32『コメルスエリア32』
新地区の商業専用地。
33『コメルスエリア33』
新地区の商業専用地。
㉟【南新宿場街】
34『コメルスエリア34』
新地区の商業専用地。
35『コメルスエリア35』
新地区の商業専用地。
36『コメルスエリア36』
新地区の商業専用地。
㉞【北新宿場街】
37『コメルスエリア37』
新地区の商業専用地。
38『コメルスエリア38』
新地区の商業専用地。
39『コメルスエリア39』
新地区の商業専用地。
≪南東外壁門広場≫
⑲【王都駐屯騎士団事務所】
㉘【王国軍通行管理中央事務所】
≪北東城壁内部≫
⑳【中央騎士団北事務所】
≪西外壁門広場≫
㉒【中央騎士団西事務所】
㉚【王国軍通行管理西事務所】
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農地の説明
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Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸ
【王家が所有する農園】
農園Ⅲに1見張塔
農園Ⅵに2見張塔
Ⅹ・ⅩⅠ
【世界創造神創生教が所有する農園】
≪ルーリン川緑地開拓農地≫
ⅩⅡ・ⅩⅢ・ⅩⅣ・ⅩⅤ・ⅩⅥ
【領地を持たない貴族家専用農園】
㉛【王国軍外周農地管理警備事務所】
※遷都当時からの王民専用農地。
図の南側に図の緑地開拓農地の、
3倍以上の広さの農地が広がる※
≪王都西緑地開拓農地≫
ⅩⅦ・ⅩⅧ・ⅩⅨ
【領地を持たない貴族家専用農園】
***説明おわり***
市街地は現在も王都の南の新開拓エリアを中心に拡大している。王都の西のエリアには、放牧用の牧草地や王国軍や騎士団の演習用の土地が広がっている。
王都には、アドベンチャーギルドが3つ存在する。1つは、パールホワイト色の円形城壁の内側ファーストエリアの中央ギルドエリアにある【アドベンチャーギルド王都本部】通称『本部』。もう1つは、新コメルスエリアの西アドミニストラシオン・ギルドエリアにある【アドベンチャーギルド王都東支部】通称『息吹支部』。もう1つは、新マルシェエリアの【アドベンチャーギルド王都西支部】通称『大地支部』。
そして、アドベンチャーギルドの支部として、正式に認められていない支部が2つある。1つは、ファーストエリアの北オヌールエリアにある、貴族階級専用の【アドベンチャーギルドの総合受付】通称『貴族支部』。もう1つは、拡大する市街地、南の新開拓エリアのバザーの傍にある【アドベンチャーギルドの出張所】通称『火焔支部』。火焔支部は、魔獣や犯罪者達と日夜戦う王都の最前線。城壁の外に暮らす人々にとって、王国軍や騎士団よりも頼れる身近な存在だ。
天下の往来王国中央街道ルート4の歪みの森王都側入り口付近で、上下の交通を麻痺させる程の争い衝突を引き起こしたのは、王都モルングレーからコルトへワインを運搬する馬車の警護のクエストを火焔支部で受けた。火焔支部に登録する冒険者のグループ【トワイライトフレイム】のA班とB班総勢18人と、犯罪者奴隷達を移送する馬車の警備のクエストを大地支部で受けた。大地支部に登録する冒険者のグループ【イージーメロー】A班とB班総勢18人。36人の冒険者達だった。
冒険者達は、登録するアドベンチャーギルドが同じであっても、所属するパーティーやグループが異なると基本的に仲が悪い。同業者は仕事を奪い合うライバルだからだ。稀に協力し合う事はあるがそれは共同・共闘クエストに限られた話だ。質が悪い事に王都では、本部+貴族支部、息吹支部、大地支部、火焔支部。この4つは登録する冒険者達の仲が悪く、事ある毎に争い衝突を繰り返していた。特に仲が悪いのは大地支部と火焔支部。今回は、この最も仲の悪い支部同士が衝突した事になる。
――― 王国中央街道ルート4
