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このKissは、嵐の予感。(仮)   作者: 諏訪弘
ーメア・イート編ー
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6-MS-128 コルトに16歳の神授を取り戻せ - 手柄は自分に失敗は誰かに。ソリタリードラーマクイーン -

R4075年11月13日(水)09:30―――


 今日の天気は雷。


 夜通しというか一日中鳴り響いていた雷は今も盛大に鳴り響いている。


 タブレットでサクッと午前の執務を終え、エリウスとパフさんと話をしながら、大窓から外の様子を眺める。


 この状況、どう判断したら良いんだろうか……。


「...... ~ ......以上が各地からの報告です」

「どこも、ここと同じ感じってことですね」

「そのようです」


 重要地主要地を覆い隠していた激しい雨はあがった。荒ぶる風も静けさを取り戻した。嵐は半分だけ去ったって感じか……。


 駆ける閃光と轟く雷鳴は、この際いもう気にしないことにしよう。ただ、あれは……。


「エリウス。率直な意見を求めます。あれをどう思いますか?」

「はっ、あれはまさに天と地とを繋ぐ大滝、紛うことなき滝の壁です」

「ふ~む。そう見えますよね。パフさんはどう思いますか?」

「わ、私もですかっ! そうですね……幻想的な風景だと思います。滝の向こう側に沢山見える虹も御伽噺みたいで可愛いと思います」


 カッ ガリバリバリガリヴァリカルロゴゴゴゴゴゴスッドッゴーン。


 宙が裂けててもおかしくない。本日一番の爆音が轟いた。


「……ただ、この雷が全てを台無しにしています」

「う~む」


「主殿は如何お考えなのでしょうか。昨日はイエレミーヤ様と対策を話し合っておられたのですよね。盾である私を泉に置き去りにしコソコソと話し合っておられたのですよね?」


 こいつは自分を棚に上げて……だがここはスルーしよ。


「昨日と今日とでは状況が異なっています。先ずは整理でしょうね」

「「はい」」


「昨日は雨と風と雷が満遍無くって感じでした。が、今日は雷と雨って言うか滝って感じです」

「はい。まさに滝の壁です」

「あと、綺麗な虹ですね」


 虹は重要か? 

「……と、虹って感じです」


 この状況下にあって、キラキラと瞳を輝かせているパフさんに何か言うのは藪蛇になりそうだと判断し、虹も付け加え話を進めることにした。


「滝のような雨は外側と内側を隔てるように降っています。全ての場所で境界がはっきりしている状況です」

「「はい」」


「昨日と今日で境界として異なっている点は、昨日は何も見えない何も聞こえない感じでした。が、今日は見えるし」

「虹が見えています」

「……今日は外側に虹が見えるし外側から雷の音が聞こえる感じです」

「「はい」」


「雨って言うか、天から降り注ぐ滝の水は地面に到達すると外側に向かって宙高く跳ね上がって何処かへと消えています。その過程で虹が沢山って感じだと思われます」

「はい」

「虹って本当に綺麗ですよねぇ~♪」


「以上です」

「ですよね、虹って綺麗って言葉意外に表現のしようがありませんよね」

「主殿、それだけですか?」


 パフさんはこのままにしておこう。


「昨日のイエレミーヤ様の話では、嵐を止めるのは結構簡単みたいです。ただ、chefアランギー様の意図がハッキリしていない状況で止めてしまうのは難しいそうです」

「簡単に止められるのですよね? アランギー様の意図が分からないから止められない。では、理由になっていません」

「勝手に何かやって何かあった時、エリウスは責任を取れますか?」

「無理です。責任とは本来上席にある者が取るべきであって、任命された者末席にある者が取るものではありません。この場合、嵐の責任はアランギー様にあります。続こうが止もうが責任の全てはアランギー様が取るべきです」


 それ、正論。正論なんだけどさ。それ、chefアランギー様に言える? イエレミーヤ様も俺もそれが無理だから今に至ってるんだよ。


「そうですよね。分かりました。では、イエレミーヤ様に頼んで嵐を止めて貰います。エリウスはchefアランギー様がKANBE(カンベ)から戻ったら今の話をchefアランギー様にもう一度してください」

「え?」


「数十億年来の友神(ユウジン)でも三つも格上の相手なんで、意図も汲めていないのに関わるのもどうかなって考えていたようなんですが、幸いなことにエリウスは神格を得たばかりの新神です。新神は失敗するものです。失敗から学んで大成するものです。ここはエリウスに一肌脱いで貰うことにしましょう」

「え、えっと……」


「パフさん」

「はい」


「関係各所に至急連絡してください。嵐はじきに止む、と」

「畏まりました」

「パ、パ、パフ殿おおおおお待ちくだされ」


 くだされ?

貴重な時間をありがとございました。

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