歪みの森 王都側入り口付近
――― 6月8日 16:30
王都の交易商の商隊は、一頭立ての荷馬車が5車両と、交易商本人と使用人2人が乗った4人乗りの馬車が1車両。御者は6人。交代の御者が3人。警護する冒険者は18人。6車両編成30人。荷馬車1車両に、魔導具ファルダガパオの木材樽180リットル1樽約50Kgを12樽、5車両で180トンのワインを運んでいた。商隊は、6月8日16:30頃に、名を持たざる森の王都側の入り口の坂へと差し掛かった。隊列は、先頭で警戒を担当する冒険者2人。商人達が乗った馬車。積み荷を後方より押さえる冒険者3人の荷馬車が5車両。後方で警戒を担当する冒険者1人。万全の態勢で上り坂を登り始めた。
同じ頃、ロイの奴隷商の商隊は、二頭立ての移送車両16人乗り3車両。奴隷商人本人と使用人1人が乗った2人乗りの馬車が1車両。御者4人。警備する冒険者18人。4車両編成24人で、犯罪者奴隷46人を移送していた。商隊は、先頭を警備する冒険者3人。移送車両3車両と移送車両を警備する冒険者12人。商人達が乗った馬車。後方を警備する3人。名を持たざる森の王都側の出口に差し掛かり、森を抜けた先にある下り坂に合わせ馬車の速度を減速させていた。
交易商の商隊の先頭で警戒を担当している2人は、グループトワイライトフレイムA班のパーティーリーダーで、トワイライトフレームのグループマスター(男性)と、グループ内でスキル警戒のレベルが5で最も高いハンター(男性)だ。ハンターの男は、奴隷商の先頭を警備するグループイージーメロー所属の冒険者が自分達の横を通り過ぎるのを待って、犯罪者奴隷を移送する移送車両の1車両目の前輪を狙い矢を1本放った。
≪シュッ
車輪を狙い放った1本の矢は、あろうことか移送車両を引く二頭立ての手前の馬の後ろ脚に命中。脚を矢で射られた馬は、バランスを崩し対向車線を走行する交易商の荷馬車の1車両目を目掛け突進。坂での衝突事故が発生した。荷馬車と移送車両は横転し、横転した先頭車両を回避しようと御者達は必死に手綱を握ったが、もはやこの状況ではどうする事も出来なかった。坂の上から転がり落ちて来る50Kgの樽。強化していない木材樽は地面に落ちた衝撃や後方の荷馬車や馬にぶつかり大破損傷し坂道を大量のワインで湿らせた。馬の暴走と滑る路面によって折り重なるように転倒する交易商の荷馬車。移送車両は1車両だけが事故に巻き込まれただけで済んだ。
矢を放ったトワイライトフレーム側は、矢を放った事を棚に上げ、『車線を越え移送車両が荷馬車に故意にぶつかって来た』と、主張し自分達に落ち度が無かった事をクエストを依頼した交易商にアピールした。
イージーメロー側は、馬の怪我と矢を証拠に、奴隷商と交易商に対して、『トワイライトフレームによる悪質な街道往来の妨害行為で、矢を放った者と命令した者の身柄を速やかに拘束し王国軍へ引き渡すべきだ』ど、主張した。
衝突事故とその後の転倒事故により気絶した者や怪我を負った者は、街道の歩道より外側の草むらにシートを敷き寝かされていた。
当初は、意見を主張するだけだった、トワイライトフレームだったが、旗色が怪しく成るとグループリーダーの男は、風魔鳥を使役する魔獣使い(男性)に、仲間に集まる様に命令を出す様に耳打ちした。魔獣使いは直ぐに王都へ向け使役魔獣を飛ばした。トワイライトフレームのグループリーダーは、王都のアドベンチャーギルドの内でもそれなりに有名な男で、戦闘型メルセネールが本職のメルセネールギルドにも登録する短気な男だ。そして最初に手を出したのはトワイライトフレームのグループリーダーだった。
トワイライトフレームとイージーメロー2つグループによる衝突は、時間が経過するにつれ大地支部に登録する冒険者と、火焔支部に登録する冒険者の戦さながらの争いへと規模を拡大した。
最初の死者が出たのは、20:00頃だった。グループトワイライトフレームを中心とした火焔組のマジシャンが放った火属性中級魔術【イグニース】が、イージーメローの準戦闘型アヴァンチュールの後頭部へ直撃した。
この時点で、森の中へ非難した商人や旅人は多かった。坂を下れない状況に置かれ、馬車を放置する訳にも行かず、助けを求め使用人を走らせた商人も居た様だ。王都まで約33.6Km。王都からルート4をフォーラム方面に進む馬車に助けを求め王都へ引き返して貰い通報するのが理想的だが、夜の森の顔を知っている商人やギルドに依頼を出し警護を付けた旅人達が、陽が傾き始めた頃にルート4を王都から進む事は無い。王都の王国軍と王都駐屯オルドルロアへ通報が届いたのは、24:03既に夜になってからだった。
王国軍の騎馬中隊3部隊合計300名が到着し、争う冒険者達の鎮圧を開始した26:13まで、冒険者達は森の王都側の入り口付近で、争いの手を緩める事無く戦い続けた。そして、王国軍の騎馬隊300名による鎮圧掃討作戦が開始されると、争っていたはずの冒険者達は騎馬隊に対し協力し応戦し始めた。この世界では、軍人になる者より、各ギルドに所属しクエストを受ける傭兵や冒険家(職業軍人)になる者の方が基本的に能力が高い。アドベンチャーギルド登録の冒険者だからといって侮れない。
王都駐屯騎士団の戦車小隊第1部隊50車両200名が到着し、王国軍の騎馬隊と連携し鎮圧を開始したのは、26:50。
組織的な鎮圧掃討作戦にも関わらず、後から駆け付けた冒険者を含め70人の内、拘束出来たのは死者4人、負傷者7人のみだった。残りの59人は歪みの森の中へと逃れ、高速移動する者達の仲間入りを果たしていた。王国軍の騎馬隊の死者14名、負傷者20名、森の中に迷い込んだ者5名。王都駐屯騎士団戦車隊の死者1名、負傷者16名。
2つの陽が昇り朝になるのを待って、王国軍と王都駐屯騎士団は森の中の捜索を開始した。ルート4は早朝には通常走行が可能な状態に復旧していたが、争いの後の路面の状態は劣悪その物だった。王都から地属性魔術士が派遣され路面が元の状態に戻ったのは2日後の6月10日の事だった。
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――― 王国中央街道ルート4
王都モルングレー 南東外壁門 手前
――― 6月9日 11:40
俺は、マルアスピーとパフさんとアリスさんとモニカさんとルナさんと、神授スキル【フリーパス】で俺の輓獣車のキャビンへ移動した。
キャビンのドアを開け外へ出ると、ジェルマン・パマリ子爵様と、マリアさんと、騎士マケイン、他騎士団の団員達が、騎士団カードと身分カードの最終確認を行っていた。
「皆さん、おはようござます」
「おはようロイク君」
「おはようございます。ロイクさん」
「おはようございます。名誉団長殿」
「昨日は陽が沈む前に合流出来なくてどうしようか悩みました」
「連絡する手段が何かあれば良かったのだが、まさか森を抜けた坂付近で冒険者達が死傷者を大量に出し争っていたとは・・・」
「無事に到着出来て良かったです。森の中でも妙な事が起こっていた様ですから・・・」
「妙な事かね?」
「はい、商人や旅人達や、鎮圧掃討作戦から逃げた冒険者達が、森の中で転位顔負けの超高速移動を繰り返していた様なのです」
「うん?・・・」
「名誉団長殿」
騎士マケインが、ジェルマン・パマリ子爵様と俺の会話に入って来た。
「もしかして、名誉団長殿は、名を持たざる森の夜の顔、歪みの森の事を御存じ無いのですか?」
「歪みの森?森の夜の顔ですか・・・始めて聞く話です」
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そして、俺達は中央騎士団第3師団の入都手続きに便乗し、正式な状態で王都モルングレーに入都した。R4075年06月09日(闇)時刻12:12の事だった。